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岩手県立盛岡第一高等学校1960年卒在京同期会
在京白堊三五会 『投稿』 by 横澤利昌



 『私とふるさととの関係』

‘90年代の社会貢献度調査等から07年のふるさとの老舗調査へ
  1. 私は激動の89―90年米国のワシントン州におり、2つの大学での講義やコーネル大学他の調査を通じ
    「フィランソロピィ」(人類愛)と「ホスピタリティ」(人間愛)という2つの「コンセプト」に出会い
    ました。カナダのブリテッシュ・コロンビア大では、キャンパス内にすばらしい日本庭園(ニトベ・
    ガーデン)があり感激したことを記憶しております。新渡戸は盛岡の下の橋近くが生誕の地で、ビクト
    リア(バンクーバ州都)が終焉の地で、両市は姉妹都市であり、ふるさとを意識した瞬間でした。

  2. 帰国後、前者(フィランソロピィ)は当時の「アサヒ・ジャーナル」(下村満子編集長)の特別号で
    「企業の社会貢献度調査」として‘91年&92年の2回実施しました。現在のCSR(企業の社会的責任)
    に通じます。

  3. 後者(ホスピタリティ)は私の大学に「ホスピタリティ・ビジネス・コース」を日本ではじめて創設
    して、同時に「ホスピタリティ」の啓蒙を考え学会創設のための研究会を実施し、現在、日本ホスピ
    タリティ・マネジメント学会と日本ホスピタリティ推進協会に発展しております。今では「ホスピタ
    リティ」は一人歩きしております。私はホスピタリティの訳の真意を、茶道や西田哲学から思考し
    「人格と人格の響き合い」と解釈しております。

  4. 94―95年再度米国におり、マルコム・ボルドリッチ米国経営品質賞(1988年創設のMB賞)の研究に
    取り組み、帰国後、社会経済生産性本部の協力を得て顧客価値経営の調査をしました。これは顧客を中
    心にした経営の質の評価(第3者評価)です。これは07年5月10日のサービス産業生産性協議会(ホスピ
    タリティの生産性)の発足になっております。横澤編「顧客価値経営」(生産性出版)

  5. この「顧客価値経営」を実践しているのは、100年以上も存続している日本の「老舗企業」ではないか
    という仮説で全国5000社の老舗を調査しました。バブル崩壊後、なんと約30%の老舗企業は右肩上がり
    でした。そして例えば近江商人の家訓「三方よし」=売り手よし、買い手よし、世間よし、のもと全国に
    根をおろし現在も頑張っております。

  6. ご存知のように近江商人である湖西・高嶋郡(滋賀県)から400年まえに南部藩主が大阪夏・冬の陣で
    物資を調達してくれた高嶋郡の近江商人を招聘して盛岡の中心地に居住させました。盛岡は近江商人に支
    えられていたという実態を現代の視点から調査し始めております。小野組の情報も必要です。
     全国の老舗企業調査から、ようやく盛岡に里帰りする感じです。これからが本番です。ふるさとの皆様
    のご協力をお願いする次第です。どんな情報でも嬉しく思います。「どんど晴れ」までにはまだまだ長い
    旅路です。

  7. 老舗企業はほとんどファミリ・ビジネスでした。欧米では90年代からこれが大きなテーマになっており、
    私も4年前から欧州に毎年参加しております。今年は9月にベルリンで開催です。日本では同族企業は否定
    される存在ですが、(定義にもよりますが、トヨタをはじめほとんどが同族です。英国は82%米国も62
    %、イタリヤは大・中・小の規模の分類でなく、ファミリィか非ファミリィかの分類しかありません。イタ
    リアの80%が9人以下の企業です。みな自己のファミリィ名を背負い、デザインを生かした付加価値の高い
    製品で勝負しております。「同族は強い」日経ベンチャー4月号の特集(80ページ)です。

  8. さらに、5年前に日中韓の3ヶ国に経営学会を呼びかけて、05年に上海で06年は釜山で成功をおさめ、今
    年は「第3回日中韓経営管理フォーラム」を10月12−14日、亜大で開催します。「共生」が統一テーマです
    が、環境問題、FTA、CSR等の他、ファミリ・ビジネスが大きなテーマです。こころ秘かに老舗のよう
    に100年継続するため次世代の育成が鍵です。

 最後に、かなり拡散しておりますが、根底に賢治の考えの実践があります。「人格と人格との響きあい」
「企業の社会貢献」「ファミリの絆」そして「近くて遠い日中韓の関係」老舗企業(100年以上存続)の
経営の美学をとうしてこの日本は、そして世界はどうすればよいかを考えております。これまでの「仕懸
かり品」をこれから5年間―10年間でまとめる予定です。長い間、お付き合い(読んでいただき)ありがと
うございます。

      

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