親の挨拶

2003・03・15

 

皆さん、本日は若い二人の門出を祝うために大勢の方々にお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

一言、ご挨拶申し上げます。

息子から3月15日に結婚式を挙げると打ち明けられたときは、実のところ私は心が浮き立つ気持ちにはなれませんでした。結婚そのものには私も大賛成なのでしたが、盛岡にいる私の母―健治の祖母なわけですが―88歳のその母が昨年の10月あたりから寝たきりになり今では意識もなく何度か危機を乗り越えながら今日に至っている状況なのです。

私の兄夫婦も最初から参列できるかどうか危ぶんでおりました。2月になって、「出席できそうだ」ということでしたので、私もやっと嬉しい気分になっておりました。それが十日前になってまた来られなくなってしまい再び沈んだ気持ちになっておりました。それが、昨日になって兄がどうしても二人を激励してやりたいと来てくれることになり駆けつけてくれました。私の母は、健治にいつか「健ちゃんがお嫁さんを貰うまでは死なないよ」と言っていたそうで、そのとおり母は今日も頑張っております。

 

健治が規ちゃん(私はこう呼ぶことに決めました)を家に連れてきたときにもった印象は、ご両親のことを父・母と呼ぶのを聞いて、若いに似ずよく躾の行き届いた家庭に育ったのだなと感心し、良い印象をもちました。健治もこのような人と結婚すれば幸せになれると確信いたしました。

ところで、本日の招待状は親の名前で出しましたが、この二人が自分たちの力で式を挙げようと披露宴も質素でもいいから自分たちのできる範囲でやろうと計画いたしました。このようなことで私も本人任せにしていたところがありますので、皆様を十分におもてなしできなかったのではないかと心配しております。行き届かない点があったとすれば、どうか若い二人に免じてお許し願いとう存じます。

このように力を合わせて良い家庭を築こうとしている二人ですが、まだまだ経験不足なものですから、これからも今日ここにご列席の皆様のお力添えが多々必要なこともあろうかと存じます。どうか今後ともこの若い二人を暖かく見守ってやっていただきたいと宜しくお願い申し上げます。

最後に、親としての挨拶の中ではなむけの言葉などを言うものではないのかもわかりませんが、一言付け加えさせていただきます。私は中学生のときに大病を患いまして1年間休学してしまいました。そのために健康の大切さというものは人一倍身にしみて感じているところです。明るい家庭を築く上にも健康であることが何よりも大切であると信じております。そのようなことから、誰の結婚式であってもはなむけの言葉は「健康第一」ということにしており、この二人に対してもやはり「健康第一」という言葉を贈りたいと思います。健治の名前はその願いを込めて付けた名前でもあるのですから。

本日は真にありがとうございました。