9月17日に行われた日朝首脳会談において、北朝鮮の金正日総書記は、昭和50年代に国内外で発生した北朝鮮による日本人拉致事件の事実を初めて認めた。拉致問題は、我が国の主権を侵害し国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、北朝鮮の国家としての行為は断じて許すことはできない。
金総書記は、拉致された日本人の安否について8人死亡、5人生存という悲惨な状況を小泉首相に直接明らかにし、「遺憾なことでありお詫びする」と謝罪しているが、こうした非道な犯罪行為は許し難く、日本国民として強い憤りを覚える。
また、その後、政府調査団が実施した拉致に関する経緯や死亡者の死因などの調査に対する北朝鮮側の説明は、極めて不自然で不明な点が多く、被害者家族はもとより国民としても到底納得できるものではない。
さらに現在、帰国した拉致被害者5人の北朝鮮に残した家族の帰国問題が一刻も早く解決しなければならない重要な課題となっている。
よって、茨城県議会は、政府に対し、北朝鮮の拉致事件の交渉に当たっては、毅然とした態度で臨み、他の行方不明者を含めたすべての事件に関する徹底した事実関係の究明及び生存者と家族の一日も早い帰国の実現並びに被害者家族への謝罪と賠償を求めるとともに、永住帰国を前提とする被害者家族への支援策を設けるなど、拉致事件の全容解明と早期解決を強く要望する。 |