久慈町の昔の出来事

ふるさとウオッチング(一) 「明住会たより」第9号(平成10年6月1日

冨士神社(権現さま)=新宿町
 かつて神社は新宿町の一角に鬱蒼とした樹林に囲まれた丘の上にあり、権現さまといわれていた。これは冨士権現を祀る冨士神社である。
 祭神は木花咲耶姫命で、日本三美人の一人である。
創祀は永享年間といわれているが不詳。新宿町の守護神としてのみならず、豊作、安産の守護神として近在の人々の篤い信仰を集め、権現様と呼ばれ親しまれていた。例祭日は旧暦6月14日である。

ふるさとウオッチング(二)明住会たより」第10号(平成9年11月1日

お薬師さま(薬師堂)

 この薬師堂に安置されている薬師如来坐像は、重要文化財にしてされています。
薬師如来像は、江戸時代まで大森丹奈の里(常陸太田市)にありました。元禄六
年(1693年)徳川光圀の命により久慈村梵天山法陰寺の境内に移されました。
文久元年(1861年)に久慈村の大火の際、薬師如来像は、人々に背負われて運び出され難を逃れ、この地に祀られました。
 現在の薬師堂は、明治42年(1909年)現在地に建立したものです。
本尊薬師如来像は栗材の寄木造りで、像の高さは71センチメートルあり、平安時
代の作であると云われています。薬師如来は、大医王仏とも言われ古くから近郷
近在より信心者を多く集め、特に病苦を救い家内安全にご利益があったとされています。(久慈町薬師堂保存会)