北 岳 〜  間ノ岳 〜   塩見岳 (3193m)  (3189m)   (3052m)

              
   
8月6日(金)


駐車場位置

前夜発:日立中央IC(21:15) = 常磐道・中央道= 伊那IC(1:00)=
伊那市セブンイレブン(1:01−1:15) = 仙流荘P(1:45着)


仙流荘P (6:05発) =バス= 北沢峠(6:55−7:30) =バス= 広河原(7:55-8:25)⇒
二股(10:50−11:45)⇒小太郎尾根 (14:00−14:20)⇒肩の小屋(14:55着) 


広河原からの北岳
 定刻6時5分に出発する。天竜川水系三峰川の支流となる黒川、更に戸台川を遡り、北沢峠を目指して高度を上げる。林道を進むうちに中央構造線・フォッサマグナを横断して行く。
 最初は高曇りであったが、途中から雲が明けて快晴となる。鋸岳のシルエットが美しい。やがて長野・山梨県境の北沢峠に着く、ここでバスを降り、広河原行きのバスを待つ。南アルプス市営のマイクロバスも数台続行で運行されており、3台目に乗車する。 峠から野呂川沿いに25分下り、北岳登山口となる(野呂川)広河原に到着する。 
 バスを降りて、道を上流方に歩き林道ゲートを抜ける。
 左手上方には、これから目指す北岳の山頂が朝日を受けて美しく輝く。林道から左に折れて野呂川に架かる吊橋を渡り広河原山荘の前庭で身支度を整え出発する。
 最初は暗い樹林の中の登りだが、やがて樹林を出入りしながら、徐々に高度を上げていく。途中で大樺沢を石伝いに2度渡り左岸に戻る。
 2回の休憩(@9:05〜15、A10:10〜30)を取り、分岐点の大樺沢二俣に到着する。

上の写真の望遠撮影

仙丈ケ岳
 ここで昼食休憩を取る。十分に休憩して、急登が続く右俣斜面を登る。二俣から小太郎尾根直下までが特に急である。
 白根御池から直登する道と合流し森林限界を越える。草付き斜面をジグザグに進んで高度を稼ぐと、稜線が近づき間もなく小太郎尾根に飛び出す。
 正面には仙丈ヶ岳が秀麗な姿を現す。肩の小屋に至る稜線は、真正面に北岳、左方に富士山、右手後方に仙丈ヶ岳から甲斐駒ヶ岳、左後方に早川尾根、鳳凰山などを眺めながらのたいへん開放的で気持ち良いルートである。
 急な岩場を1箇所通過して更に進むと、やっと小屋が確認できる。
  
 二 股      「肩の小屋」直下からの北岳         「肩の小屋」の我々の寝床

8月7日(土)

肩の小屋小屋(5:45発) ⇒ 北岳山頂(6:20−7:10) ⇒ 北岳山荘(8:20−9:00) ⇒ 
中白根山(9:30−9:50) ⇒ 間ノ岳(11:05−12:00) ⇒ 三峰岳(12:35−12:50) ⇒
 三国平(13:25) ⇒ 熊の平小屋(14:00着)

動画 「肩の小屋」の朝

 4時50分にご来光を向かえる。
 
小屋の裏からすぐ岩稜帯の登りとなる。植生は草が少々で、他には枯れた這松が白骨のような姿を晒すのみである。
 稜線の西側に付けられたやや急な道を登る。少し進むと西の仙丈ヶ岳・両俣小屋から急登で上がって来る道を合わせ、次の岩角を曲がれば、山頂とそこに集う大勢の登山者を確認できる。
 岩稜を進むと、間もなく南北に長い山頂に到達する。
 東面にはバットレスの絶壁が迫り、昨日登って来た広河原から突き上げる大樺沢の全体を望むことができる。


夜明け前の富士山(4:44)

「肩の小屋」と甲斐駒ケ岳と八ヶ岳
 南東には秀麗な富士山を望み、南にはこれから辿る中白根山から間ノ岳への主稜線が大きく伸びる。
 遠方には塩見岳の先に悪沢・荒川・赤石の山塊、西には中央アルプスの空木岳や木曽駒ヶ岳、雲海の奥に御岳山と乗鞍岳、槍・穂高連峰などの北アルプスの山なみ、すぐ西には大きな仙丈ヶ岳、その右に白く甲斐駒ヶ岳、その奥に八ヶ岳山塊、さらに金峰山を始めとする奥秩父の山々、大菩薩連嶺から丹沢山塊など、本州中央部の主要な山々を手に取るように望むことができる。 快晴の山頂を十分に堪能し、間ノ岳へ向かう。
 山頂南方直下の池山吊尾根分岐までは登る人と降りる人が入り乱れて混雑する。
 右下手の左俣沢下方ではニホンザルの群れが移動していた。
 北岳山荘の前のベンチで休憩する。トイレ休憩や飲料購入のあと、間ノ岳へ向けて出発する。
 小屋の前から西側稜線に戻り、中白根山の登りに取りつく。植生の少ない這松の道をゆっくり進み、標柱が立つ中白根山山頂に立つ。
 ここから間ノ岳までは終始標高3000mを超える国内最高所の稜線歩きとなる。徐々に高度を上げて行く。途中、東側の沢に残る雪渓で雪を味わう。

間ノ岳を背景に

中白根山からの間ノ岳
 間ノ岳で昼食摂り、三峰岳から熊ノ平小屋へ向かう。
 ガレ場を下って行くと正面に岩峰が見え、一旦鞍部まで下る。ここで仙丈ヶ岳・仙塩尾根方面からの道に合流し、比高約30mを登り返して三峰岳山頂に到着する。
 ここは山梨・静岡・長野の3県境であり、南アルプスの中でも重要な地点であるが、山頂は狭い。
 南西に進路を変え、仙塩尾根に入る。痩せた岩稜を通過する。
 左手には間ノ岳から農鳥小屋・西農鳥岳に続く稜線を大きく望む。その手前の間ノ岳南西側の大斜面には中腹に農鳥小屋と三国平を連絡する巻道がはっきりと確認できる。
 三国平の台地を一望できる斜面に出る。その先には熊の平小屋も望める。
 三国平から鞍部の井川越まで約200mを下降し階段を少し登り返して、今日の宿となる熊の平小屋に到着する。
 熊の平小屋は、静岡・長野県境をなす仙塩尾根の稜線東面に立つ静岡市営の立派な小屋である。
 周囲には水が湧き出し、特に小屋下手の水場の水量は極めて豊富でかなり冷たい。
 14時前で時間もまだ早いので、水で濡らしたタオルで身体を拭き、シャツを洗ってテラスに干す。

三峰岳からの西濃鳥岳
 

動画 西農鳥岳と農鳥小屋


ご来光(4:48) 手前の山は鳳凰三山  

「肩の小屋」でご来光を迎える登山者

 北岳山頂

北岳山頂からの富士山
  
        熊の平小屋             熊の平小屋     熊の平小屋」からの西濃鳥岳

8月8日(日)

 熊の平小屋(5:05発) ⇒ 竜尾見晴(6:07-6:20) ⇒ 北荒川岳(7:30) ⇒ 
2718ピーク(8:05-8:20)⇒ 塩見岳(9:50-10:45) ⇒ 塩見小屋(11:35-12:00) ⇒
本谷山(13:30−13:45) ⇒ 三伏山(14:25) ⇒ 三伏峠小屋(14:35着)

 小屋からすぐに樹林帯に入り、稜線まで登り行く。稜線に出たあと、安倍荒倉岳の傍らを通過して行く。
 樹林帯の道が続くが、時折樹林を出て見晴しの利く場所に出る。
 岩稜の上に出ると竜尾見晴に着く。高曇りの下で暫く休憩する。
 東の正面に西農鳥岳と農鳥岳が大きな山塊で聳える。
 竜尾見晴を出て、続くもう1つの岩峰を過ぎると間もなく、こんもりとした新蛇抜山を通過して行く。 緩やかにアップダウンを繰り返して進み、岳樺の林を出て這松の斜面を登ると、北荒川岳の山頂に出る。

   動画 熊ノ平小屋と間ノ岳


「熊の平小屋」と鋸岳

2719ピークからの塩見岳
 縦走路の西側が大きく切れ落ちる北荒川岳大崩壊地の縁に沿い南へ進む。崩壊地の途中で東に折れ、マルハダケブキ群落が広がるキャンプ指定地跡の小屋を通過する。
 塩見岳の北面バットレスを間近に望む2719m標高点の南側稜線で小休止し、行動食を取る。
 白い砂礫が多い稜線を登るが、途中からガレ場の急登となる。やがて先が見えなくなり、道が緩やかになると左方より二軒小屋、蝙蝠岳・北俣岳方面から来る蝙蝠尾根が合流する北俣岳分岐点に到着する。
 南側が明るく開けた稜線を進み、大岩の傍らを越えて行くと、塩見岳最高点の東峰に到着する。 
  独立峰のため、山なみの眺望は素晴らしい。
 東方に相変らず富士山の雄姿、すぐ南に悪沢岳その奥に聖岳、西には中央アルプスから北アルプスの長大な山脈、北方には仙丈ヶ岳や北・間・農鳥の白峰三山、中でも大きな農鳥岳、そして間ノ岳からここに到る長大な仙塩尾根と、重畳たる山なみが連なる。
 ここで昼食を摂る。 西峰は東峰から目前にあり、緩く下って登るとすぐに到着する。この間約2分である。塩見岳西峰から少し下ると、急なガレ場に差し掛かる。


    動画 塩見岳からの遠望
 蝙蝠岳と雲に隠れた富士山
 塩見小屋からの塩見岳

 岩場の急下降を過ぎて鞍部まで緩く下り、次のピークである天狗岩に登り返す。天狗岩は山頂南側を巻いて進み、西側の急斜面をジグザグに下る。
 その後、緩くなった斜面を斜めに下り、這松帯から低い灌木帯に入って行く。
 やがて小さなピークの蔭に立つ塩見小屋に到着する。塩見岳が望める小さな小屋である。
 小屋を出て間もなく、樹林帯に入る。さらに権右衛門山を越えて三峰川林道へ下る塩見新道との分岐点に到る。 

 権右衛門山の南を巻いて行く。暫く樹林の平坦な道を進み、稜線に登って行く。
 樹林の中をアップダウンしながら進む。木立の中から時折左に塩見岳が望める。やがて本谷山に到着する。
 本谷山を下り、鞍部付近で三伏小屋跡へ向かう道を分岐するが、ロープが張られ、看板に「通行不可」と書かれている。
 ここから三伏山まで最後の登りに掛かる。やがて視界が開け三伏山に到着する。後方には塩見岳がやや遠く望める。目前に三伏峠小屋が確認でる。
 烏帽子岳・荒川岳方面から来る道と合流し、比較的新しい自炊棟を過ぎて三伏峠小屋の玄関に到着する。 

 本谷山に向かう樹林帯からの塩見岳
   
     夜明け前の西濃鳥岳          塩見岳山頂          塩見岳西峰を下る
 
安倍荒倉岳付近からの塩見岳
 
「三伏峠小屋」の2階の我々の寝床
 

8月9日(月)


鳥倉登山口

 三伏峠(6:22発) = 鳥倉登山口(8:15着−9:25発) = バス =
伊那大島駅(11:15着−12:00発)= J R = 伊那市駅(13:03着−13:25発)=
バス = 高遠駅(13:50着-13:55発) = タクシー = 仙流荘P(14:10着)

 
 三伏山越しの塩見岳
 部屋の掃除が始まりゆっくり出来ないので下山を始める。
 雨後の樹林の中を緩やかに下り行く。 雨は上がり心配もない模様である。
 小屋から約15分で塩川方面との分岐点を通過する。 意外にも樹間からは北アルプスの槍・穂高連峰が望める。
 視界の利かない樹林の下りが続く。やがて白い筋のように林道が見えて、バス停が立つ鳥倉登山口に到着する。
 バスで伊那大島駅に向かい、駅近くの食堂で昼食を取る。
 12時00分発の飯田線下り電車に乗る。
 伊那市駅まで34.9q、途中15駅に停車し、約1時間かかる。伊那市駅前からは高遠行きのバスに乗る。
 高遠からはタクシーで車を取りに仙流荘へ向かう。タクシーのルートを戻り、高遠町西高遠の伊那市営さくらの湯に向かう。
 「さくらの湯」は、平日のせいか比較的空いておりゆっくりと汗を流す。「さくらの湯」を出発して、帰途に就く

北アルプス遠望
 
仙流荘P(14:15発)=高遠:さくらの湯(14:30−15:40)=伊那IC(16:00)=
諏訪湖SA(16:15)=談合坂SA(17:50)
= 守谷SA(20:30-21:10)=那珂IC(21:50着)=日立市内各所下車



「肩の小屋」からの地蔵岳


北岳山頂からの富士山


北岳山荘と間ノ岳


北岳と北岳山荘



「熊ノ平小屋」からの西農鳥岳


塩見岳からの荒川岳

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