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記事更新日2018/6
  4−1 「漢字制作の実際 行書編」   → 表札ハウスワッペンのページへ

久しぶりの更新なので頑張って、一括更新しときましたー!
鍛冶屋の仕事は基本的にハンマーを使い熱間成型していきます。 右手にハンマー、左手に火箸(左利きの人は逆)です。 
直接素手で触って作るわけではないので、不自由さがあるかもしれません。
またハンマーでの成形は打撃によるものなので、振り上げて下すという動作ができるスペースが必要になります。
入り組んだ狭いスペースなどはハンマーが入らないなってこともあり、手順良く工程を組み立てなければいけません。

まあ、近代的Oパーツともいえる、溶接機という文明の利器を使えば容易いのですが、今回は溶接機は最後まで取っておくことにしましょう。
@帯鋼材など色々


A先端から熱感にて鍛造成型していきます。

  4−2 「漢字制作の実際 工程二」
例えば「香」の一画目

A、アンビルの角(金床の先端)を使って、こんな感じで熱感成形します。(左)
B、伸ばしていって切ります。(中)
C、1画目 成型終わり。(右)

  

 4−3 「漢字制作の実際 工程三」
「香」の五画目のハネ



A、まずどういう工程で成形するかイメージする。(上左)
B、イメージできたら成型。 今回はアンビル縁を使ってハンマーで成形(下左)
C、だんだんと形ができてきます。(下中)
D、最後ハネを返して成型終わり。(下右) この後切り離す。

鍛冶屋の仕事は
金槌で叩いて形にするという単純な工程の連続ですが、
最終的な形態の量感やイメージを考えて、順番に成形していきます。
後になって、ハンマー入らない、叩けない!なんてことにならないように(笑)


 4−4 「漢字制作の実際 工程四」
「香」の中の「日」の部分
A、ハンマーでこんな感じに熱間成形。 ここまでハンマーのみで成形。(左)
B、熱間にて曲げ、成型終わり。(右)

 

 4−5 「漢字制作の実際 工程五」
「坂」の「反」の最後の二画です。 行書なのでつなげました。

 
A、原始的ですがこんな感じです。(上左)
B、定盤にチョーク書きの落書きのようなものが指示書(笑) 
数字はmm単位です。 上の鉄棒状のものが、成形したもの。(上右)
C、色々な道具、ヤットコをなどを使い曲げていきます。(右)
D、うまくいきました。 成型終わり。(下左)

採寸後、曲げ成型終わりまで、金属がどのように動くかを考えて地金取りします。
難しいところですが、慣れてくると楽し部分でもあります。


 4−6 「漢字制作の実際 工程六」
パーツ完成 組み立てて完成

A、写真は「坂」のパーツです。重なるところは欠込んどきます。
機械加工でもよいですが、最終的には手ヤスリで調整します。
B、組み上げ。 今回は裏で溶接します。
溶接しないで作るとしたらリベット留なども考えられますね。

この後、取り付け用のピンを出して、外部用なので防錆亜鉛メッキを施して、塗装。

いかがでしょうか。小さなものでも、手間暇かかってます。
ですが、こうしてできたものは細部にも物として説得力があると思います。
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