南会津シリーズの第二弾、三ツ岩岳。 標高は2000mを越える山だが、会津駒ケ岳の人気に押されて
夏シーズンは登る人の少ない不遇の山である。 積雪量が多いので、山スキーヤーには隠れた人気がある。
昨年は村界尾根を登り、大戸沢岳へ縦走したが、今回は
黒檜沢のすぐ北側の尾根を国道から直接登るルートをとった。
この近辺の山はブナ林がきれいで、標高の高いところは、オオシラビソの樹林があり、どの山を選んでも山スキー
を楽しむことが出来る。頂上へ立つにはどの山も1200mを越す標高差を登る必要があり、体力がいる。
6:10 小豆温泉スノーシェッド脇を出発。
国道脇に車をとめて、尾根のすぐ北側の沢沿いを登り始める。
この時間は雪が締まっていて歩き易いが、少し進んでみたらデブリと、崩落ブロックが沢を所々塞いでいる。
余りいい感じがしないので、沢は止めて、左側の尾根を登ることに変更。
”登り始めの沢” デブリが塞いでいる。
尾根に方向変更はしたものの、この斜面が急でおまけに膝まで潜るいやな雪質。
余計な時間を掛けてやっと尾根に出た。
暫くはなだらかなヤセ尾根を行く。 所々雪が途切れている。
1000m手前から尾根は急斜面になる。 クラストしているので、シールではちょっと登り難い。 アイゼンを着けてツボ足で
1050mまで登り、そこからやっとシール登高。
この辺りまで登ると前日までに降った新雪が20cmくらい積もっていて軽いラッセル。予想外の負荷がかかる。
1308mのピークからは、左手に朝日に輝く三ツ岩岳が全貌を現す。
”1308mのピークから三ツ岩岳”
ここからちょっと下り、夏道との合流点らしきコルに出てここから急斜面の登りが続く。
重い新雪が益々深くなりスキーでも20cm位沈む。登る速度がガクンと落ちる。
1550m付近に来ると右手の窓明山が斜面越しに美しい姿を見せる。
”1550m付近から見た窓明山”
そして、左手に余り特徴の無い三ツ岩岳の頂上付近が見える。
”1550m付近から三ツ岩岳の頂上を遠望”
”1550m付近から尾根の上方を見上げる。
”
ブナの樹林帯を過ぎ1700m辺りから傾斜が緩やかになる。
”1700m付近から見た窓明山。”
傾斜は更に緩やかになり、進路を少しづつ左にとりながら進む。
窓明山への分岐付近に避難小屋が建っているが、小屋はまだ殆どが雪の下で屋根しか見えない。
”シラビソ林の中に建つ避難小屋” 殆どが雪で隠れている。
小屋から頂上まで、標高差約200mであるが、日射も強く、疲れた身体には、
このなだらかな登りが意外に長く感じる。
”頂上付近を下から見る” 雪面はガリガリだ。
やがて潅木が少し顔を出している三ツ岩岳の頂上に着いた。
12:30 三ツ岩岳
先週の会津駒ケ岳は楽な登りだったが、今日は全く違う雪質。 6時間以上掛かってやっと頂上。
それでも頂上からの眺望は素晴らしく、疲れを忘れさせる。
”三ツ岩岳頂上から、大戸沢岳-会津駒ケ岳の稜線を見る”
”越後三山方面”
左奥が巻機山。その右が中ノ岳、荒沢岳、越後駒ケ岳(八海山は見えない)。
”窓明山” 遠方は飯豊連峰
”左から高幽山、丸山岳、会津朝日岳、坪入山、窓明山”
大休憩後、スキーを着けて下山開始。
今日の雪質は大変難しい。頂上付近は殆ど風で飛ばされて、カリカリ斜面。 少し下ると例の新雪。表面が硬く、その下
がふわふわの、いわゆるモナカ。
快適斜面とは行かない。それでも登りの苦労を忘れさせる至福の時間である。
1700mから下の尾根は素晴らしい斜面が続く。
”1700mから下の尾根を見下ろす。急斜面が400m続く”
雪質がよければ最高だが。
難しい雪質のため、ちょっと時間を掛けながら滑る。 二年前に来た時は途中から夏道下山だったから、それよりははるかに楽。
1000mから下のヤセ尾根もなんとかスキーを付けたまま滑り、
最後はアンテナからの急斜面を下って国道に出て終了。
15:20 小豆温泉スノーシェッド手前
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