薄墨桜 2019.3.29 TOPへ
◇下野市国分寺にある下野国分尼寺跡の薄墨桜である。27日に満開宣言があって2日後の本日の訪問である。岐阜県根尾谷薄墨桜は樹齢1500年のエドヒガンで、国の天然記念物である。この根尾谷薄墨桜の実生苗を譲り受けて、下野国分尼寺跡に昭和60年3月植え昭和63年4月に開花している。これから推すと樹齢40年くらいになる。生育環境が良く樹形が良い。
◇根尾谷薄墨桜は、大正初期の大雪で太さ約4mの枝が折れ、本幹に亀裂が生じた頃から衰えを見せ始めたという。昭和23年頃には枯死寸前となり、岐阜市の医師前田利行翁がこれまでの病院での得意の回生術が適応できるか関係先と調査し、昭和24年3月10日から4月5日までかかって238本の根接ぎを行った。巨根は殆ど枯死の状態で、白蟻が生息していた。僅かに残る活力のある根に山桜の若根を根接ぎした。これ以降も保護が継続され、蘇った老桜の満開が見られている。こんな背景がある根尾谷薄墨桜の子桜の満開を本日見たのである。
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