R32 GT-Rとの出会い 6月 19日 http://www7.ocn.ne.jp/~yandm/
このエンジンRB26DETTの基本開発に参加し、その後の業務を同僚・部下に託し、私は旅に出たのであった。
忘れかけていたある時、東京三多摩地区で最初にGT-Rが納車になった方から電話を頂いた。一昨日納車になったのだが、その性能に満足しかねると言う内容のものであった。この方については後ほどお話しします。
私は、性能云々と言う前にGT-Rに乗れる喜びに仕事を早々に切り上げ、GTS-Rで出掛けた。
現地に着きご挨拶をし、状況を尋ねてみると「取り敢えず乗ってください」の回答であった。上まで回して良いですよと言われ、街中を一回りテスト走行してみた。どうにもエンジンが全域重たいのである。トリップメーターは400kmを刻んでいた。
オーナーの元へ戻り何とコメントしようかと考えていると、「何とかして欲しい、今日乗って帰って良いよ。これじゃGTS-Rの方が速いよ」と先に言われてしまった。この方はGTS-Rも持っているのです。メンテナンスは私がやらせて頂いておりました。まったく同感だったので、対応をお任せ頂き帰宅した。翌日、知り合いの日産の開発担当に連絡し、日産で調査する事になった。4、5日掛け修正しキャリアカーで戻ってきた。これを試乗したオーナーと私は「これぞ、GT-R」と感動した。不具合内容は公表できないとのことであり、それ以上のことは聞かなかった。勿論費用発生はなかった。気を良くし、ボッシュのシャシーダイナモで計測すると、280PSきっちり出ていた。これで280PSを体に刻み込んだのである。
暫くすると、オーナーから再度連絡があり、「中央高速で山梨までの往復をするが、足が柔らかい。何とかして欲しい」と言うのである。少々勉強すると、足の弱い部分が判明し、ショックを5セットほど作った。これが意外なほど良い出来であった。オーナーにも感動して頂いた。暫くしてこの方はこのGT-Rを下取りにし、GT-R ニスモを購入してしまったのである。先程のGTS-Rとこのニスモとシーマを所有されていたのである。お金持ちだなとは以前から思っておりましたが、「酒問屋の若旦那」だったのです。ボジョレヌーボー解禁日には、良い品物をたくさん頂いた記憶もある。
ニスモに変えてからも連絡を頂き、ショックを作って欲しいと言う要望を頂きましたが、5台分全てさばけてしまい、一台分の製作は困難との回答をしましたが、その落胆振りは想像以上であった。