平成30年度活動記録
期日 研修内容 講師 出席
 2/16  1.講話:辻氏
<講話要旨>
 明治期~昭和初期における川尻の街並みについての解説
  (1)川尻(村)は江戸時代(19世紀初頭)から商業の盛んな漁村として栄えた。家並みが密集し、
        店が連なり繁華街となった。
  (2)栄えた商店街:「西の太田か東の川尻か」と言われるほどの繁盛を見せ、本通りだけでも
   酒屋、味噌屋、肥料屋、雑貨屋、薬屋、米屋、金物屋、履物屋、本屋等が軒を連ねた。
  (3)中心地の推移:昭和に入ると、日立に大きな商店街でき、かつて川尻の商圏だった地域
   の人々は日立に傾き川尻から離れていった.。
 (4)以下の項目について詳細に説明があった。
  ・ 明治期の豊浦の漁業:明治25年山形千介によって開設された。
  ・ 鰹業と五十集(いさば)業組合:主な加盟業者と取扱品(40件以上のうち10件抜粋)
     川嶋屋 :畳、砂糖、荒物、乾物、塩魚、石油 ,     玉屋 :陶器各種、硝子器類
   金成養生院:精神治療、内科、眼科 ,                日渡酒造:銘酒「日和の浦」
    水戸里屋 :木材、醤油醸造 ,                           ぜにや : 薬種、諸缶詰類、
      かめや:仕立物、足袋、シャツ                            森嶋酒造:銘酒「快哉」
      川尻館:海水浴旅館                                        つるや:海水浴旅館


2.役員会:
  2.1 平成31年4月予定 の一泊現地研修の日程等詳細を検討。
        日程:4月17日(水)~18日(木)     
        行先:静岡市焼津、島田、清水 方面(臨済寺,浅間神社,駿府城,久能山東照宮他)
        清水港に寄り、昼食を摂るかどうかは次回決定する。
        会費:26,000円にて募集;必要により会より補助する。
  2.2 平成31年度の行事計画及び役員改選等につき素案を検討。3月9日の総会で決定する。

抜粋資料、研修の状況はこちら
辻氏   20
1/19   1.講話:橘先生
<講話要旨>
 「江戸時代初期豊浦地方の寺院」について、下記項目の解説があった。
  (1)江戸幕府……キリスト教弾圧のため、寺請制度を設立:檀家制度の確立
         水戸藩  …… 寛文3年(1663)村々に寺社書上げを命ず:それに基づいて「開基帳」作成
  (2)光圀による寛文・元禄期の廃却……神仏習合の否定
       ・改革基準(祈祷・葬祭の廃止、掛け持ちの寺禁止等)を定め、寺院を削減
           日立市内:約160社⇒約30社
  (3)斉昭による天保の廃却
       ・寺院の破却、僧侶の粛清、梵鐘・鰐口(社殿・仏堂の軒下に吊るす音響具)の没収等
       ・神社の振興、神葬祭の推進
  (4)川尻地区で破却された寺院
       ・真言宗 宝幢寺、真言宗 吉祥院、真言宗 蓮光院、山伏 長音坊等
  (5)「開基帳」に出てくる言葉の解説
       ・行人(ぎょうにん)、能下(のうげ)、下住(かすみ)、住持(じゅうじ)、畳寺(たたみてら)等     

2.役員会:
    平成31年4月予定 の一泊現地研修の候補地及び日程につき煮詰めた。
    日程:4月17日(水)~18日(木)     
    行先:静岡市焼津、島田、清水 方面(臨済寺,浅間神社,駿府城,久能山東照宮他)
    会費:26,000円(にて募集;必要により会より補助する。)  

抜粋資料、研修の状況はこちら
  17 
 12/08
 1.講話:鐵氏
<講話要旨>
 「大津町の盆船流し」について……映像を交えて紹介があった。
  (1)はじめに
      大津町の盆船流しは毎年8月16日早朝に行われ江戸時代から続いている。昭和54年に
      茨城県無形文化財に指定されていて、現在は盆船流し保存会が主催している。
      近年は海洋汚染問題から大津沖に流していた盆船を回収するようになった。
  (2)新盆の準備:……お盆の中心は8月13日~15日
       盆棚造り:盆棚は木材を土台に組んで三段程の棚を作り白い布を敷きその上にマコモを
                      敷く。左右に回転灯籠や盆棚の上に写真,位牌,お供え物等を置く。
       盆船造り:新盆の家では約2mの大きさの木製の盆船を製作する。盆船の中央部には機関
          室を作り、煙突,ペンキ塗装,縄梯子など本物の漁船のように作られるものあり。
  (3)お盆     :新盆の家では7日に、それ以外の家では13日盆棚を作る。13日にお墓参り、夜
          はヒデ松を焚いて迎え火とする。
       仏前のお供え(新盆の家):13日~15日の朝及び夜は仏膳をあげる。
       じゃんがら念仏踊り:新盆の家には13日~15日の間は毎日午後 じゃんがら念仏踊りが
                                   回る。演奏する楽器は樋胴太鼓,笛,鉦である。
  (4)盆船流し:16日の早朝、新盆の家の庭には親戚や知り合いが集まり最後の盆船作りが
                     始まる。新盆以外の家でもマコモで同様に作り盆船に同乗させてもらう。盆船
                     は式典会場の大津港に運ばれる。大津港盆船流し保存会による式典は午前
         6時から行われる。式典終了後各盆船は2艘ペアで小型漁船に曳航され湾内を
                     数回回った後湾外に出る。現在は盆船の回収が行われ、寺院等に保管される。
 
2.役員会:
      平成31年4月予定 の一泊現地研修の候補地及び日程につき討議した。
      千葉県、静岡県等いくつか候補地が挙げられたが結論は次回以降に持ち越し、また日程
      についても 4月10日~4月20日の間あたりで検討することになった。

3.忘年会
     研修会の後、恒例の忘年会が午後5時より 「千歳寿司」にて行われた。
     
 抜粋資料、研修の状況はこちら
  定例会 19
忘年会
20
11/15   現地研修「鹿嶋及び神栖方面の歴史探訪」  
<研修先>

    豊浦交流センター(6:45発)⇒大杉神社⇒神栖神社⇒蚕霊神社⇒昼食(蕎麦処更科)
    ⇒風力発電風車群⇒鹿嶋神宮一の鳥居(車窓)⇒鹿嶋神宮⇒豊浦交流センター (18:00着)

研修概要,写真等詳細は現地研修記録へ 
             26
 
10/20   1.講話
<講話要旨:海野氏>: (プロジェクター写真にて補足解説:小林顧問)
 「川尻の成田山と波切不動明王」について
  (1)はじめに
       豊浦幼稚園のある小高い丘が不動明王を本尊とする成田山である。
       (以下は成田山のご家族”清水利美ご夫妻”より海野氏がヒヤリングされた内容に基づく)
  (2)不動明王
       『大日経』などの密教経典を典拠とする仏尊であるが、日本に密教を伝えた空海 が創始した
   とも言われる。
       波切不動明王は水に関係するところで信仰されている。そのご利益は海上安全、交通安全、
       厄難除災等である。
  (3)成田山新勝寺の歴史
       平将門の乱のとき、朱雀天皇の勅命を受けた寛朝大僧正は成田の地に不動明王像を奉安
    し護摩を焚いたところ、祈願最後の日に平将門が敗北し関東の地に 再び平和が訪れた。
       総本山;智積印(京都)、大本山:成田山新勝寺、川崎大師平間寺、高尾山薬王院
  (4)川尻の成田山
       初代弘善師は明治19年埼玉より川尻へ。成田山不道明王の分霊を勧請し 堂宇を建立、
       開山したのが川尻の成田山の始まり。寺は三代続いたが、三代目の時の昭和40年初頭に
       台風で住まいを兼ねた堂宇が大被害を受け廃寺となった。建て替えられた住まいには立派
       な仏像と仏画(二代目弘善作と言われる)が残されている。
  (5)川尻の波切不動明王
       川尻の波切不動明王は北宿の前明神、後明神各町内の氏神である。例祭日の7月28日の
      まで高低のある約400mの細い 道を担がれ、さらに国道沿いに進み300m先の海辺で清め
       られ、仮屋の中へ遷宮される。

 2.県南地方、鹿嶋及び神栖方面の歴史探訪研修の件:橋本会長
    「鹿嶋・神栖・稲敷の四社めぐり」資料 とプロジェクター写真により研修先の事前解説
       
    
 抜粋資料はこちら
海野
(小林) 
 19
 9/15 1.講話(2件)
<講話1要旨:鈴木くに子氏>: 
 <講話要旨> 「水戸藩の事件簿 その1:慶長検地と寛永検地」……小松徳年氏資料より
  (1)はじめに--水戸藩の成立と知行高35万石の謎……謎は検地にあり! 注1
       慶長14年 徳川頼房下妻10万石⇒水戸城25万石→→元禄14年 徳川綱條 水戸藩35万石
  (2)文禄検地(太閤検地):  天正10年~慶長3年:全国に実施……全国支配の基盤造り
       従来生産高「貫高制」⇒豊臣秀吉による「石高制」……反当ということで全国一律の生産量
  (3)慶長検地:慶長7年……代官頭伊那備前守忠次らを派遣、佐竹旧領の検地を実施
  (4)寛永検地:官営18年 総奉行望月五郎左衛門指揮の下に実施
  (5)慶長検地高と寛永検地高の比較: 寛永検地による全領石高増加 は下記の通り 
       慶長検地高292,679石 ; 寛永検地高369,466石   増加高76,786石 (26%増加)
   注1  核心は,間竿(土地の面積を測る1間の長さ)の変更:6尺3寸→6尺    
           これにより,1反歩の実面積減少→計算上の面積増加(10.3%)→(農民負担増)
     
<講話2要旨:金谷氏>:
 <講話要旨>  日立のどんど焼き(とんど焼き、鳥追い焼き、左義長、、、地方により異なる)
  (1)どんど焼きとは
        小正月(1月15日前後)に行う行事:松飾り,注連縄などを一カ所に積み上げて燃やす。
  (2)場所,語源,起源,言い伝え,現状
       北国から南国まで殆ど全国的に行われている。傾向としては減少してきている。
       語源としては囃子言葉や燃える様子の他、平安時代の宮中行事「三毬杖」からとも。
  (3)日立の実例(鳥追い祭り、焚きあげ祭……)
   きららの里、日高、高原自然塾等の鳥追い祭り及び会瀬の浜の焚きあげ祭について紹介。

2.役員会:
   (1)10月6日(木)予定 の「豊浦の自然と歴史めぐり」の説明役割分担について
   (2)11月15日予定の一日現地研修計画について
   ① 予算:参加人数によるが、参加費は概ね 6,000円/人の予定
    ② 訪問先:東国神社巡り…鹿島神宮、息栖神社、大杉神社等(詳細は別途資料)
     
 抜粋資料はこちら
 鈴木金谷 17 
 8/18  納涼会
・年中行事の一つ納涼会が「千歳寿司」で,開催された。出席者23名で、いつものように盛大
  に行われた。今年の夏は猛暑続きだったが、当夜は初秋を思わせる凌ぎよい夜だった。
・17時、川合幹事,橋本会長のご挨拶に続き、鉄氏の乾杯の音頭で宴会は始まった。
・老老男女?あちこちに人の輪が三つ四つ二つ、時が経つのも忘れておしゃべりに熱中。
・金谷副会長の中締めで19時にお開き。
その前に ”魚友”氏(村上孝洋さん)より俳句の披露があった。
  『酔うほどに 熱く語らう 納涼会』  (席上披露された句と少し変わっています) 
 
・会費 男性4,500円,女性4,000円

 納涼会の情景はこちら  
            23
7/21   1.講話
<講話要旨:小林先生>: 
 <講話要旨> 「陸(オカ)の暮らし」について
  (1)供養塚:天神様の西に供養塚(庚申様と三夜様が祀られている)がある。
       天明2年(1782)から7年間いわゆる天明飢饉があり、北から南に食物を探し求めて
       南下 した人が多かった。途中で倒れた人に「おかゆ」を施した。その縁で供養塚を建立
   供養塚は凝灰岩の岩肌に青面金剛が刻んだもの、台座には三猿が残っている。
  (2)二十三夜講:
      三夜様は二十三夜尊の略称陰暦二十三日の夜に行われる月待ちである。
   月待ちは月に十回の月待ちがあった。この時は飲食をし、お経を唱え、悪霊を追い払う
   などの祭りであった。
  (3)月待ち:
  ・十五夜(中秋の名月:芋名月) 旧暦八月十五日(平成30年は9月24日.)
  ・十六夜(いざよいの月) 昨夜の余韻がまだ残る。
   ・,,,
  ・二十三夜 :二十三夜の特徴は夕刻から日付が変わる深夜まで続く祭り。宗教性よりも
   遊興性の強い行事。

2.役員会:
  (1)県南方面方面日帰研修 行程検討
    ① 訪問先:大杉神社、息栖神社、蚕霊神社、風力発電風車群、鹿島神宮等
    ② 期   日:平成30年11月15日(木)
  (2)ふるさと再発見ウオーク、研修先連絡と説明者選定
    ① 期   日:平成30年10月6日(土)……豊浦交流センターより詳細連絡あり
    ② ルート :Bコース;御番山,カンブリ穴等 海岸コ―ス 、説明者:メンバー有志(内定)
 抜粋資料はこちら
小林  21 
6/16  1.講話(2件)
<講話1要旨:矢吹先生>: 
 <講話要旨> 「四ツ葉クラブ近辺の小字(こあざ)」について、昨年12月に続き、今回は
   (8の1)から(9)までの小話について 講話があった。
 (1)地域「屋敷前」のルーツと位置……白山前児童公園から小林氏宅(旧オーディン電
        気店)の集落近辺(矢吹先生の実地調査と推論)
  (2)保元・平治の乱と「屋敷前」の結びつき
  (3)乱に敗れた源氏や縁者は東国に逃れ、一部の者が川尻たんぼを取り巻く小高い丘
       に 隠 れ住んだ。その後国井浜、川尻に移住。その住居を屋敷、門前を屋敷前と呼ん
       だのでは。
  (4)大雨の後の洪水処理と防災は十王川のみならず、全国的な課題であった。低地には
       それなりの小字名が付けられた。 「上河原」、「下川原」、「後河原」、「中河原」など。
<講話2要旨:須藤氏>:
 <講話要旨>  米軍機本土初空襲における県内を中心とした防空体制の動きについて
                  ---日立周辺の防空監視哨の対応---『日立周辺の兵備と防空体制』他より
 (1)昭和17年(1942)4月8日、県北部(太田、磯原、高萩、黒前)方面に飛来してきた米軍
        機B-25爆撃機に対する、太田,菅谷防空等各地区の防空監視哨の対応について解説。

2.役員会:11月予定の一日現地研修計画について
  ① 訪問先:東国神社巡り…鹿島神宮、息栖神社、大杉神社等(詳細は別途検討)
  ② 期   日:平成30年11月15日(木)
  
 抜粋資料はこちら
矢吹
須藤 
 22
5/19  <講話要旨> 豊浦地方の神社仏閣 --川尻村を中心にして ・・・ 今回は神社について講話
      『豊浦の歴史』 -- 第8章 神社・寺院(P125 ~129) :講話詳細は配布資料参照
1.光圀の大規模な社寺改革と宗教統制
    水戸藩の社寺改革:寛文3年(1663)社寺整理の基礎資料作成…領内の実態調査命令
    一村一鎮守制の確立、神仏習合の排除
    神社--3千以上の整理, 寺院--2千以上の整理
2.豊浦地方の神社
 ① 改革前後の神社
   寛文3年(1663)に於ける川尻村,折笠村・砂沢村の神社は日光権現,館山権現など
      10社
 ② 正徳5年(1725)に於ける川尻村の神社は館山権現など4社
3.川尻村寺社御改書上帳より
 調査内容:社領、神社名、管理者・身分、開基、など実例をもって解説
 次回(H31年1月)は仏閣について講話予定

<その他:橘先生より依頼事項>:各地域に於いて、各自が過去,現在 経験若しくは見聞
    した 風習や行事があればそれを纏め6月定例会に持参して欲しい。

 抜粋資料はこちら
橘  20 
4月18~19    現地一泊研修「上州(上野の國)の史跡探訪」  
<日程と研修先>

<1日目>
    豊浦交流センター(6:20発)⇒沼田城公園⇒正覚寺⇒昼食(道の駅望郷)⇒龍華院弥勒寺
    ⇒水上温泉「松乃井」(15:30着)
<2日目>
   ホテル松乃井(8:30発)⇒名胡桃城址⇒多古碑記念館⇒昼食(一期一会)⇒箕輪城
    ⇒豊浦交流センター (18:30着)

研修概要,写真等詳細は現地研修記録へ 
25 
3/10 1.総会議事
 1)平成29年度会計決算報告(辻)…配付資料による。(略)
  H30年度への繰越し:100,137円(昨年度より7,567円増)
  なおH30年3月より新年度となる。
  平成29年度活動結果:「郷土史探訪クラブのホームページ」ダイジェスト資料による。(略)
 2)平成30年度行事計画(含む役員:平成30年度は役員改選なし) …配布資料による。
 3)会員異動 :会員名簿・連絡網… 配布資料による。
 4)探訪クラブ規約改正…配布資料による(今回は改正なし)。
  
2.講話(2件)
<講話1要旨:辻氏>:旧会員大沢氏遺稿資料「能化地蔵」、岩手日報より「平泉への道」、
                              「高級貴族に」、「記念の仏堂」等について解説

<講話2要旨:橋本会長> 
  沼田 名胡桃 箕輪城など「上州(上野國)の史跡探訪」の事前学習として下記項目の解説
 1)研修先:正覚寺、沼田城公園、龍華院弥勒寺、名胡桃城址、箕輪城跡等
 2)沼田城の歴史
 3)正覚寺、箕輪城跡
 4)龍華院弥勒寺、名胡桃城址
   5)多胡碑、上野三碑
   
<その他:小林顧問>:4/25(水)実施予定の「金堀沢で砂金を採ろう」について説明

 抜粋資料はこちら


橋本
17