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<bgsound src="ich.mid" loop=-1> 南会津  大戸沢岳 - 北東尾根
2008年4月6日(日)


大戸沢岳頂上付近から見た北東尾根。素晴らしい斜面が下まで続いている。

[概要]
南会津シリーズの3回目は、そう、大戸沢岳。 この山に行かないと忘れ物をしたような気分になる。
この山は夏道はなく、山スキーのためにあるような、そんな山だ。
今日は高気圧に覆われて晴れ。まるで初夏を思わせる気温で、登りはいつもの尾根コースを汗だくで。
下りはちょっと趣向を変えて北東尾根を降りてみた。 これが大正解。 雪質もまずまずのザラメで、頂上から下大戸沢まで素晴らしい斜面の連続。
間違いなく今シーズンのベスト3に入るコースだった。

[メンバー]  :単独
[山域&山名]:南会津(福島)、大戸沢岳(2089m)
                 (登山口からの標高差、登り、下り:1249m)
[天候 ]      :晴れ
[行程 ]      :下大戸沢スノーシェッド脇(840m)6:10 - 8:40 1553mポイント - 10:40大戸沢岳11:10 - 12:10下大戸沢スノーシェッド


6:10   下大戸沢スノーシェッド脇を出発

スタート時は気温が低く雪は締まっているので、スキーを担ぎ、ツボ足で歩き始める。
昨日入ったと思われるトレースが幾つかある。
尾根に取り付くと、いきなりの急登。ここでアイゼンを装着。 毎回の事ながらこの急登で眠っていた身体が 目を覚ます。
ここで早くもアウターを脱ぎ、さらに中間着も脱いで、アンダーシャツとソフトシェルだけになる。
1200mからはシール登高に切り替える。 雪面がクラストしているので急斜面は滑落に要注意。
1300m付近まで来ると右手の木々の間から三岩岳が見え始める。

1386mのなだらかなピークで休憩。




        ”1386m付近からみた三ツ岩岳”


尾根は南西方向に向きを変え、余りアップダウンの無い歩きが続く。 この先の急登に備えてのまずは準備運動と云ったところ。
やがて1553mのピークに到着。今日は雪面が締まっているので、ここまではまずまずの調子で来た。

8:40   1553mのピーク





        ”1553mからみた大戸沢岳”


ここから見える大戸沢岳は大変優雅な姿だが、その姿に安心して登って行くと後で苦労する。

大戸沢岳から北東に延びる尾根がなかなかいい感じだ。 前日に降りたと思われるシュプールがかすかに見える。




        ”大戸沢岳から北東に延びる尾根”

日射しが段々強くなってきた。この時期の紫外線は強い。 汗で落ちるのは覚悟で、バカ殿よろしく日焼け止めを顔に塗りつける。

1553mのピークを過ぎると一旦ちょっと下り、最後の急登になる。 ここから500mの登りである。
木立は少なく、スキーに絶好の斜面が続く。 今日のこの強い日射しを受けても雪面はまだ硬く締まっている。
直登ではシールが滑るのでジグザク登高。

1800mを過ぎると木立は無くなり、一様な大斜面。 下りの滑りは楽しみだが、この急斜面の登りはきつい。
休憩ピッチが段々短くなる。 最後の頑張りどころ。

2000mあたりから傾斜は少し緩やかになる。右手に三岩岳から大戸沢岳への稜線が続いている。




        ”2000m付近からの三岩岳”

左に回りこむようにして進むとまもなく 大戸沢岳の頂上付近に到着。



10:40   大戸沢岳頂上

穏やかな天気だが、頂上はちょっと風があり、寒い。 木の陰に入り風を避けて休憩。




        ”大戸沢岳頂上から会津駒ケ岳と中門岳へ続く稜線”









 ”燧ケ岳が顔を見せている” 



2週間前の三ツ岩岳の時点より確実に季節は進み風景も変化している。

大休憩の後、靴の金具を締め直していよいよ滑降開始。
1250m余を登って来た者だけが味わえる至福の瞬間だ。 誰も見ていないので一人で歓声をあげて滑る。

今日は今までと違う北東尾根に挑戦。 2週間前に比べて格段に良い雪質で滑り易い。




        ”大戸沢岳直下から北東へ続く尾根を見下ろす” ずーと下まで急斜面が続く。

20〜30度前後の素晴らしい斜面の連続である。 一気に降りるのはもったいないので休み休み、写真を撮りながら。




        ”1750m付近から見た三ツ岩岳” 白い壁が目の前に迫る。





        ”1600m付近から下方を見る” 下大戸沢まで急斜面がまだまだ続く。

1300mから少し左に進路を変えて、中ノ沢方面へ。 高度が下がるとさすがに雪質は落ちてくるが、それでもなんとかザラメ。

やがて、中ノ沢の沢床へ下りて小休止。 後は緩斜面を下る。 この辺りに来たら昨日のものと思われるスキーのトレースが沢山 引かれていた。




        ”下大戸沢から三ツ岩岳を振り返る”

最後は下大戸沢を渡渉。 今朝確認した時はたいした水流ではなかったが、気温が上がり水流が増えている。
スキーを対岸に放り投げて、身軽にして飛び石を渡る。

国道沿いの登山口に戻って本日の行程は終了。
大戸沢岳は何回来ても飽きないいい山だ。


12:10   下大戸沢スノーシェッド

国道脇の雪壁も低くなり、雪深い檜枝岐にも春がやって来ている。



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