[概要]
子供の頃、冬の晴れた日に浜名湖畔から遠く赤石山脈を眺めた。
標高は富士山より遥かに低いにも関わらず、ひと際白く輝くその頂は神々しく、今でも強い印象として残っている。
今回は、故郷、静岡の山、そして日本で一番南にある3000m級の山をゆっくりと歩いた。
南アルプスでも特に南部の山々は、見える場所が限られているので、眺める機会は少ない。
長いアプローチを耐え、その山のふところに飛び込んで初めて、じっくり味わえる山である。
[メンバー] :単独
[山域&山名]:
南アルプス(静岡、長野):聖岳(3013m)、兎岳(2818m)、中盛丸山(2807m)、赤石岳(3120m)
[天候 ] :晴れ時々曇り
[行程]
(7/31): 聖岳登山口(1140m)8:40 - 11:40滝見台12:10 - 13:20聖平小屋(テント泊)
(8/1): 聖平小屋5:15 - 7:15聖岳(3013m)7:45 - 9:30兎岳(2818m)10:00 - 11:50中盛丸山 - 13:05百間洞山ノ家(小屋泊)
(8/2): 百間洞山ノ家5:10 - 5:55百間平 - 7:20赤石岳(3120m)7:50 - 9:30富士見平 - 10:00赤石小屋10:20 - 12:30椹島ロッジ
一日目:畑薙ダム〜聖平小屋
畑薙第一ダム手前に東海フォレストの駐車場がある。長かった梅雨がやっと明け、
夏山シーズンを待ちかねた登山者で駐車場は満杯である。
7:40の臨時送迎バスに乗り、登山口までの悪路を中型バスで行く。聖岳登山口に8:30に到着。ここまで家を出てから7時間余、ひと仕事である。
8:40 聖岳登山口を出発する。
”聖岳登山口”
この登山口で下車したのは私一人だけ。殆どの人が椹島から、赤石小屋か千枚小屋へ向かうようだ。
登山口からの取り付きは、いきなりの急登で、早速汗を絞られる。幸い樹林帯なので、日射しは無く涼しくて有り難い。
杉、檜の植林帯を約300m登ると勾配は緩やかになり、
ここからは等高線に沿って聖沢吊橋までゆっくりと歩く。
聖沢吊橋は小さな橋で渡る時に揺れる、それに踏み板が老朽化して抜けそうでスリル満点。
橋を渡って右岸で、小休止。沢の水で喉を潤す。
ここからは再び急登である。初日の重い荷物を担いでカエデ、ブナなどの広葉樹林の中を黙々と登る。
2011mの乗越を過ぎると勾配は緩やかになり、小さなアップダウンを繰り返して、
やがて滝見台に到着。
11:40 滝見台。

”滝見台から滝を覗く”
滝見台はせり出した岩場で、対岸の滝がよく見える。ここでザックを下ろし遅い昼飯。木立越に奥聖岳の頂上がかすかに見える。
水場を過ぎ、ガレ場の後は緩やかな尾根道である。登山道脇に色々な高山植物が咲き、疲れを癒してくれる。
沢に沿って緩やかな登りを行くと今日の幕営地、聖平へ出た。
13:20 聖平小屋。
この地は茶臼岳、赤石岳、光岳からの合流点にあたるので小屋は結構賑わっている。テントの受付後、
まずはビールを購入し喉を潤す。
発電棟から少し離れた静かな場所にテントを設営。この時間テント場はまだ数張のテントのみ。

”聖平のテント場”
その後、夕食の準備。今日は重量を減らす為に、レトルトのスキヤキ丼。これをツマミにウイスキーを少し飲み、
暗くなったので、早めに就寝。
二日目:聖平小屋〜聖岳〜兎岳〜中盛丸山〜百間洞山ノ家
三日目:百間洞山ノ家〜椹島ロッジ