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県外調査
民主党・清新クラブ有志で3月24日〜26日に県外調査を実施した。
【1】(財)高輝度光科学研究センター(兵庫県播磨科学公園都市)
東海村に大強度陽子加速器が建設されることから、類似施設と思われる放射光を利用した大型研究施設「SPring-8」を調査した。大強度陽子加速器の建設を県北地域の産業振興に結びつけたいというのが私の想いであるが、世界でもトップレベルの研究施設であり、地域として何もしないでだまっていては、とても地域振興に結びついていかない。
県としてサイエンスフロンティア21構想により、研究施設と地元企業の結びつけを強力に進める必要性を感じた。

SPring-8 ロゴマーク

はじめに

 放射光は、物質の解析、分析及び反応などの画期的な手段として、材料科学、地球科学、生命科学、環境科学及び医学利用など幅広い研究分野への活用が期待されています。
 SPring-8は、世界最高性能の放射光を発生することができる大型の研究施設で、平成3年から日本原子力研究所と理化学研究所が共同で建設を開始しました。その後、約6年の歳月をかけて完成し、平成9年10月から供用が開始されました。
 SPring-8は、日本国内はもとより海外の研究者にも広く開かれた共同利用施設として、世界中から多くの研究者が集まり、21世紀を担う最先端の研究を進めています。
 本施設の運営は、SPring-8の共同利用の促進のため、国から「放射光利用研究促進機構」に指定された財団法人高輝度光科学研究センターが行っています。
SPring-8 全景
「SPring-8」って何?

SPring-8は科学の光ともいえる「放射光」を発生させる施設です。世界最高レベルの施設で、これまでの放射光施設と比べて格段に性能が高いものです。民間企業・大学・官公庁など国内外の諸機関が様々な研究開発に利用しています。
Super Photon ring-8 GeV

SPring-8は大型放射光施設の愛称でSuper Photon ring-8 GeV(スーパー・フォトン・リング・8ジェブ)の略です。
Photon=光子(光のつぶ)
GeV=電子の運動エネルギーの単位

◆SPring-8施設配置図◆

画像 SPring-8施設配置図 クリックで拡大します
↑画像をクリックすると拡大します。

 
【2】兵庫県立粒子線医療センター(兵庫県播磨科学公園都市)
がん対策のための最先端医療現場を調査。
280億円の建設費、毎年の運営費として15億円かかるということから、本県への導入には財政状況から見て厳しい。国立の大学病院等、国の機関での導入をはかる方策を考えなければと感じた。

かけがいのない「生命」を守る


 近年、がんは日本人の死因において、第1位を占め、がんに対する様々な治療法が取り組まれてきたが、治療法の選択が患者の権利とされ、QOL(クオリティ・オブ・ライフ〜生活の質〜)を重視することが社会的な要請となっています。
  粒子線治療は、がん制圧をめざして、人生80年時代にふさわしい治療法と期待されています。
  兵庫県は、県民の安心で安全なくらしの実現のため、最先端の高度な治療を行います。
名誉院長 顔写真

兵庫県立粒子線医療センター 名誉委員長 阿部光幸
がん治療の明日を拓く
 今日、がん制圧は国家目標の一つになっていますが、医学の進歩により治療成績が改善され、かつては不治の病といわれたがんも、全体で約50%が治癒する時代になりました。そのため今では、がん治療は単に治せば良いというのではなく、機能や外見を損なわずに治すことが重要な課題になっています。
  このたび当粒子線医療センターは、陽子線と炭素線という粒子線を使って新しい放射線治療を行うことになりました。この治療の最大の特徴は、第一に粒子線は通常の放射線より病巣に対する集中性が格段に優れているので、周囲の正常臓器に対する副作用を著しく軽減できること、第二に炭素線は他の放射線より3倍近く効力が強いので、胃癌などの消化器癌を除く比較的早期のがんであれば、手術せずに治癒に導きうることです。
さらに、当センターの近くには世界最大の放射光施設SPring-8があり、新しいがん診断の研究が行われているので、近い将来放射光による、より正確な診断に基づく粒子線治療が実現されるでしょう。
  私どもはこの粒子線治療を通して、がんの治癒率の改善だけでなく、がん患者の社会復帰を容易にし、苦痛の少ない生き甲斐のある人生を送って頂くことを最大の目標として、力を尽くしていきたいと思っております。

センター全景


 施設の概要
設立の経緯 粒子線医療センターは、昭和62年度から取り組まれた、「ひょうご対がん戦略」のリーディング・プロジェクトとして企画、立案、整備された。
施設の特徴 ・全国自治体初の粒子線治療を行う医療機関
・粒子線の内、陽子線と炭素線の双方を使用する世界初の病院
・世界最大の大型放射光施設(SPring-8)の高度診断機能との連携
施設概要 ・敷地面積 5.9ha
・照射治療棟 RC4F 12,OOOu(加速器室、加速器制御室、照射治療室等)
・病院棟 RC2F 4,500u(50床病室、診察室、検査室、食堂等)
・建設・運営主体 兵庫県(病院事業)
・建設費 約280億円
・治療費 当面自由診療で患者負担
 (粒子線治療装置のメーカーは、高度先進医療への申請を行い
 患者負担の軽減をめざす)
今後の取り組み ・粒子線治療装置について、厚生労働省の薬事法に基づく製造承認を
 取得する必要があり、H13年度〜14年度に臨床試験を実施する。
・H15年度陽子線、H16年度炭素線の一般診療開始予定
適応疾患と
治療ガイドライン
頭頚部腫瘍、非小細胞肺癌、肝細胞癌、
前立腺癌、骨軟部腫瘍 等
その他 自治体が運営する当施設は、県民のがん死亡率低減に寄与するという大きな使命がある。
このため、基礎研究より臨床に重点をおいた治療施設である。

 粒子線治療
粒子線治療とは
 がん治療に利用する放射線は、大きく光子線と粒子線の2つに分けられます。光子線とは光の波であり、X線、ガンマ線がこれにあたります。粒子線はその名のとおり、電子、水素イオン(陽子)、炭素イオン、中性子などの粒子の流れであり、電子線、陽子線、炭素線、中性子線などがあります。現在では、そのうち特に陽子線と炭素線を用いた治療を「粒子線治療」と呼んでいます。
粒子線治療の構成図
 
粒子線治療の特徴
 X線、ガンマ線、速中性子線で病巣に身体の外から照射治療を行うと、図のように身体表面に近いところに多くの放射線が照射され、病巣に届くまでに減弱してしまいます。これに対して粒子線は、ある深さにおいて放射線量がピークになる特性(ブラッグ・ピーク)をもっており、コンピュータ制御により、そのピークをがん病巣に合わせることができます。また、がん病巣より深いところには達しないので、がん病巣の後方の正常な組織には照射されません。なお、粒子線を加速するエネルギーを変えることにより、皮膚などの浅いがんから肺や肝などの深いがんまで治療することができます。炭素以上の重い粒子を利用した重イオン線は、従来の光子線(X線、ガンマ線)治療の効きにくい頑固ながんにも効果があります。
 これらのことから、粒子線治療は、正常組織への障害を抑えて治療効果を増強した、画期的ながんの治療法として期待されています。
粒子線治療の詳細

 粒子線医療センター 医療情報システム概要

 
【3】広島県庁
市町村合併、地方分権について調査したが、本県との取組みの歴史の違いを感じた。
首長をはじめ、県民の機運醸成が最も重要であることから、県として議論をするためのタタキ台を提示することが必要。
【4】公立みつぎ総合病院【広島県御調(みつぎ)町】
医療と福祉の連携をはかるため病院と役場の保健福祉センターが一体となって運営されている状況を調査。
人口8,000人の御調町で「地域包括ケアシステム」により医療と福祉の連携を見事に実現している。
35年にわたってシステムをつくり上げた山口 昇医師からお話しをうかがったが、事業は人なりということを痛感した。

 沿革
昭和31. 1 病院開設(一般病床22床、内科、外科、産婦人科)
昭和41. 1 一般病床3床増床(25床)
昭和42. 5〜8 第1次増改築工事完成、一般病床15床増床(40床)、基準看護1類承認
昭和44. 3 一般病床15床増床(55床)
昭和46. 9 第2次増改築工事完成
昭和47. 11 基準看護特類承認
昭和51. 2 第3次増改築工事完成、一般病床44床増床(99床)、基準看護特2類承認
昭和53. 4〜12 整形外科、脳外科増科、二次救急病院指定
昭和54. 5 歯科増科、職員アパート1号館新築
昭和54. 10 第4次増改築工事完成、一般病床41床増床(140床)
昭和56. 4〜7 県立ふれあいの里(老人リハビリテーションセンター及び特別養護老人ホーム医務室運営受託)、理学診療科増科
昭和58. 4〜10 甲奴町国保診療所診療業務受託、小児科増科、職員アパート2号館新築、耳鼻咽喉科、眼科、泌尿器科、放射線科増科
昭和59. 11〜12 病院名称変更(旧・御調国保病院、新・公立みつぎ総合病院)
人工透析開始、第5次増改築工事完成
昭和60. 1〜4 一般病床60床増床(200床)、RI開始
昭和60. 9 保健文化賞受賞
昭和61. 10 一般病床20床増床(220床)
昭和63. 4〜7 皮膚科増科、全国自治体病院協議会長及び開設者協議会長表彰、基準看護特3類承認
昭和63. 11 循環器X線システム導入
平成1. 3 第6次増改築工事完成
御調町老人保健施設「みつぎの苑」新築(入所80名、通所20名)
職員アパート3号館新築、高気圧酸素治療室使用開始
平成1. 4〜5 循環器科、精神神経科増科、自治大臣表彰
平成2. 4 御調町在宅介護支援センター開設
平成4. 2〜4 MRI開始、広島県地域介護実習普及センター運営受託
平成4. 5 御調町老人訪問看護ステーション開設
平成4. 9 院内保育所「あゆみ」開所
平成5. 4 第7次増改築工事完成、御調町老人保健施設「みつぎの苑」一般棟20床増床、痴呆専門棟50床新築(入所150名、通所30名)
平成5. 7 御調町ケアハウス「さつき」新築(入所30名)
平成6. 4 老人性痴呆疾患センター設置
平成7. 12 院外処方箋発行開始
新看護体系へ移行(新看護2:1A)
1看護単位20床療養型病床群へ転換
平成8. 8 リハビリテーション総合承認施設開始
平成8. 12 御調町救護施設「みつぎ清風園」新築移転
平成9. 1 御調町保健福祉センター完成
平成9. 4 一般病床20床増床(240床うち療養型病床群30床)、リウマチ科増科
平成9. 7 第8次増改築工事完成

病院全景

 平面図・案内図

平面図

案内図


 組織図

組織図

地域包括ケアシステム

病院周辺写真

御調町保健福祉総合施設

御調町保健福祉総合施設 全景



〒722-0353 広島県御調郡御調町大字高尾字美路久

御調町特別養護老人ホーム「ふれあい」
TEL (08487)6-2415(代)
FAX (08487)6-2414

御調町保健福祉総合施設付属リハビリテーションセンター
TEL (08487)6-2418
FAX (08487)6-3010

御調町介護老人保健施設「みつぎの苑」
TEL (08487)6-0373
FAX (08487)6-3018

御調町ケアハウス「さつき」
TEL (08487)6-3060

 

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