槍ヶ岳 〜 南 岳 (3180m)    (3033m)

              
   
8月1日(土)


前夜発: 那珂IC(4:30) = 常磐道・北関道・ 上信越道= 横川SA(6:40−7:10)=
松本IC(8:15)= 新穂高・無料駐車場(9:50着)


駐車場位置

新穂高温泉P (10:20発)⇒ターミナル広場(10:25−10:40)⇒穂高平小屋(11:35-12:15)
白出沢出合(12:55)⇒滝谷非難小屋 (14:05−14:45)⇒槍平小屋(15:15着)


滝谷の沢を渉る

 登山指導センターで登山届に記入し、トイレを済まして出発する。
 水量が多い小鍋谷を橋で渡る。その少し先から「夏近道」ということで、右側の樹林の中の斜面に入る。高度差100mの薄暗い急斜面を斜めに登ってしばらく進むと、穂高平小屋の立つ穂高平に着く。雨が降り出す。
 今日の穂高平小屋は休業でありテラスで昼食とする。
 雨は次第に本格的になってくる。昼食後、雨衣を着用して、雨の中の砂利道を白出沢(しらだしさわ)を目指して歩み行く。

 「奥穂高岳登山口」の案内表示を見て、白出沢(しらだしさわ)に到着したことを確認する。
 雨が降り続いており、ザック等を下ろす場所もないので、休憩せずに先へ進む。ここで林道が終わり、岩塊が転がる白出沢を横断する。
 ブドウ谷、少し置いてチビ谷と2本の沢を横断し、さらに樹林の中を歩む。やがて沢音が次第に大きく近くなり、右俣谷に滝谷が合流する「滝谷出合(たきたにであい)」へ到着する。登山道の右上に立つ滝谷避難小屋でザックを下ろし休憩する。
 避難小屋はブロック積みの壁で結構古く、一部屋根が破損して雨漏りしている。しかし十分に避難や休憩は可能である。穂高平から休まずに来たので、行動食等を出して十分に休む。

槍平小屋からの穂高岳

 小屋を出て滝谷の河原に下り、木橋を渡る。上流には岩峰の間に雄滝が望めるが、奥の北穂ドームや断崖は雨雲で見えない。 滝谷を横断して間もなく、藤木九三(ふじきくぞう)像が大岩表面に嵌められた藤木レリーフに到る。大木の林を抜けて行けば、やがて視界が開けて槍平に到着する。
 小屋に入って雨具等をはずす。濡れた衣類は外の乾燥室に干す。薪ストーブで乾きが鈍い。雨衣は玄関土間の天井に干す。

8月2日(日)

槍平小屋(6:20発) ⇒ 最終水場(7:40) ⇒ 千丈沢乗越分岐(8:10−8:20) ⇒ 
飛騨乗越(9:50) ⇒ 槍ヶ岳山荘(9:55−10:50) ⇒ 槍ヶ岳山頂(11:10−11:15)⇒ 
槍ヶ岳山荘(11:30−11:50) ⇒ 大喰岳(12:15) ⇒ 中岳(12:55) ⇒ 南岳(14:15) ⇒ 
  南岳小屋(14:25着)

 今日も雨模様である。小屋で朝食を取り雨具を身に付けて出発する。小屋の北側のテント場から山道に入って行く。
 大木が無くなり灌木帯となる。歩き易いように転石を並べた道を進む。霧雨のような雨が降り続いている。いくつか小さな沢を越え、大喰岳山頂の真西に当たる「最終水場」で喉を潤して、水筒を満タンにする。
 やがて森林限界を越え広い斜面の草原に出る。周囲の視界が大きく開ける所であるが、今日は雲が掛かり見えない。間もなく登山者のための救急箱と指導標が設置された分岐点に着く。

雷鳥

南岳小屋と北穂高岳
  千丈沢乗越への分岐点付近は、天気が良ければ見晴しが良い場所であるが雨天で腰を掛ける場所も無いので、立ったままで休憩し順次出発する。
 ここから槍の肩の南側鞍部となる飛騨乗越まで急斜面をジグザグに登って行く。 槍平小屋から高度100mごとに木のプレートが続いており、「標高2600m」「標高2700m」と通過して行く。
 霧中の右手に小雪渓を見つける。「2800m」を過ぎれば上方に稜線と思しき黒白を分ける境界線を見い出す。やがて指導標が立つ飛騨乗越に到る。
 大岩を巻いて登ると、その上に槍の肩のテント場が階段状に続く。左右に広がる小さな平地の中を進めば、槍ヶ岳山荘の前に到着する
 山荘の中の軽食コーナー「キッチン槍」でホットココアやホットミルクを飲みながら休憩する。室内の暖かさは、冷えた身体に大変心地良い。
 その後、小雨とガスの中を槍の穂先を目指す。登り初めに数人の登山者とすれ違っただけで渋滞もなく山頂にたどり着くことができた。ガスで高度感がないものの雨で岩場や梯子が滑りやすくなっているため、細心の注意を払いながら登った。
 槍の頂上に立つが雨とガスで視界ゼロである。往復40分で帰還する。
 槍ヶ岳山荘を出て、ガスの中を南岳へ向かう。少し寒気を感じる。テント場から飛騨乗越まで下り、分岐点を直進して大喰岳へ岩稜を返す。やがて霧の中にいくつものケルンが並び立った大喰岳を通過する。南北に長い頂稜部である

滝 雲

夕暮れの槍ヶ岳(常念平より) 
 その先南側で再度下り始め中岳との鞍部へ進む。岩稜を登り返し最後に2本の金梯子を登ると中岳頂上に到る。
 途中で幸運にも途中でつがいの雷鳥に遭遇する。 中岳では記念写真を撮るだルへ石段状の道を下り始める。やがて一瞬だけガスが上がり南岳への稜線や南岳小屋そして北穂高が望めた。
 小雨模様のガスの中南岳分岐に達し、左に天狗原へ下降路を分ける。ここを境に左の谷は横尾谷右俣となる。稜線を逆S字に進むと南岳山頂に到る。南岳から下ればすぐに南岳小屋に到着となる。
 雨が続きここまですれ違う登山者もごくわずかであった。
 今日の乾燥室は石油ストーブで、期待が持てそうである。この小屋は、通常飲料水は、天水のため有料だがこの時期まだ梅雨があけず、タンクに余裕があるため宿泊者は無料になっていた。ひと段落して、畳敷きのストーブ部屋を独占して暖を取る。ストーブでお湯を沸かす許可も得て、各々焼酎のお湯割りや紅茶を飲みながらBS放送の天気予報を見て、翌日の晴れ予想に一喜一憂していました。
 夕方には雨が止んで一瞬ガスが切れた。小屋から数分の「常念平」向かった。ここからは大キレットを流れる「滝雲」や北穂小屋の灯も見ることができた、ふり返ると夕闇が迫る中、シルエットの槍ヶ岳をようやく二日目の夕方で見ることができました。

 8月3日(月)

南岳小屋(4:35発) ⇒ 南岳山頂(4:45) ⇒南岳小屋(5:30−6:35) ⇒ 丸木橋(7:05)
⇒ 2700m地点(7:45) ⇒ 南沢(9:40−9:55) ⇒ 槍平小屋(10:00−12:25) ⇒
滝谷出会(13:05-13:15) ⇒ 白出沢出会(14:15-14:30) ⇒ 
穂高平小屋(15:05−15:25) ⇒ ターミナル広場(16:15) ⇒
新穂高温泉P(16:25−16:45) ⇒ 栃尾温泉(17:00着)

動画 南岳小屋と北穂高岳

動画 南岳新道からの笠ヶ岳から槍ヶ岳までのパノラマ


南岳からのご来光
 待ちに待った快晴(のちに梅雨明けと判明)南岳山頂でご来光を迎え、獅子鼻、獅子鼻・天狗岩に移動し北穂高岳や大キレット等をそれぞれが思い思いに写真撮影する。
 小屋番の話によるとこの時期は槍ヶ岳が赤く染まる被写体にならないと言っていた。 やがて双六、笠ヶ岳の稜線にも朝日があたり、鏡池山荘や小池新道まではっきり見えるようになった。 昨年の夏山山行思い出す。 ひと通り天上の眺望を楽しんだあと小屋で遅い朝食を取る。
 小屋前で記念撮影し出発する。南岳新道は、甚だ急な下りだが、常に視界には、笠ヶ岳や滝谷あり、奥丸山(2439m)はかなり眼下に見える。
 2850m付近の丸木橋通過するとカール状の鞍部に着くこの付近にはシャクナゲなどが咲いていた。

アルミ梯子手前の雪渓

恐怖の木道
 小さな雪渓をトラバースしアルミ製梯子を登ると稜線に出る、この狭い稜線には木道が架かっており、まだ濡れているため恐る恐る小さな歩幅で渡る。両側とも切れ落ちており、すごい高度感である。
 2700m付近で眼下に槍平小屋が見える。ニッコウキスゲが咲く草原で休憩する滝谷の見おさめだ、樹林帯に入り幾度となく木製の梯子を下りながら下降する。
 まだ雪渓が残っている南沢を横切る箇所で時間調整の休憩をする。
 槍平小屋で槍ヶ岳山荘宿泊組と合流し、新穂高温泉に店が営業していて軒端に「氷」暖簾がたなびくのを目聡く見つけ、全員でかき氷を飲む。
 今夜の宿の栃尾温泉「民宿まえだ」は、1泊2食付約8千円の割にはなかなか良い宿であった。山小屋よりも安い。 明日は、西穂高岳は体力的に無理ということで乗鞍岳を目指すことにする。

標高2700m付近からの槍平小屋

獅子鼻からの北穂高岳
 
恐怖の木道

南岳から南岳小屋に下る

南岳新道を下る

南沢

槍平小屋への荷揚げのヘリ
8月4日(火)

 栃尾温泉(7:55発)= あかんだな駐車場(8:15−8:30発)=乗鞍岳畳平(9:33-9:40)⇒ 
富士見岳(10:00−10:30)⇒乗鞍岳畳平(11:00−11:50発)=

あかんだな駐車場(12:45−12:55)=「アルプス街道平湯」(13:00−昼食−13:45)

乗鞍岳山頂
 あかんだな駐車場発、乗鞍岳畳平行きのバスに乗車する。
 乗鞍スカイラインは天気が良く、途中からは槍・穂高連峰が一望となる。もちろん槍ヶ岳もはっきり確認できる。 
 やがて針葉樹林から森林限界を出て、道端に高山植物が揺れる中を畳平駐車場に到着となる。
 畳平からどの山に登るか迷うが、まずは近くの富士見岳に登ることとする。鶴ヶ池を回り込み北側から岐阜・長野県境の稜線を上る。さして苦もなく山頂に立つ。
 眼下の不消池(きえずがいけ)には雪渓が残る。徐々に多くの雲が湧き立つが、天気は安定している。日差しが暖かい。最高点となる剣ヶ峰も南方に望める。時々雲に隠れるが、くの登山者の姿を確認できる。しばし滞在して畳平へ戻る。それぞれ大黒岳や魔王岳な
どを散策する。 畳平駐車場に面する土産物店などを覗きながらバスを待つ。出発前に長い行列となり続行便が出る。満席で定刻に出発する。
 
富士見岳
 

  「アルプス街道平湯」(12:45発) = 松本IC(14:45 )= 東部湯の丸SA(15:30-15:45) = 
藤岡JCT(16:35)=高崎JCT(16:40)=太田桐生IC(17:00)=佐野藤岡IC(17:25)=
佐野SA(17:30-17:50)=友部JCT(18:40)=那珂IC(18:55着)



滝雲


南岳からの槍ヶ岳


左手前は鏡平山荘、奥は黒部五郎岳、右奥は双六岳


恐怖の木道


滝谷

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