気温が下がり空気が乾燥する今の季節は、指先が荒れやすい。しっかりと手入れをして、いたわりたい。 手の皮膚には体の他の部位とは異なる特徴がある。まず、顔や腹などの皮膚に比べて硬く、厚い。これは皮膚の表面を覆う角質層が厚いため。また皮脂腺がないので、顔のようにベタ付かない。 「硬くて皮脂が少ないということは、割れやすいということでもある」と左門町皮膚科(東京)の西川武二院長は話す。あかぎれやひび割れが、顔や腹にできないのに指先にできるのはそのためだ。
そんな皮膚の特質に加え、冬は水仕事にお湯を使うことが増えるのも、手荒れの一因だ。西川院長によると、手洗いや台所仕事でお湯を頻繁に使うことで、手の表面の保湿成分が洗い流されてしまう。また洗浄能力の高いせっけんや洗剤を多用すると、角質層の細胞の間にある皮脂も洗い流し、乾燥を」促進してしまう。
冬場の手荒れに悩む女性は多い。花王が昨冬、10〜69歳の女性580人に行った調査では、台所仕事で手が荒れる時期は66%「冬のみ」と答え、手荒れの原因として45%が「水やお湯」、44%が「洗剤」と答えた。 西川院長は「冬に水仕事をして指先が痛んだり赤くなったり、かゆみがあったりするのは、手がSOSを出しているということ。湯の乱用を避け、念入り過ぎる手洗いを改めましょう」と話す。
そうはいっても、水や湯を触らないわけにはいかない。ゴム手袋の成分で手が荒れる人もいるだろう。そこで西川院長が勧めるのは、水仕事の際に綿の布手袋をした上にビニールの手袋をつける方法。そして日中はこまめにクリームを塗り、夜は薬やクリームを塗った上で布手袋をして就寝する。この冬、インフルエンザ対策として普及しているアルコール消毒液も「指先の乾燥を促進するので、使い過ぎに注意」とアドバイスしている。 |
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