岩手県立盛岡第一高等学校1960年卒在京同期会
在京白堊三五会・旅行雑記(佐藤勇夫)

ニセコのスキーツァーに絡めて岩手の観光開発に話が及ぶ




『ニセコは外国だった』


 ここ数年続けている北海道スキーツアーを今年も行った。ドイツから帰国後
宇部勤務となったが、その会社にスキー検定1級の男が居ることを知り、北海
道スキーツアーが始まった。何しろ本州の端っこから北海道に行くのであるか
ら大変である。おまけに安いツアーを探すので出発時間は概ね早朝である。宇
部を朝4時に出発し、博多8時発の飛行機に乗るのである。これは難儀だが、
仕方が無い。広島空港から出たこともある。空空空空空空空空空空空空空空空

   完全リタイアした2005年のシーズンからは東京から参加することにした。仲
間は増えて宇部から参加する者、東京から参加する者(全ては会社の同僚であ
った若者である)があり総勢で7名になったこともある。今年は東京組みが私
一人で総勢3名のやや寂しいツアーであった。何時もは札幌近辺で滑っていた
 が、ニセコで滑ってみたいとの願望があり、今年それが実現することになった。
ニセコは札幌からやや距離があるため何時もの2泊3日が3泊4日とならざる
を得ない。費用も余分に掛かる。空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空

 2月16日(土)宇部組み二人は博多11時発、私が羽田12時発の飛行機
に乗り新千歳空港で落ち合うことにしていた。ところが博多発組から、新千歳
 空港近辺の天候が悪く、函館か羽田に着陸するかもしれない、と連絡があった。
これは困ったぞ、と思いつつ羽田に着いたらこちらも同じ状況。結局は1時間
半遅れにはなったが新千歳空港で落ち合うことが出来た。それから約3時間半
 のバスで憧れのニセコに着いた。宿は安いパックのため山小屋風のログハウス。
部屋に入って驚いた。カメムシに注意との表示があり、彼方此方にカメムシが
動き回っているではないか。安いからこれは我慢するしかない。空空空空空空

  翌朝早速ゲレンデに出てみた。そこでビックリ仰天。外人だらけではないか。
テレビ番組でニセコにはオーストラリア人が経営するペンションがあり、オー
ストラリアからのツアー客が多いとは聞いていた。しかし、これほど多いとは
思わなかった。リフトに乗ってもゴンドラに乗っても隣は外人である。自然と
「何処から来たか?」「どの位居るのか?」という会話になる。多くは「オー
ストラリアから」との返事があり、時々「ロンドンから」「アメリカから」と
の返事があった。仲間の話では「スイスから」という返事もあったらしい。中
国、台湾、韓国からのツアー客も多く見られた。空空空空空空空空空空空空空

 何故そんなに多くのオーストラリア人がニセコにやって来るのか聞いた。
「オーストラリアには高い山が無く、冬でも精々マイナス3度。雪質も湿雪で
ベタベタしている。此処はマイナス10度にもなり、雪質はドライで粉雪。最
高の雪質である」と言っていた。ロンドンから来た男は「今年のヨーロッパの
気候は異常で、雪が少ない」と言っていた。それでスイスからも訪問客があっ
たのだろう。ゲレンデにあるレストランに入っても大部分が外人であり、千円
ほどの餃子ラーメンとか丼物を食べていた。我々が少数派で、あたかもヨーロ
ッパでスキーを楽しんでいるような気分になった。空空空空空空空空空空空空

 岩手県にも多くのスキー場があり、雪質も規模(今後の開発の可能性も含め
て)もニセコに劣るとは思えない。安比は本当に素晴らしいスキー場であり、
八幡平も網張も良いと思う。しかし、外国からのツアー客は多いだろうか。多
 分そうではないであろう。ニセコのようにするには誰か仕掛人が必要だろうし、
大きな資本も必要であろう。白亜35会のメンバーで何方か仕掛人になられる
方は居られないだろうか。空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空

 彼らの滞在期間を聞けば必ず「1週間」とか「2週間」との答えが返って来
る。これも日本との大きな違いである。欧米の年間有給休暇は30日が普通で
ある。しかも完全に消化するし、使用者側は消化させる義務がある。パック旅
行も1週間単位であり、2週間目は半額になることが多い。日本はどうだろう
か。有給休暇を完全に消化することは極めて稀であり、万一の病気休務に備え
貯めて置くのが一般的である。しかし、欧米では病気休務に有給休暇を使うこ
とはなく、病気休務には別枠で休みを与えなければならない。日本では旅行も
海外旅行を除けば1週間単位ということはない。空空空空空空空空空空空空空

 今すぐ欧米のようになることは難しいだろうが、せめて年間有給休暇は完全
に消化出来るようになって欲しいものだ。そうすれば1週間のスキー休暇とい
うのも可能であろう。更には過労による鬱病とか自殺も無くなるであろう。そ
のためには日本人の意識改革が不可欠である。余りにも利便性を求め過ぎでは
ないだろうか。又、何事も急ぎ過ぎではないだろうか。24時間オープンのコ
ンビニは本当に必要であろうか。デパートやスーパーが1月1日からオープン
する必要があるだろうか。昔正月は日本中休みであった筈である。日曜日は神
様が呉れた休息日である。欧米ではデパート等は閉まりオープンしているのは
レストラン程度である。そのようなシステムの中で生活し、慣れてくると別に
不便を感じないし、適応出来るようになる。空空空空空空空空空空空空空空空

 労働時間が短くなれば収入が少なくなるとか、企業がやっていけなくなる、
との意見も多いだろう。しかし、無駄な業務を削り、労働効率、時間効率を上
げることにより乗り切れるものと思う。要は付加価値の付かない業務は行わな
いことだ。日本にはそのような業務が多過ぎる。収入が少なければ質素に暮ら
すことだ。これが一番大事なことと思う。日本人は食糧もエネルギーも完全自
給出来ないのに贅沢になり過ぎた。空空空空空空空空空空空空空空空空空空空

 ニセコの話しから変な方向になってしまったが、欧米人は日本人より豊な生
活をしている感がある。欧米人の収入が日本人より遥かに多いとも思えないの
で、それは経済的にというよりは心豊かに、ということになるのであろう。こ
んなことを思うようになったのは、質素でスローな生活が必然である年金生活
者になったためかもしれない。空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空空

                          (2008.02.26記)





羊蹄山をバックに『はい、ポーズ!』

















岩手県立盛岡第一高等学校1960年卒在京同期会
在京白堊三五会・『孫自慢顛末記』by佐藤勇夫
キッコウマンで募集した写真の話




『1年遅れの孫自慢』


 約1年前キッコーマンが募集したフォトコンテストに孫達の写真を応募してグラ
ンプリ(1等賞)を獲得した。募集題材は“あなたの「おいしい記憶」をおしえて
ください”というものである。私は長女の孫達の写真を自信を持って応募し、見事
グランプリを獲得したのである。結果はホームページで紹介されるということであ
ったので、白堊35会の皆様に見て貰えると喜んだ次第である。       

 ところがである。私の思いは達せられなかったのである。実は、この応募のきっ
かけはキッコーマンに勤務する次女からこの企画を教えられたことであり、インタ
ーネットを通じて応募したものである。応募要領によると「社員の部」と「一般の
部」の分かれており、次女が勤めているものの結婚して家を出ているので、「社員
 の部」ではないと思い「一般の部」に応募した。因みに「社員の部」と「一般の部」
では賞金額も格段に違っていた。                     

 暫くして娘から審査の途中経過が伝えられた。それによると私の写真は全ての応
募作品の中でダントツの評価を受けているというものであった。それともう一つの
事実が伝えられた。この企画を担当している社員は娘の友人で、娘の結婚式にも出
席し、我が家にも遊びに来たことのあるお嬢さんである。そのお嬢さんから娘に
「佐藤勇夫さんって貴女のお父さんよネ」と確認の電話があったそうだ。  

 これによって私の写真は「社員の部」に分類され、「社員の部」でのグランプリ
となったのである。しかも「社員の部」の写真は一般公開されないということで、
白堊35会の皆様に見て戴く機会は失われてしまい、残念至極と涙を呑んだのであ
る。負け惜しみではあるが、私の写真は全体の中でトップであったことを強調した
い。                                  

 それから1年ほど経過し、例のお嬢さんから娘に連絡があり、「2回目のフォト
コンテストを行うので、あの写真をホームページで使わせて欲しい」と。勿論了解
と返事し、このたびキッコーマンのホームページに私の写真が使用されることにな
り、先日掲示板に書き込みを行った次第である。1年遅れの孫自慢(?)というこ
とになる。                               

 その他大勢の中の一枚になっているのがやや不満ではあるが、前回の一般の部の
グランプリ、準グランプリの次に使われているので、それでも良いか、と思ってい
る次第である。孫自慢になり更には押し売りとなって恐縮であるが、写真を添付し
たので見て戴きたい。微笑ましくなる良い写真と確信している。私の付けたタイト
ルは「アーンして!」である。                      

[grand-children]
(写真をクリックすると拡大されます―管理人―)


  • ホームページでの写真の見方(皆様も是非応募して戴きたく)

    1. キッコーマンのホームページを開く   ここ をクリック     
    2. トップページの“「おいしい記憶」フォトコンテスト開催中”をクリック
    3. 数枚の写真が出て来て暫くすると、「フォトコンテスト開催中」のタイト
      ルが出て、3枚の写真が繰り返し出て来る。その中の「アーンして!」と
      思わせる写真が私の写真である。                 
   他の2枚は一般の部のグランプリと準グランプリであるが、3枚の中で一番
  良い写真は一目瞭然でしょう。これは親馬鹿を通り越した爺馬鹿ですネ。失礼
  しました。                             

                          平成21年10月8日   
                          佐藤 勇夫