[概要]
今年の梅雨明け後の山行は南アルプスの北部を選んだ。
仙丈ケ岳から仙塩尾根-間ノ岳-北岳と回り広河原へ戻る魅力的な周回縦走コースである。
仙丈ケ岳と北岳は人気の山で、さすがに人が多かったが、仙塩尾根から間ノ岳へのルートは登山者も少なく、
静かな縦走コースで南アルプス最深部の山の大きさを十分に体感することができた。
[メンバー] :単独
[山域&山名]:南アルプス(山梨、長野、静岡)、仙丈ケ岳(3033m)、間ノ岳(3189m),北岳(3192.4m)
:(登山口からの累積標高差2900m)
[天候 ] :晴れ後曇り
[行程]
(7/30):北沢峠(2035mm)7:50 - 10:00小仙丈岳10:20- 11:10仙丈ケ岳11:25 - 11:50仙丈小屋(泊)
(7/31): 仙丈小屋4:00 - 4:30仙丈ケ岳- 8:50野呂川越9:10 -12:00三峰岳 - 12:50間ノ岳13:10 - 14:30北岳山荘(幕営)
(8/1): 北岳山荘5:10 - 6:10北岳6:30 - 7:15小太郎尾根分岐 -8:30二俣 - 10:30広河原
一日目:北沢峠〜仙丈ケ岳〜仙丈小屋
芦安の駐車場からバスを乗り継いで広河原経由で北沢峠へ。平日のためか、意外に登山者は少ない。
7:50 北沢峠出発
今日の予定は仙丈小屋までの半日コースであり、ゆっくりと支度をして出発。小仙丈岳経由の尾根歩きである。
最初は樹林帯の尾根道で日射しが遮られ涼しいが、テント泊装備のザックは重く、肩に食い込む。
大滝ノ頭を過ぎて樹林帯が終わるとハイマツの急斜面になり、視界が開ける。
振り返ると少し雲が掛かった甲斐駒ケ岳が姿を現す。
”甲斐駒ケ岳と鋸岳”
急登を登りきると、小仙丈岳に到着。ここまで来ると待望の小仙丈カールが目の前に広がる。
10:00 小仙丈岳
”小仙丈岳から小仙丈カールと仙丈岳。”

”北岳と間ノ岳”
小仙丈岳からは、左手のカールを見ながら、なだらかな稜線歩きである。
やがて藪沢カールのふちを回り込みながら仙丈ケ岳への稜線歩きとなる。右下に仙丈小屋が見える。
暫く稜線歩きの後、小高くなった仙丈ケ岳に到着。
11:10 仙丈ケ岳
この時間になったらガスが出て視界は余り良くない。休憩の後、小屋を目指す。
11:50 仙丈小屋

”仙丈小屋と藪沢カール、仙丈ケ岳”
小屋は藪沢カールの中に建って、かなり立派な造りである。早速、受付を済ませて炊事場でラーメンを作り昼食。
その後暫く昼寝をして明日に備え、ゆっくりとする。
3時頃になると登山者が続々と到着。それでも、定員よりはるかに少ない40名程が今夜の客のようだ。
夕方になり、お決まりのレトルト食を作り夕食。素泊まりの客は3名で、広い自炊場がゆったりと使用できた。
二日目:仙丈小屋〜仙塩尾根〜間ノ岳〜北岳山荘
4:00 仙丈小屋出発
今日は今回の山行のメーンイベント、仙塩尾根の縦走である。
仙丈ケ岳から野呂川越まで700m下り、そこから
間ノ岳まで900m登る南アルプス随一の縦走コースで、別名「馬鹿尾根」と云われるように、
余り楽なコースではない。
これに匹敵する尾根は室堂からスゴ乗越を通って薬師岳までのコースが頭に浮かぶ。
他の登山客がやっと起きだす時刻に、薄暗い中をランプを点けて、仙丈ケ岳を目指して出発。
伊奈谷の町の灯りが遠くに見える。
仙丈ケ岳を過ぎて、大仙丈ケ岳付近で日の出を迎える。
”日の出前の山並” 左が仙丈ケ岳。
大仙丈ケ岳を過ぎると、これから進む仙塩尾根とその向こうの北岳、間ノ岳が眼前に広がる。 延々と続く縦走路
。気が引き締まる。
”大仙丈岳の下りから仙塩尾根と北岳、間ノ岳”
大仙丈岳から暫くは潅木帯で見晴らしも良く、つかの間の稜線漫歩を楽しむ。

”大仙丈岳と仙丈ケ岳、大仙丈カールを振り返る”

”右手の雲海上に中央アルプスが浮かぶ”
2700m付近まで下ると樹林帯に入る。視界は遮られるが日射も遮られるので、涼しくてちょうど良い。
ここからが馬鹿尾根と呼ばれる余り変化の無い、樹林帯歩きが延々と続く。
伊奈荒倉岳は樹林帯の中のなだらかなピークで、標識が無ければ見落としそうなポイントだ。
更に進むと物凄い倒木地帯に突入。 今年の春先に竜巻でやられた跡らしく、原生林の中のツガの大木が根こそぎ倒れたり、途中で折れたりして、凄まじい。
倒木を乗り越えたり、迂回しながら進むこと約30分、自然の力の凄さを改めて痛感。
2499mの独標は露岩の小高い丘で、樹林帯の中で唯一周囲を見渡すことが出来る。

”2499mの独標から伊奈荒倉岳、仙丈岳を振り返る。”
横川岳から少し左に進路を取り、暫く下って、このコースのコルである野呂川越へ到着。
8:50 野呂川越
ここまでで、やっと今日の行程の半分と云うことになる。
ここを降りて行けばば両俣小屋である。熊ノ平からきた登山者が2名降りていった。 私も一緒に降りて行きたい気分であったが、
我慢して先に進む。
この尾根の下り行程は終わり、ここからは900mの登りが始まる。
最初は樹林帯の中の緩やかな非効率な登りである。退屈な視界の無い歩きが約2時間続いて、やがて2699m峰に来ると
潅木帯となり視界が開けるが、残念ながらガスが出てきた。
三峰岳に近づくと勾配は段々急になり、それにつれて足の運びが鈍くなる。
三峰岳は2999mで剣岳と同じ標高なのに、大きな間ノ岳に隠れて知名度はそれ程ではない。
山梨、長野、静岡の県境で、
大井川の源流がここからスタートする。
12:00 三峰岳

”三峰岳頂上” ここは東海パルプの社有地らしい。
進路を東に変えて、間ノ岳への登りとなる。
予定通りというか、残念ながらガスが出て、視界が悪くなってきた。
森林限界を超えた間ノ岳の岩稜を黙々と歩くと、やがて頂上に到着。
12:50 間ノ岳
北岳方面から往復する登山者で山頂は賑わっている。
雨がポツポツと落ちてきた。雨の中のテント設営は辛いので、先を急ぐ。
間ノ岳からの下りは同じような地形を何回も繰り返しながら進む。 中白峰を過ぎて暫くすると、北岳山荘が
視界に入ってきて、一安心。雨も止んだようで、長かった本日の行程も無事終了。
14:30 北岳山荘
幕営の申し込みをして、テント設営後、ビールを買い込んで喉を潤す。一本500円だが、この旨さは格別である。
夏山シーズンのピークなのにテントは3張しかない。最近は殆ど小屋泊が多いようだ。
三日目:北岳山荘〜北岳〜小太郎尾根分岐〜二俣〜広河原