久慈川水系滝めぐり 前のページへ トップページへ戻る お問い合わせ
 
久慈川水系には、たくさんの滝があります。
四季折々に姿を変え、私たちの目を楽しませてくれます。
ここでは、その中からいくつかをご紹介します。

袋田の滝(ふくろだのたき)
安龍ヶ滝(あんりゅうがたき)
朧滝(おぼろたき)
大滝(おおたき)


 

袋田の滝と滝川 (大子町 文・矢口 ナオ)
 
袋田の滝いつの世に 包みおきけむ袋田の
   布引き出す滝の白糸

        水戸二代藩主義公(光圀)

もみじ葉を 風にまかせて山姫の
   清水をくぐる袋田の滝

        水戸九代藩主烈公(斉昭)

み空より 岩を伝うて飛びおりて
   すべりて散りて四度の大滝

        明治文豪 大町 桂月

 さて毎年のことですが、袋田の滝の前に住む私ですが、テレビの除夜の鐘にせかされて吊り橋をわたり、観瀑トンネルの最奥にある滝不動尊をお参りします。
 その鐘の音に願いを託すこともさることながら、いつの世からかは知りませんが、昔の文豪文人にまで親しまれてきた、この荘厳な音をたて、巌然と立ちはだかる滝の偉大さには手を合わさずにはいられません。
 満天の星より真白い布糸が引き下がるかの妖艶さや、冬嵐後怒涛濁流と化し、荒れ狂う時の姿もありますが、極寒の闇に黙する水瀑の雄々しい姿は、元朝の代表的光景です。それが「百雷の如くの音」(60年間聞き続けた今は亡き母日く)とともに解けて春が来るのです。
 水戸藩の狩場でもあったという鹿待ち岩など、今も名を残す飛び石、跳ね石を伝うてからの滝川のせせらぎは、小学校時代に歌った"春の小川"ののどかさをかもし出し、繰り返しながらアユで名高い久慈川へと注ぎこまれていきます。

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逆川(さかさがわ)と安龍ヶ瀧 (常陸太田市 文・酉金砂神社 宮司 中嶋 又實)
 
安龍ヶ瀧  西金砂山に源を発す逆川は、幾筋もの沢水を集めて北東方向から東側へ流れて、水府村天下野で山田川へ合流する。全長約4キロメートルの川である。
 この川の上流部は、安龍ヶ瀧までは小さいながらも淵あり、瀬あり、小瀧ありとなかなか変化に富んでいる。この上流部には水清きところに棲む、ホトケドジョウ、サンショウウオ、カワエビ、サワガニ、オタマジャクシなどが棲息している。また、昭和40年代初期の頃までにはウナギも棲んでいた。
 安龍ヶ瀧から天下野館までの中流部はV字谷の様相を呈し、巨岩、大岩がごろごろしている。川水は岩の間を流れる。途中には大きな名も無い瀧が2、3ヶ所あり、水は滑るようにして流れ下り館に至る。
 館から山田川までの下流部は、十数軒の人家があり猫の額ほどの田畑を潤おして山田川へ合流する。
 水府村の龍神川、この安龍ヶ瀧がある逆川も同じ安山岩質集魅岩の一枚岩の岩盤上を流れる。
 山全体は杉を始め雑木林で覆われているが、地表は浅く、保水力は極めて弱い。したがって一度大雨が降れば大水となって龍のごとく流れ降る。常々は水が少なく穏やかな水の流れである。穏やかな流れということで安龍ヶ瀧の名が起こったのであろう。

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朧滝 (矢祭町)
 
朧滝 田畑のあぜ道を東に進むと、足下に滝川の渓流が見られ、累々とした花崗岩が川いっぱいに重なり合っている。右手は大洪地区の共有林で、おかまさま(火産霊神)の祠がある。その奥が一番滝の滝口になっている。落差7メートル、水は瀑音をたてて大きな岩石の問を落下している。飛泉を左右に出で、滝つぼは渦巻いて淵をなし、岩と水に、たたずむ者は荘厳な感に打たれる。あたりは、欅の老木、桃、楓などの樹木によって覆われ、藤の大木が十数メートルの樹幹を直下させている。5月の花時には紫色の房が樹木のこずえをほふくして上空に懸るという。
 さらに岩を渡って奥に進むと、二番滝、佳老滝があり、一番滝におとらぬ景観を満喫することができる。
 下関河内小学校の豊里村郷土誌には「朧滝は大洪の地方にあり、一番滝は高さ2丈4尺幅1間、ベザイン淵滝は1丈8尺幅1間これら3つの滝を総称して朧滝という。」とありますが、この滝川の渓谷にかかる滝は、上記のみではなく奥深く馬渡戸よりの銚子口の滝まで、47滝を数えるようで、渓谷がその名のとおり滝川である。
 渓谷両岸の山を見上げると、松あり、雑木あり、いたるところに炭窯の跡があって、雑木は切られ、杉や桧の造林が進められている。  地図の上で馬渡戸と滝平との落差を見ると、約150メートルあると推定されるが、かつて水力発電の話もあったという。産業上の開発はとにかく、茨城街道に近く、これだけの滝を見、深山の気を満喫できる勝景は少ないと思う。
 朧滝は三鈷室山に水源を発する滝川が、追分・馬渡戸の高原の水を集めて布引山を横断して滝平台地に直下するところにできた滝である。

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大滝 (常陸太田市)
 
大滝この滝は春夏秋冬、名瀑である。新緑・濃緑・紅葉・冬枯のいかなる景観も訪れる人を満足させるに違いない。比較的安全に滝の600メートル下まで車で接近できるので家族連れでも軽装でも探訪可能である。

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