遍 路 の 準 備

 歩行距離1400kmの歩き遍路をする決断をしましたが、何の知識もなく、何から準備するかも分からず悩みながら、次の準備をしました。
 1.遍路道と日々の歩行距離を調べ歩行計画をするため、書店でガイドブックを探しましたが、車遍路用  の本が殆どで、歩き遍路本がなく不安になりました。東京で数軒の本屋を探し、やっと「四国八十八カ所を歩く」を見つけ、札所間の歩行距離、日々の歩行計画をたてました。しかし、数冊の本やインターネット紀行記を調べると、札所間の距離が違い悩みました。遍路をして分かったのは歩行距離は、車道の距離や、歩きでも峠越えとトンネル通過で距離は大きく違うと分かりました。
 2.ザックは、遍路期間中の荷物量を想定し登山用としました。
 3.靴は、雨・山道・舗装道など全天候に対応できる多機能な靴を探し、トレッキングシューズにしました。ランニングシューズは軽いが雨に弱く、ウオーキングシューズは山道には不適切と思いました。
 4.ズボンは雨に強く、通気性のある3シーズン登山用とし、カッパはこれからもゴルフで使えるのでゴルフ用にしました。
 5.金剛杖はホームセンターで丸棒を購入し、適当な長さに切り祈願事項を毛筆で記入、笈摺はインターネットで購入、山谷袋は妻の手作りです。
 6.その他の遍路身支度は、一番札所で購入する事にしました。
 7.自宅から遍路へのアプローチは、新幹線、高速バス、飛行機(成田、羽田、茨城)、川崎から船と色々検討しました。その中で一番安く、便利な茨城空港から神戸三宮に行き、高速バスで四国入りと決めました。
 8.遍路参拝は、一搬的には納札を奉納しますが、友人の勧めで写経を奉納した方が良いとの事で、友人の書いた写経に夫婦の名前を追記し奉納する事にしました。しかし、折角なので自分達で書いた写経を奉納した方が良いと思い、24番札所以降は、夫婦で書いた写経を奉納してきました。
 9.一番大事なのは夫婦の歩行ペースを決めることです。長時間歩行のシュミレーションを数度行いました。海岸と国道歩行は自宅から磯原駅(約20km)、山登り下り歩行は、自宅からパノラマ公園往復(約15km)、国道と山登り下り歩行は塙山交流センターから風神山を経由し、国道に戻る(約20km)等を歩行しました。これで二人の歩行ペースを確認し、時速4kmで歩行する事で計画しました。私は、それでも不安なので、平日は会社のある御茶ノ水から巣鴨までの5kmを数度歩きました。
 10.二人の歩くペースが決まり、次は宿の予約です。なるだけ歩き遍路宿に泊まろうと色々調べたが、ガイドブックにはホテルしかなく、遍路宿が何処にあるかわからず悩みました。インターネットで遍路紀行を調べ、評判の宿をチェックし、その中で我々の歩くペースに合う所の宿を決めました。
 11.最後は、納経所で納める百円玉を両替し、旅費が不足した時の為に郵便局カードを準備しました。四国には、銀行がないので郵便局が便利だと、何かに書いてありました。また、同居する91歳の母を1人残す心配があり、近くに住む弟に不在中の面倒を見てもらうよう頼みました。
 12.これでいよいよ出発できますが、初遍路は退職前なので仕事の都合を調整し、10日前後の日程で「一国参り」ができるよう、最悪の状況では一部公共交通機関を使う事も考え計画を見直しました。
 ここまで準備し、やっと1400kmの遍路に出発できると安心し、遍路に行く覚悟ができました。