神峰公園駐車場に集合した、40台を超えるバイクたち。(多すぎて数えられない!)本日はリボン主催のツーで、塩屋崎へ行くのである。定刻となり、その集合場所から時間をかけてみんなが出発していった。(多いと出発するのも時間かかる!)私たち楽走グループは、わち君がまだ来ていないので、一番最後から行く事にしていた。
さて、みんながすっかり出て行った後も、わち君はまだ来ない。(後で聞いたら、出発時間を間違えていたらしい)この場所ではわかり辛いから、表の通りで待とう。そういう話になって、駐車場から表の通りへ、と出発した時にそれは起きたのである。
私の後ろを走っていた教官から「マフラーの中に何かあるよ!」との無線が入った。直ちに停車して確認する私。教官にスロットルを動かしてもらい、私が後ろから確認すると、確かに中で何かが動いている。排ガスの風にひらひらと舞っているのである。何か柔らかそうな感じがする。
なんだこれ???無い頭をひねる私。。。ちょっと不気味である。考えてもわからないので、アクセルを思いっきり開け吐き出させる事にした。グイッとひとふかしすると、中からそれが飛び出して5mほど後方に落下した。
見てみると、10cm x 10cm ぐらいの大きさで、初めは「獣の毛?」かと思った。繊維状のものがごちゃごちゃと重なっている。ちぎれた綿のように見える。但し黒い。思った以上に硬い。それは石綿であった。って事は、、、サイレンサーの部品が取れた(ちぎれた)?って事か。。。
ヤフオクで購入した、中古のB**T製『NASSERT-RR 左出し』。このまま走って大丈夫なのか?もうダメなのか?マフラーを購入し、取り付けるまでの事が、走馬灯のように脳裏に浮かんだ。「クラッ」ちょっとめまいがした。
とりあえず、サイレンサーの中に落ちてるものは無いようである。小さいものはきっと、吹き飛んで無くなってしまっているのだろう。エキゾースト音を良く聞いてみる。心なしか前より大きな音になっているような気が、、、する。
他に異常は無いようだ。みんなに追いつかなければならないし、、、ま、あとで考えよう。あまり深く考えない性格なのである。そして忘れっぽいのである。わち君が合流して、そのまま走り出した私がこの事を思い出すのは、ずっとあとの磐梯吾妻ツーの時なのである。
〜時は流れ〜福島西ICを降り、福島吾妻裏磐梯線へ向かっていた時のことであった。この日は『磐梯吾妻スカイライン』ツーなのである。としお君から、「マフラーの中に何かあるように見えるんッスけど」という無線が入った。その時、私はようやく以前の石綿の一件を思い出したのである。
高速を降りてから「なんかエキゾースト音が変わったなー」と、丁度思っていたところでもあったのである。としお君も後ろで「さっきから、なんか音が違う」と思っていたらしく、だからこそ気付いたのである。(としお君は、ナサート・サウンドのファン、、、なのかもしれない)
すぐに歩道に停車して確認する。すっかり忘れていたくせに「こういうことには慣れているんだよ!」風にサイレンサーを覗き込む私。また石綿だろう。タカをくくっていた私の目に映ったのは、、、石綿ではなかった。
サイレンサーの排気口の部分に何かが挟まっている。黒い石?一目見た印象はそんな感じであった。何でこんなものが、ここに???首をひねりながらよく見てみると、なんとなく素焼きのような材質のものである。真っ黒に煤けている。
私は、恐る恐るそれを手で触った。挟まってはいるが、取れそうである。手で持ってグリグリやると、あっさり取れた。ピンポン玉より少し大きいものである。細かい丸穴が整然と並んでいる。もっと大きな部品の、一部が欠けて出て来た、、、そんな感じである。排ガスをキレイにする触媒みたいなやつ?じゃないか、という話になった。(メーカーのサイトを調べたところ、どうやら『三次元発泡セラミック』というものの一部らしい)
こんなものまで取れてくるなんて、、、大丈夫か?ショックを受けている私に、としお君が言ったのである。「なんか四次元ポケットみたいッスね。いろいろ出てくるし。次は何が出て来るんッスか?」この時、みんなの頭の中に「タララタッタター♪」あのメロディが流れたに違いない。「つ、次はハトが出て来るよ。きっと、、、」つまらない返しをしてしまい、さらに落ち込むと共に、不安がつのるのであった。
しかし、音は良くなった。前よりずっといい感じなのである。すぐ、どうこうする事態ではないので、結局また走り出したのである。そしてまた、きっと忘れてしまうのである。「次に何が出てくるのか?」みんなの期待と私の不安を乗せて、また少し大きくなった ZZR のエキゾースト音は、福島の青空に響きわたったのである。
『ZZRのXXXXは四次元ポケット』事件!