[概要]
八月の終わり、夏山の喧騒が過ぎた静かな北アルプス。雄大な景色を眺めながら稜線漫歩の裏銀座縦走に出掛けた。
初日と三日目は雨に降られたが、二日目は好天に恵まれ夏から秋へ変わり行く北アルプスの山歩きを楽しんだ。
[メンバー] :単独
[山域&山名]:
北アルプス(長野、岐阜):烏帽子岳(2628m)、野口五郎岳(2924m)、真砂岳(2862m)、ワリモ岳(2888m)、鷲羽岳(2924m)
[天候 ] :晴れ、のち雨
[行程]
(8/30): 高瀬ダム登山口(1270m)7:30 - 11:00烏帽子小屋 - 烏帽子岳往復(テント泊)
(8/31): 烏帽子小屋 4:50 - 7:20野口五郎岳(2924m)7:40 - 10:20水晶小屋10:30 - 12:00鷲羽岳12:15
- 13:05三俣山荘13:30 - 15:00双六小屋(テント泊)
(9/1): 双六小屋 4:30 - 7:40千丈沢乗越7:50 - 9:00槍平小屋9:10 - 12:00新穂高
一日目:高瀬ダム〜烏帽子小屋
七倉山荘前の駐車場に車を置き、ここからダムまでタクシー。夏山シーズンが終わって、駐車場は数台の車が有るのみ。
高瀬ダムの堰堤まではわずか15分くらいで着く。
40年前にこのコースを歩いた時はずーっと下の葛温泉が登山口だったが、今は3時間の時間短縮である。
7:30 高瀬ダム登山口を出発する。
高瀬ダムのトンネルを過ぎると不動沢の吊り橋がある。この橋はかなり立派で先月歩いた聖沢のものとは大違いだ。
”不動沢の吊り橋”
不動沢に堆積した砂地を暫く歩いたのち急登になる。北アルプス三大急登と云われているが、登山道も整備されており
それ程でもない。
ブナ立尾根と云われている通りブナの巨木が目立つ。標高が1700mくらいから、コメツガやシラビソの針葉樹に変わる。
今日の予報では晴れの筈であったが、山の天気はそう旨くいかない。雨具を着けるほどではないがパラパラと雨が落ちてきた。
2208mのピークを過ぎたあたりから、傾斜は少し緩やかになる。右手に不動岳が見え出す。
南沢岳とのコルから下に落ちる沢は崩落が激しく、絶えずガラガラと音を立てて岩が落ちている。
やがて傾斜がゆるやかになり稜線に出、ちょっと下がって烏帽子小屋へ到着。
11:00 烏帽子小屋。
この時間、小屋には登山客はまだ到着していない。テントの受付をして、小屋から少し離れた場所にあるテント場にテントを設営。
テント場は余り広くないが、他にテントは見当たらない。
雨が降っているので、テントの中で休憩。昼寝。
2時間ほどしたらガスが切れてきたので、烏帽子岳に向かう。
途中の砂礫地には花の盛りを過ぎたコマクサがちらほら見える。

”コマクサ”
前烏帽子岳(ニセ烏帽子)まで来ると、形の良い烏帽子岳が目の前に現れる。

”ニセ烏帽子から見た烏帽子岳”後方は南沢岳
数箇所の鎖場を経て頂上へ。頂上は狭いが、360度遮るものはない。
残念ながら雲が掛かり遠望はきかない。
テント場へ戻る途中、烏帽子岳を振り返ると登山者が頂上に立っているのが見えた。

”烏帽子岳を振り返る”頂上右に人が立っている
テントに戻り夕食のあと、明日の長丁場に備え早めに就寝。
二日目:烏帽子小屋〜野口五郎岳〜鷲羽岳〜三俣山荘〜双六小屋
三日目:双六小屋〜新穂高
4:30 双六小屋出発
出発時は雨こそ降っていないが、回りはガスに包まれている。
天気が良くなることを期待して、槍ケ岳方面のルートを取る。
樅沢岳を過ぎた辺りから、明るくなり始めたが、今日の日の出は期待出来ない。
ようやく明るんだ東の方向に槍と穂高がシルエットで見える。
”夜明けの槍、穂高”
天候が悪くなったからか、これから天気が悪くなるのか、雷鳥が鳴き声を出しながら、登山道脇に現れた。

”雷鳥”
硫黄乗越を過ぎたら雨が降り出した。風はないが大粒の雨である。雨具を着け、ガスと雨の中を黙々と進む。

”ガスと雨の西鎌尾根”
昨年、ここを歩いた時は午後の西日に晒されて、かなりバテたが、きょうは気温が低く、歩くにはちょうど良い。
時折ガスが切れて千丈沢から突き上げる槍ケ岳が姿を現す。

”千丈沢から突き上げる槍ケ岳”
千丈沢乗越まで来たら、本格的な雨になった。このまま槍ケ岳に進んでも眺望は得られないので、ここから新穂高へ下りる
ことにする。
7:40 千丈沢乗越
今日は金曜日。この雨の中を続々と登山者が上がってくる。槍平小屋にも今から登る登山者が数名休んでいる。

”槍平小屋”
余り変化の無い緩やかな下りが続く。滝谷の出合いから、滝谷を覗きながら下る。
白出小屋からは林道になる。昨年まであった白出小屋は今年は撤去されて、水場とトイレのみ残されている。
最後は単調な林道歩きを一時間余。終着の新穂高に着いた。大降りではないが、雨は降り続き、雨具は着けたままであった。
12:00 新穂高
バス停前の無料温泉で三日間の汗を流したあと、バス、電車、タクシーを乗り継いで、
七倉の駐車場まで行き、車を回収し帰途に着いた。
咲いていた花々(主なもの)
2006年山行一覧表
北アルプス-山行記録
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