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<bgsound src="scar.mid" loop=-1> 北アルプス 
立山連峰(雷鳥沢、真砂沢、御山谷)
2006年5月8日(月)〜5月10日(水)


別山からの”朝の剱岳”右下に掘り出し中の剱沢小屋が見える。


[概要]
山スキーのメッカと云われる立山連峰に山スキーとして初めて出掛けた。
晴天に恵まれ、素晴らしい景観と、豊富な雪と、素晴らしい滑りを満喫のツアーであった。

[メンバー]  :単独
[山域&山名]:
北アルプス(富山):(立山連峰)別山(2880m)
[天候 ]      :晴れ
[行程]
(5/8):室堂(2430m)9:40 - 10:15雷鳥沢下 - 13:00剱御前小舎14:00 - 14:10剱沢小屋手前14:30 - 15:00剱御前小舎(小屋泊)
(5/9): 剱御前小舎7:10 - 7:45真砂沢上(2790m)8:00 - 8:40真砂沢出合(1760m)9:00 - 11:30剱御前小舎12:00- 14:30一ノ越山荘(小屋泊)
(5/10): 一ノ越山荘(2700m) 8:00 - 8:45 御山谷下、黒部湖畔(1450m) 9:00 - 11:20黒部ダム

一日目:室堂〜剱御前小舎
扇沢を朝一番のトロリーバスに乗ってアルペンルートで室堂に9:20着。

9:40   室堂を出発する。

連休明けの平日とあって室堂の周りの人は疎らである。まず、周囲の積雪量にびっくり。



        ”室堂平から雷鳥沢方面を遠望” 一番左側を登った。緩やかに見えるが意外ときつい斜面。

室堂平でスキーを着けてゆっくりとスタート。どこを滑っても良いみたいであるが、とりあえず、ミクリガ池の脇を通り、みくりが温泉 から右に進路をとり、称名川沿いまで降りて緩い傾斜を雷鳥平へ。

称名川を渡った辺りでシールを付けて登りの開始。登りのルートは左の広い尾根をとった。
最初は適度の傾斜でシールが効き、快調に高度を上げるが、次第に傾斜が急に なって、直登は難しく、ジグザグ登高となる。










”雷鳥沢の登りの急斜面と大日岳”
 



途中まで左の尾根を登ったが、斜面がちょっと急に見えたので途中から右の沢をトラバース。 果たしてこれが正解であったかどうかは疑問。

途中で雷鳥のペアに出会い、疲れを癒される。








”雷鳥のペア” 夏の羽に少しづつ変わっている。
 




気温が高いので雪の表面が層状にズリ落ちる感じで、すこぶる登高効率が悪い。 最後の100m位はスキーを担ぎ、ツボ足で登る。


13:00  剱御前小舎


小舎で宿泊の申し込みをして大休憩。この時間、宿泊者は他に見当たらない。

休憩の後、足慣らしに剱沢を途中まで滑る。少し緩んだザラメであるが、快適である。





        ”剱沢からみた別山尾根”


剱沢小屋の手前まで滑り、ここでノンビリと剱岳の景観を楽しむ。









”剱沢の途中から、午後の剱岳”いつ見ても素晴らしい形だ。
 



小舎に戻って、夕方までノンビリと休憩。今日の宿泊者は登山客が10名くらい。スキーは私だけのようだ。




            ”室堂の全景を俯瞰” 遠く、雪原を掘ったバス道路が見える。









”午後の大日岳”
 












”雲が流れ落ちる夕方の大日岳”
 







二日目:剱御前小舎〜真砂沢〜剱沢〜剱御前小舎〜雷鳥沢〜一ノ越

朝飯前に小舎脇の高台に登り、日の出を待つ。ちょうど別山の方角の空が明るんだ。









”別山尾根からの日の出”
 











”剱岳がちょっとモルゲンロート”
 




7:10  剱御前小舎を出発


今日も快晴である。

まずは別山尾根の夏道を通って、別山まで。朝の気温はちょうど0℃くらいか、登山道はうっすらと霜が降りている。

空気が澄んで、回りの景観が素晴らしい。





            ”薬師岳が素晴らしい。”









”雄山方面”
 











”剱御前方面を振り返る”この斜面も素晴らしい。
 






            ”別山からの後立山連峰” 右から針ノ木岳、スバリ岳、赤沢岳、鳴沢岳、爺ケ岳、鹿島槍ケ岳

  夏道と雪の上を交互に歩いて、別山の祠に到着。ここで今日の無事を祈願。


ここから少し下る。真砂沢の上の壁が大きく口を開けている。ここを降りることが出来るだろうかと、ちょっと不安。
見た感じは斜面というより絶壁、どう見ても50度くらい有りそう。









”真砂沢の上の壁”滑り出しは、このちょっと手前。
 





ちょうど平らになった所でスキーを準備する。いよいよ滑り出しであるが、滑る斜面が見えない位、急である。

Drop-in。緊張の瞬間。滑り出しは物凄い傾斜。斜滑降に横滑りを交えて高度を下げる。
50mくらい降りると傾斜はちょっと緩んでターンが出来る。ここからが快適。









”真砂沢の上の壁を下から見上げる”最初は斜滑降で降りる。
 





こんなところを滑って良いのだろうか。誰も滑ってない手付かずの沢を一人で足跡を付けていく。









”真砂沢の上部から沢の下方を見る”遠方、右から鹿島槍ケ岳、五竜岳、唐松岳。
 





沢に吸い込まれるように高度を下げて行く。

沢は少しづつ左にカーブしながら、高度を下げる。向かいの山も少しづつ背景が変わる。









”2300m付近から下流を望む”向かいの尾根は白馬岳、白馬鑓ケ岳、不帰ノ剱
 




下流に行くに従い、デブリが多くなって滑りにくい。右岸寄りの斜面をコースを選びながら滑る。


やがて剱沢との合流点に到着。この素晴らしい滑降も終了。


8:40  真砂沢出合


ここからシールを着けて、今滑った分、約1000mを登り返さなくてはならない。
シールを付けて、スタート。









”真砂沢出合から剱沢を見上げる”
 




剱沢は多少デブリがあるものの、比較的傾斜は緩やかで、登りやすい。

右側から、剱岳を構成する、長次郎谷、平蔵谷が順次現れる。









”長次郎谷を見上げる”
 





上流に行くに従い、勾配は少しづつきつくなる。左にカーブしながら高度を上げていくと、剱沢小屋が 僅かにみえてきた。

今まさに雪の中を掘り起こし中。今年の豪雪で小屋は少し損傷しているらしく、正常にオープン出来るか 判らないと小屋管理の人が云っていた。









”掘り起こし中の剱沢小屋”
 




ここまで来て今日初めてスキーヤーと出合った。数人が剱沢を滑って、また登り返していた。


11:30  剱御前小舎


ここで、もう一日ゆっくりすることも考えたが、予報では明日の天気は下り坂。今日のうちに出来るだけ前に行った方が 良さそうなので、休憩の後、荷物を纏めて雷鳥沢を下る。

雷鳥沢は南向き斜面。気温が高く雪質は良くないが昨日苦労して登った分、今日は滑りを楽しんだ。

雷鳥沢の最後の下りは真下には下りずに、立山側の山裾を巻く様に一ノ越へ向かった。

向かいの浄土山の斜面には、数名のスキーヤーが滑っている。 この周辺は登る元気さえあれば何処でも滑ることが出来る。









”浄土山”
 




最後は室堂からの登山道に合流し一ノ越へ到着。


14:30  一ノ越山荘


もう少し早く到着していれば、黒部湖まで降りられたが、今日は無理をせず一ノ越山荘に宿泊を申し込む。
今日の宿泊者は全部で7名。2日前までの喧騒がウソのようだと、管理の人が話していた。




            ”一ノ越から北アルプスを遠望” 右から赤牛岳、中央尖ったのが槍ケ岳、左は裏銀座の峰々

 


三日目:一ノ越〜御山谷〜黒四ダム


朝起きてみたら、予想とは違い、晴天である。今日も快適なツアーが出来そう。









”朝の室堂方面”同宿の登山者が下山していく。
 





8:00  一ノ越山荘を出発


御山谷への滑り出しは非常に緩やかである。御山谷は標高差1250mあるが、初級コースと云われている訳が理解出来た。

今日もこの沢を独り占め。まずは2275mのポイントまで一気に滑る。









”2275mのポイントから見上げる”右の尾根の中腹から東一ノ越へトラバースする登山路がある。
 




御山谷の滑りも昨日の真砂沢と同じような光景であり、頭の中で昨日の残像とダブル。真砂沢より幾分傾斜は緩やかか。









”2100m付近から前方の光景”正面の山は針ノ木岳、スバリ岳方面。
 





1800mから下はデブリのオンパレード。デブリを避けながら右岸沿いを先人のトレースに乗って滑るが、 所々新しいデブリもあり、大変滑り難い。









”1800m付近から下方を見る”デブリのオンパレード。
 



1500mまで降りると沢に水流が出始め、黒部湖はもう直ぐ。









”1500m付近の水流”
 



やがて黒部湖畔に到着。ここまでスキーを着けたまま降りることが出来た。

ここからスキーを担いで歩行。まだ夏道は出ていないので歩き難い雪上歩行である。途中3ケ所の小沢を高巻きしてクリアー。 これが、歩行中一番くたびれた。

約2時間余り歩いて、先方に黒四ダムの堰堤が見え、このツアーも終点に近づいた。









”黒四ダムが見えてきた”
 





11:20  黒部ダム着


トロリーバスで扇沢まで戻り、大町の薬師ノ湯で3日間の疲れをとったあと、帰途に着いた。





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