山スキーのページ

<bgsound src="scar.mid" loop=-1> 吾妻連峰  天元台-明月荘-大沢下り
2006年4月4日(火)


”弥兵衛平から中大巓、西吾妻山、西大巓を振り返る”

[概要]
暦は既に四月。春の天気は周期的に変わる。短い好天の日を狙って、大沢下りに出掛けた。
気温が高く、雪質は良くなかったが、コース全長が20km近くあるクラシックロングコースを十分に堪能した一日 であった。

[メンバー]  :単独
[山域&山名]:吾妻連峰(福島、山形)、中大巓(1964m)、弥兵衛平
                 (登山口からの標高差、登り:140m、下り:1300m)
[天候 ]      :晴れ
[行程 ]      :天元台スキー場リフト終点(1820m) 10:10 - 12:20明月荘13:00 - 14:00砂盛 - 15:10牧場下 - 15:30大沢駅

大沢駅に車を乗り捨て、電車、バスで天元台へ。
リフトを3台乗り継いでゲレンデのトップへ。 ここで入山届を提出する。ここまで来るのが一仕事である。
四月の平日とあってスキー客はポツポツ見える程度で、勿論山へ入る人は他には見当たらない。
シールを貼って出発。

10:10   スキー場リフト終点を出発する。


昨日は雨の後強風が吹いた模様。斜面はガリガリのアイスバーンで注意しないと滑り落ちる。 アルペントレッカーを付けたゲレンデ板なので、クトーは付けられない。 滑落しないように斜登高で慎重に中大巓へ。
途中の樹木に氷粒が着いて、昨日までの風雪の強さを物語っている。








 ”氷結した樹木”



中大巓は頂上を踏まず、ショートカット気味に其のまま人形石へ。 ここは360度見渡せる地形だが、気温が高いせいか、遠方は霞んでいる。



      ”人形石付近”




      ”人形石付近から東大巓方面”右は烏帽子山、一切経山


人形石から下り斜面になる。シールを外して滑走。ガリガリのアイスバーンで曲げるのに苦労するが、それでも 気分良く鞍部まで降りる。アッという間である。
ここから再びシールを貼って緩い斜面を稜線漫歩。昨日までの風が嘘のように、今日は穏やかな、まるで五月の陽気。 この暖かさでスキーで下るまでにはアイスバーンも解けることを期待する。
振り返ると今降りてきた人形石の斜面と西吾妻山が白く輝いている。



      ”藤十郎付近から人形石の斜面と西吾妻山を振り返る”

東大巓の裾を巻くように弥兵衛平の緩い斜面を進む。右に磐梯山、後方に飯豊連峰が見えるが、ちょっと霞んでいるので 残念ながら写真には納まらない。
後ろを振り向くと西吾妻山、中大巓、藤十郎がゆったりと寝そべるように横たわっている。(トップの写真)
広い弥兵衛平の所々にツアー標識が立っていて、視界不良の際のガイドをしている。








 ”ツアーコースの標識”



進路を北に変え、緩やかな下りを進むと、やがて立派な明月荘が見えてきた。








 ”一階部分は大部分が雪に隠れた、明月荘”



12:20  明月荘

二階部分の冬季入り口も半分雪で埋まっているのでスコップがないと小屋の中へ入ることが出来ない。
幸い、今日は天気が良いので小屋の脇の陽だまりで昼飯を食べながら大休憩。

休憩の後はいよいよ長い下りの始まりである。進路を真北にとると最初はクジラの大斜面と呼ばれる緩やかな平原である。 視界が悪い時は方向を定めるのが難しそう。
相変わらずのアイスバーンであるが、その分、緩斜面でも良く滑る。







 ”鯨の大斜面と呼ばれる緩やかな平原”



右手に栂森を見ながら高度を下げ、オオシラビソの樹が目立つようになると、雪質は適当なザラメに変わって大変滑り易くなった。

やがて傾斜は段々急になり、”忠ちゃん転ばし”と呼ばれる急斜面に出た。







 ”忠ちゃん転ばしの上から、下を覗く”



この斜面は40度ぐらいあろうか。私の腕では簡単にターンは出来ない。無理をせず斜滑降で降りるが、 堅い雪の上に緩んだ新雪が20cmくらい積もっているので、ずり落ちる感じになってしまう。







 ”忠ちゃん転ばしの斜面”



最後は渋川の沢を降りて、林道らしき地形に出た。ここから砂盛の右側を巻きながら少し登る。







 ”砂盛から忠ちゃん転ばしの斜面全景を振り返る”



砂盛からの急斜面を降りると傾斜は段々緩やかになって木々の間を縫いながら高度を下げていく。
もう一つ沢を越えたところが茂皮平である。この地点まで降りたら、雪面は水分を含んだ、いわゆる腐った雪になってしまった。
ワックスを塗るが、 多少傾斜があっても、スキーは殆ど走らない。
ストックで漕ぎながらの滑走で、腕が大変疲れる。
やがて広々とした放牧場に出てこのコースも終わりに近づく。







 ”放牧場”スノーモービルの走った跡が無数に見える



放牧場の途中まできたら、遠くにエンジン音が聞こえ始めた。 まさか除雪車では。
近くまで来て見ると、予感は的中、やはり除雪車が数台作業中。どうやら大沢駅からここまでの除雪は 完了したみたいである。

15:10  牧場下到着

仕方が無い、スキーを担いで約3kmを歩くか。と覚悟を決め、歩き始めたら、救う神ありで、除雪関係者の若い人が、来て、 ”送ってやっか” と声を掛けてくれ、大沢駅まで送ってくれた。米沢の人は本当に親切である。
こうして清々しい気持ちで長いスキーツアーが終了した。





2006年山行一覧表   山スキーの記録   東北の山、山行一覧表   Home