鮎川川口−焼石湯
2006.03.02 前へ トップへ 次へ
日立市の海岸は砂浜がきれいで、また、海に面した崖も美しい。鮎川が海に流れるところは、国道245号の橋の近くである。この橋は鮎見橋といわれ、川口近くの左岸に島木赤彦の歌碑がある。この歌碑と並んで海側に自然石に焼石湯跡と彫られた碑がある。国道245号で鮎見橋を通る時、一度寄ってみたいと思っていたところで、今回初めてだった。焼石湯跡と書かれた碑の背面に下のような記載があった。
偶然、焼石湯をやっていたというご主人にその川口でお会いした。昭和30年代の後半まで焼石湯の営業していたようで、石は特別なもので焼いても割れないものだそうだ。薪の上に石、その上に薪と何段か重ね、石を真赤に焼くそうである。そのほかいろいろお話を聞くことができた。

『この浜にはかつて江戸時代から伝わる焼石湯があった。焼石湯とは浴槽に潮水を汲み込みそれに真赤に焼いた鮎川の青い石を投げ入れて沸かす全国でも珍しいもので、万病に効くと云う評判から大いに繁昌し、近在はもとより遠方から訪れる文人の湯治客も少なくなかった。
   昭和五十九年三月吉日 島木赤彦歌碑建設有志一同』