母の死と命の繋がり


2010年9月1日 田中 俊徳

2008年の10月8日の朝に実家の義姉より、母が倒れたとの連絡があり病院に駆けつけました。母が家で朝ベッドから起きようとした時に脳溢血を起こし倒れたようです。

病院で手術をするかどうか決断を迫られましたが、弟や妹とも相談し高齢でもあり治る見込みも少ないと言う事で(当時89歳)手術はしない事にしました。最初は酸素マスクをしていたのですが暫くして落ち着いて酸素マスクも取り自力で呼吸できるようになりました。意識は戻りませんでしたが別に苦しそうでもないし安らかな入院生活でした。毎日母は点滴で栄養を摂っていましたが、1、2週間して喉を切開して流動食を摂ることをお医者さんから進められましたが、弟妹とも相談し回復する見込みもないので断りました。その後入院して一カ月ほどしてから胃ロウを取り付け、食事を摂るようになりました。一時意識を取り戻したとの連絡を受けるほど良い時も有りました。その後たまに見舞に行ったりしていましたが、私も一時体調を崩し入院するような事もあってあまり見舞に行けませんでした。

2010年5月21日(満90歳)入院してから約一年半後の日、弟より母危篤の連絡があり駆けつけましたが既に亡くなっていました。なんとか皆さんの協力によって、葬儀も無事終える事が出来ました。

父は約25~26年前に亡くなりましたが、私も若かったせいかそんなにショックも感じませんでしたが、こうして両親がいなくなると本当に空虚感を感じます。

母が生きているうちは実家に帰った時に話を聞いてやって、同じ話の繰り返しに母もボケてきたねと親族で話し合うくらいで、普段母の事を考える事は有りませんでした。こうして両親が無くなって心の支えのようなものが無くなると、最近は母の生き様と言いますか母の生きている姿を思うようになりました。母と関連して父の生き様も思うようになりました。それが私の心の支えになり、私の生きる力になっているように思います。それが私の心の中に生きていると言う事でしょうか?最近は親の生き様を考えて、親の偉大さを感じ自分の生き方を反省すること仕切りです。

人それぞれ思いやりを持って一生懸命、生涯生きたならば、きっと素晴らしい生き様となって人の心にいつまでも残るのでしょう。母には子が4人、孫が9人、曾孫が8人です。連れ合いを考えればもっと多くなります。立派な生涯だったと思います。こうして年老いて親は命を閉じていきますが、若い人たちに命が引き継がれて行くのだと改めて命の繋がりを感じました。

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