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<bgsound src="ich.mid" loop=-1> 飯豊連峰  飯豊山、御秘所沢
2009年5月9日(土)〜10日(日)


”飯豊山頂上付近から朝の大日岳方面”


[概要]
例年、このコースは山歩きのシーズン初めに出掛けるが、今回はちょっと早く、山スキーで出掛けてみた。
地蔵岳への登りは1250mまで、夏道歩きを余儀なくされたが、稜線に出ればまだ、真っ白な山の景色。
まるで夏を思わせるような好天の二日間、素晴らしい景色を見ながら、御秘所沢を登り詰め、同じコースを下って 例年とは一味違う、飯豊山行を楽しんだ。

[メンバー]  :単独
[山域&山名]:飯豊連峰(福島、山形、新潟)、飯豊本山(2105m)(登山口からの標高差1495m):
[天候 ]      :晴れ
[行程]
(5/9):大日杉登山口(610m)5:50 - 9:10地蔵岳(1539m)9:30- 11:00大又沢床 - 14:30飯豊本山小屋(泊)
(5/10): 朝、飯豊本山を往復。飯豊本山小屋7:30 - 8:00大又沢床 - 9:50地蔵岳10:10 -12:30大日杉登山口


一日目:大日杉登山口〜飯豊本山


5:50   大日杉登山口出発

駐車スペースに数台の車があり、その中には渓流釣りの人達もいた。
登山届用のハウスはまだ設置されていないので、大日杉の小屋の入口ポストへ 登山届を提出して出発。


登山口からいきなりの急登である。 オマケにスキーを担いでいるので、なかなか安定した歩きが出来ない。


尾根に出て少しなだらかになるが、兼用靴での夏道歩きは疲れる。 ペースが上がらない。







”左手に三国岳とその稜線が見え始める。”




御田を過ぎると、登山道に残雪が断続して現われる。
1250m付近から、やっと雪がつながって、重いスキーを下ろして、シール登高開始。やれやれ。


ダマシ地蔵までくると、景色が一変し周りの山々がグルリと見渡せるようになる。







”ダマシ地蔵から見た地蔵岳。”




最後の急登をひと頑張りすると地蔵岳である。


9:10   地蔵岳(1539m)

ここから飯豊山方面の斜面の雪の状態を観察。 どのルートを取るか、頭を悩ます。





    ”飯豊本山(右)から草履塚の稜線” 山の斜面の雪はまだまだあるが、下の沢の状態が不明。



正面の、おむろノ沢は大変魅力的だが、下の方の雪がつながっているかわからない。
無理をせず、御秘所沢を登ることにして 進行方向を90°左に変えて稜線を進む。





    ”ちょっと先の雪原から見た飯豊本山”



途中2回ほど、スキーを担ぎ、1500mのピークの先から大又沢への下降点を見つけた。







”大又沢へ降りる小沢。” 正面は切合せから草履塚の稜線。その手前の沢を登る。




標高差250mを一滑りで降りて沢床に立つ。


デブリはあるが、それ程荒れていない。
さて、ここから900mの登り。 ノンビリとハイクアップと行きたいところだが、 両側の斜面には割れが無数にあり、崩落ブロック がいたるところに転がっているので、周りに目を配りながらの歩きである。







”このコース唯一の難所の滝。” 左手を高巻きしてクリア。




ここからは同じような勾配の斜面をアンダーシャツになって黙々と登る。それにしても暑い。

御秘所沢に入り、沢から御秘所の岩場の下を通っていく。







”御秘所沢から御秘所を眺める。”




1900m付近からは沢の形は消えて、広い急斜面になる。最後の胸突き八丁といったところ。

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”急斜面をクトーを使って直登。”









    ”斜面の上部から草履塚方面を見下ろす。”









”地蔵尾根を振り返る。 右側の白い小沢を下って大又沢へ降りた。”





やがてなだらかになり、本山小屋へ到着。 累積標高差約1900mのきつい登りだった。


14:30  飯豊本山小屋

入口は除雪され小屋の中へ入ることが出来た。 またトイレも利用可能で、ひと安心。 小屋には誰も見当たらず、今晩は私が占有することになる。

荷物を降ろしたら、動くのがいやになってしまった。  本山は明日朝に行こう。 ラーメンを作り、遅い昼食とし、暫くシュラフに潜って昼寝。

風が段々強くなってきた。
陽が少し西に傾き始め、山肌の陰影がはっきりしてきた。


夕方になり、晩飯の準備。 今晩はちょっとデラックスにウナギ丼である。
定番の焼酎の雪割りを飲みながら静かな小屋泊を楽しむ。

二日目:飯豊本山〜大日杉登山口

夜明けに小屋を揺るがすような風の音で目が覚めた。
いつもの事ながら、この小屋は凄い音がする。

朝食のあと本山を往復。
小屋を叩く音はニセではなく、かなりの強風である。 耐風姿勢をとりながら進み、 なんとか本山に到着。





    ”ダイクラ尾根が朝日に輝く”





    ”北股岳方面”





    ”大日岳”

強風で飛ばされそうになるので、早々に退却。


7:30  飯豊本山小屋出発


雪面の緩むのを待って、スタート時間を遅らせたが、気温が高く、その考慮は不要のようだった。

スキー靴の金具を締めて、いよいよ滑降のスタート。  この瞬間に、厳しかった登りの苦労を忘れる。








”御秘所沢源頭の大斜面と草履塚”





苦労して登った急斜面も瞬時に降りてしまう。

急斜面が終わると、あとはマッタリとした斜面が延々と続く。 この滑りもまた楽しい。

 





”沢の上部”












”難所の小滝は右上を巻いて急斜面を下る”






そろそろ沢滑りも終点である。登りに3時間を要したが、ゆっくり滑っても下りは僅か30分。早い。
1230m付近まで降りてきたら、沢の状態は段々厳しくなってきた。







”沢は狭くなり厳しくなってきた”





まだ下ることが出来るかもしれないが、無理をせず、昨日降りた小沢を登り返す。


稜線に出て、シール歩行。







”稜線から見た地蔵岳”






9:50   地蔵岳(1539m)

地蔵岳で休憩のあと、暫くはスキーで下る。

雪が途切れた、1250m付近からはスキーを担いで、辛い下りが始まる。








”やしろつつじと背景は五段山方面”





暫く振りの重い荷を担いで兼用靴の下りは辛い。膝が悲鳴を上げる。 休み休みかなりの時間を掛けて 登山口に到着。

12:30  大日杉登山口

下山届を提出し、目の前の沢で顔を洗ってさっぱりした後、帰途に着いた。



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