製品開発セミナー
売れる商品づくり 〜開発の原点〜
平成15年7月16日(火)14:00〜
日立商工会議所・第2会議室
講師:越山英弥 ライフ・ラボ(有)代表取締役
日立産業再生プロジェクトの一環として、ものづくりの発想と心構えを学ぶことを
目的としてこのセミナーは開催された。
講師はこのプロジェクトのメンバーでもあり、開発と営業力に長けている事から、
今回の講師として適任とされた。
略歴 ’62 茨城大学工学部を卒業後、日立製作所に入社
’68 多賀工場にてクリーナー設計部にて「ゴミパック」を開発
’74 消臭フィルター「ケムレス」を開発
’75 ボックス型扇風機「BOX FAN」を開発
’81 クリーナー部の部長に抜擢される
’84 洗濯機設計部長時代に「静御前」を開発
’89 青梅工場・技術部長「蛍光ランプ取替えシール」を開発
’91 本社・情報営業本部特販部長
’94 鞄立東サービスエンジニアリング技師長
’99 ライフ・ラボ(有)設立
水膜式エアクリーナー「WAC」を開発
手軽にビールが作れる「自ビール工房」を開発
初めに、日立産業プロジェクトの座長であり副会頭である森秀男さんより
開催の経緯や講師の紹介があった。
「日立市の基盤となるものづくりを再構築するために、学ぶべきことがある。
この会場に来ていない若い経営者にこそ、聞いて欲しい講座である」
座長の熱い想いが溢れる挨拶を聞き、僕は
自分が参加できた幸運と、
大切な
仲間をこのセミナーに誘えなかった無念を噛み締めたのである。
挨拶をする越山さん
資料として「
売れるものづくり<
開発の原点>」というA4サイズのコピーがあった。
氏が経験して来たものづくりをするときに押さえるべきノウハウが、網羅されている。
上に書いてある略歴には「
ゴミパック開発」と簡単に書かれてあるが、消費者から
リサーチしてヒントを得て、開発のイメージを熟成させ続けた上で情報と人脈を使い
製品を作り上げるまでの逸話は、その紙には書かれていない。
しかし、開発から販売までの計算しつくした段取りにも、底に流れる
熱き想いがあり
思いを形にする
強力な意思と、広い視野を持ったリーダーシップを持ち続けて、やっと
製品になって売り上げに計上され、結果的にみんなが利益を享受することになる。
山本会頭もじっくりと話しに聞き入っていました
参加者は、各々の生活や経営に生かそうと必死で聞いている
熱弁は止まらない
市役所の若手も会議所の所員も真剣に聞き入っています
今回のセミナーを聞いてヒントになったこと
1)何気ない物事をも、きっかけやヒントとして捉える視点を、常に持ち続けること
2)良いものを考え出したら、顧客側とメーカー側の両方から見て熟成させること
3)使っている人がいたらその人の声をよく聞いて、そこからヒントを見つけること
4)情報を得るときにはアンケートを書かせないで、聞き取りをすること
5)ヒントを得た時点で「特許」を申請すること
ものづくりで力を注ぐポイント
1)営業開発と商品開発は両輪であるが、重点は営業に置くべきである
2)改善型は投資が少ないが利益も少ない ×
3)問題解決型は知恵で儲けはそこそこ △
4)新提案型は発想も投資も大変だが儲かる ○
講演の後、会頭室にて講師との雑談に入れていただきました
今後の展開に付いて打ち合わせを続ける講師と山本会頭
雑談の中で会頭は越山さんにお願いをしてくれました。
「
この青経と言うのは、私たちが40年前に作った研究のための青年部会だから
越山さんの経験を伝授していただきたい」
これを受けて越山さんは
「
若い人たちに伝えることはまだあるかもしれないので、一度は聞いてもらいたい」
折りしも、共同受注や共同制作を目論んでいるこの時期でもあることから、今回の
ご縁を活かしてみたいと思うのです。
資料 :
開発の原点
水膜式エアクリーナー & 自ビール工房
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