NAVY FRIENDSHIP DAY

米海軍横須賀基地は第7艦隊(US Seventh Fleet)の事実上の母港である。
第7艦隊はハワイのホノルルに司令部を置く太平洋艦隊の指揮下にあり、ハワイ近くの東経160度より東の太平洋を担当海域としている。旗艦は揚陸指揮艦ブルー・リッジ(USS Blue Ridge LCC-19)で、中将が座乗し司令官を務める。

主力艦は原子力空母ジョージ・ワシントン(USS George Washington CVN73)で、50〜60隻の艦艇と350機の航空機を擁し、平時の兵力は2万名である。

2010(H22)年8月7日開催のNAVY FRIENDSHIP DAYで、平素は関係者以外立ち入り禁止区域である基地内の一部が公開され、艦艇の乗艦見学や盛り沢山のイベントが賑やかに行われた。

USS LASSEN DDG-82

アーレイバーク級駆逐艦ラッセン(USS LASSEN DDG-82)はイージス戦闘システムを搭載したミサイル駆逐艦(Destroyer Guided Missaile)で、この日公開された唯一の米海軍艦艇である。
■9145トン  ■全長 509ft(155m)  ■全幅 66ft(18m)  ■喫水 32ft(9m)  ■主機 ガスタービン4基 2軸  100,000PS
■速力 30ノット  ■乗組員 380名

主力兵装
■Mk45.5インチ砲×1     ■Mk38.25ミリ機関砲×2
■Mk12.7ミリ機関砲×4    ■Mk15.2ミリCIWS×2基(ミサイルや航空機を至近距離で迎撃する)
■Mk41ミサイル垂直発射機×96セル
■スタンダード SM2/3対空ミサイル SAM(Ship−to−Air Missile)
■ESSM(Evolved Sea Sparrow Missile)対空ミサイル・・・短SAM
■VLA対潜ミサイル
■トマホーク(Tomahowk)・・・巡航ミサイル
■Mk32短魚雷発射管 3連装×2基
■哨戒ヘリコプター(SH60 シーホーク) 2機

艦名のラッセンはベトナム戦争時、勇敢な救助活動で名誉勲章を受賞した海軍パイロットClyde Everett Lassen(1942−1994)に因んでいる。

クレーンの後方が駆逐艦ラッセン

岸壁に繋留された駆逐艦ラッセン

駆逐艦ラッセンのブリッジとメインマスト

艦首にたなびくフラッグ

Mk45.5インチ砲

駆逐艦ラッセンのシンボル

駆逐艦ラッセンの艦首に通じる通路

乗船見学を待つ長蛇の列

乗艦まで炎天下で1時間20分待った。このような状態は忍耐というより精神的な修業ではないかと悟った。しかし乗艦してみると公開されていたのは艦首の甲板のみで、艦内には立ち入ることが出来ず非常に物足りなかった。

護衛艦 はるさめ (DD−102)

米海軍ラッセンと並んで同じ岸壁に繋留された海上自衛隊の護衛艦はるさめも公開された。(DD;Destroyer)
■4550トン  ■全長 151m  ■全幅 17.4m  ■喫水 5.2m  ■主機 ガスタービン4基 2軸  60,000PS  ■速力 30ノット 
■乗組員 165名

主要兵装
■高性能20ミリ機関砲×2
■62口径76ミリ連射砲×1
■VLS(垂直発射装置) 対空ミサイル&魚雷 1式
■3連装短魚雷発射管×2
■SSM(対艦ミサイル発射装置) 1式
■哨戒ヘリコプター(SH−60K) 1機


護衛艦はるさめ

護衛艦はるさめのタラップ

ラッセン見学者の過熱ぶりに比べるとはるさめ乗艦者は大幅に少ない。やはり第7艦隊のミサイル駆逐艦と海上自衛隊の護衛艦の差であろうか。

USS MUSTIN DDG-89

ラッセンが繋留されている対岸に、ラッセンと同型艦のマステイン(USS Mustin DDG-89)が碇泊していることは艦艇番号89で明確である。その後方に碇泊している艦艇の艦艇番号は良く見えないが、艦影から判断するとミサイル巡洋艦(Cruiser Guided Missile)である。
ということはシャイロー(USS Shiloh CG-67)またはカウペンス(USS Cowpens CG-63)であろう。

大型港内曳船YTB-763

大型港内曳船YTB782

駆逐艦マステイン

駆逐艦マステイン


ミサイル巡洋艦シャイローまたはカウペンス?


ここはアメリカ

三笠ゲートから港に通じる大通りはNimitz Blvd(ニミッツ大通り)、イベント会場に通じる道はClement Blvd(クレメント大通り)、道路標識はすべて英語表記、学校も病院も同じなのは当然である。ここは日本の中のアメリカだ。
例外は旧日本海軍の「横須賀海軍病院」という表札がそのまま残っていたことだ。

道路標識

基地内で唯一の日本語表記か

QUARTERSってなぁ〜に

基地内の居住地

旧日本海軍の壕の跡か

基地港内


昼食風景

入場は横須賀基地正門から東に位置する三笠ゲートである。三笠公園前から入場を目指す行列に並んで待つこと20分、やっとゲートに到着した。
ゲートで金属探知機による身体検査と持ち物検査、安全上の理由によりペットボトル、食べ物などはすべて持ち込み禁止である。この日の入場者は50,000人から70,000人と予想され大変な混雑である。何処も人・人・人だ。

昼食は基地内で調達する必要がある。露天のブースで行列の短い所を探して並び、やっとの思いでホットドック(¥550)1ケとバドワイザー(¥100)1缶を確保した。ここでも20分待った。

にわか造りのレストラン

豪快に肉を焼く水兵

座席に恵まれず日陰の地べたで食事

ボクも食べた長さ25センチのホットドッグ


陽気なNAVY

公開されているエリアの撮影は自由に行うことが出来る。NAVYでも一声かけると気軽にカメラに収めることができる。陽気なヤンキー魂で笑顔が一杯、日本の民間人に対しサービス精神が旺盛である。

軍用犬

基地内の警備兵

ラッセン艦上のファイヤーマン

ラッセン艦上で機関銃操作の手ほどきをする下士官

ラッセン艦上の特殊部隊兵

士官と記念撮影


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