遍路挑戦の覚悟

  還暦を過ぎ、嘱託として会社に勤務していましたが、これからの長い人生100年時代の生き方を考え、どのタイミングで退職するか悩みました。取り敢えず、会社生活のけじめの旅に行こうと思い、学生時代の憧だった自転車日本一周旅、ヒッチハイク旅、世界一周旅行等を考えましたが現実的ではなく、学生時代一人旅で四国一周した時、宿坊で遍路さんに会ったり、駅で野宿した事を思い出し、遍路をしようと思いました。
 遍路は讃岐の国に生まれた弘法大師が修行した寺が多く、大師の足跡を訪ねる事で功徳を得ようと、江戸時代から始まりました。当時は、病や何らかの理由で家出や、罪人などで家に帰れない人が遍路をしたと言われています。そのため、「生きている死者」として白衣、杖の死装束を付けて歩きながら、本物の生き方を考え「生への道しるべ」を見つける修行のようです。
 遍路は、通し打ち(順、逆),一国巡り、区切り打ちがあります。遍路手段は、歩き、自転車、バイク、車、観光バス、タクシー、リヤカ、公共交通機関等、色々あります。遍路目的は、先祖・家族供養、国家安泰、健康祈願、退職記念、自分見詰め、行き場・住まい無く、御朱印集め等多彩です。
  私は取り敢えず、一人で「通し打ち」をしようと妻に相談したら、一緒に行きたいと言うので夫婦で「一国参り」で行く事にしました。遍路の目的は、会社退職後の第二の人生にどう移行するか考え、「覚悟と洗心」をテーマに遍路に行く事にしました。