山歩きのページ

<bgsound src="ich.mid" loop=-1> 飯豊連峰  飯豊山
2007年5月28日(月)〜29日(火)


”飯豊山から北股岳を遠望”


[概要]
山スキーは先週で終了。
今週からは山歩き。さてどこへ出掛けようか、と考えるが。やはり最初は飯豊山になる。
例年であれば、まだかなりの雪に覆われている稜線も、今年は雪が少なく、ちょっと拍子抜けの感がしないでもない。
それでも他の山に比べれば、まだまだ残雪があり、この時期の飯豊山の姿は夏山とは違った素晴らしさがある。  半年振りの山歩きをのんびりと味わった二日間だった。

[メンバー]  :単独
[山域&山名]:飯豊連峰(福島、山形、新潟)、飯豊本山(2105m)(登山口からの標高差1495m):
[天候 ]      :晴れ&雨
[行程]
(5/28):大日杉登山口(610m)5:50 - 8:20地蔵岳8:30- 11:00切合小屋11:10 - 13:10飯豊本山小屋(泊)、飯豊本山を往復
(5/29): 飯豊本山小屋5:40 - 6:50切合小屋7:10- 9:40地蔵岳9:50 -11:30大日杉登山口


一日目:大日杉登山口〜飯豊本山


5:50   大日杉登山口出発

入山届を提出して出発。天気予報では良くなる筈がちょっと回復が遅れているようで、霧雨状態。 雨具を着ける程でもないので、ザックカバーのみを着けて歩き出す。

このコースは助走なしでいきなりの急登が始まる。2年前の同じ時期に来た時は雪で覆われていたザンゲ坂の上の方も、 雪はとうに消えて、周りは緑で包まれている。
ひと汗かいて尾根に出る。ここからは少しなだらかな登山道になる。


ガスと霧雨で遠望は利かないが、登山道の脇にはタムシバ、ムシカリ、イワウチワ、イワカガミ、カタクリ等 の花が今を盛りと咲いている。







”霧雨に濡れるヤシオツツジ”




御田を過ぎ勾配は次第に急になるが登高効率はきわめて良く、ぐんぐんと高度が上がる。
ダマシ地蔵まで来ると、登山道にやっと残雪が現れる。 なだらかな雪庇を過ぎ、少し登ると地蔵岳に到着。

8:20   地蔵岳


周りはガスでかすみ、残念ながら眺望はゼロ。
ここから進行方向を90°左に変えて稜線歩きになる。登山道には雪庇と雪田が所々現われ、夏道と混ぜながら歩く。






”稜線に現われる雪庇”




御沢分れまで来て、雪渓を覗くが先がガスで見えない。  雪の状態が不明なので、安全を考え夏道を進む。
種蒔山の裾まで来て、やっと視界が良くなり少し見通せるようになる。







”種蒔山の裾から切合小屋、草履塚方面を見る。”
 




切合小屋までは、右傾斜の雪渓をトラバース。雪が緩んでいるので、アイゼンは着けなくても問題なく歩ける。




    ”雪渓から切合小屋、草履塚方面を見る”手前の落ち込んでいる所が御沢の雪渓。


11:00   切合小屋

単独行の登山者が小屋の前で休憩していた。この方は今から大日杉まで戻るという。

草履塚の登りは大部分が雪上歩き。少しづつガスは切れてきたが、遠望は出来ない。






”草履塚から御秘所方面を見る。”
 





御前坂から最後の登りに掛かる。久し振りに荷物を担いだ山歩きで、ちょっと疲れる。 休みを入れながらゆっくりと登り、やがて一ノ王子を過ぎて 飯豊本山小屋に着いた。


13:10  飯豊本山小屋

小屋の中には登山者は見当たらない。
荷物を降ろし、濡れた衣類を着替えた後、ラーメンを作り、遅い昼飯とする。
外は相変わらずガスで視界は悪いので、シュラフに潜って暫く昼寝。

4時頃になったら、ガスが切れて視界がよくなったので、飯豊本山に向かう。
飯豊山の頂上から見ると、雲海の上に顔を出した飯豊連峰の山々が西日を浴びて光っている。





    ”大日岳から北股岳へ続く飯豊の連山”


右に目を移すと、あの厳しいダイクラ尾根、宝珠山が雲海を背にこちらを向いている。 ここは下るだけでも大変厳しい尾根だ。




    ”ダイクラ尾根と宝珠山”

振り返ると今日歩いてきた草履塚からの稜線がくっきり。





    ”飯豊山から本山小屋、草履塚を振り返る”

風が強く、 気温も低いがいつまで見ても飽きることの無い景色。 暫く、あっちへ行ったり、来たり。と贅沢な眺望を堪能。

身体も冷えてきたので、小屋へ引き返す。
小屋には川入からの単独行が入っていた。今日は、この広い小屋を二人で専有。

夕日はちょうど19時に北股岳方面に沈んだ。




    ”北股岳の右に沈む夕日” 沈む方角がイメージとちょっと違う。佐渡島がかすかに見える。


二日目:飯豊本山〜大日杉登山口

明け方、小屋の屋根を揺るがす凄い音で目が覚めた。風もかなり強いようであるが、 これはこの小屋のトリックと早々に理解。
この山小屋は音響箱のような感じで、風の音が倍増されている。

日の出の時間に小屋から出てみると、飯豊本山方面がモルゲンロートで赤く染まっている。それにしても寒い。





    ”モルゲンロートに染まる飯豊本山とダイクラ尾根” 


5:40  飯豊本山小屋出発

風はあるが、天気は上々。小屋を後にして歩き始めると、登山路は霜で白くなっている。冬の手袋をしていても、 手が切れるように痛い。




    ”飯豊本山小屋付近から、朝の草履塚、種蒔山方面を遠望” 

吾妻連峰が墨絵のように浮かんでいる。





    ”吾妻連峰(左)と磐梯山(右)” 

御前坂をゆっくり下りる。久し振りの下りで膝ががくがく。足を痛めないように慎重に下る。下りといっても、草履塚の登りもある。 ひと汗かいて、草履塚へ。





    ”草履塚から飯豊山を振り返る” 大日岳は早くも雲に隠れる。 

草履塚の下りは適当な斜面と適当な雪でグリセードで一気に。
切合小屋に着いて、ヤッケ、を脱ぎ軽装にする。
今日はこの時間、好天で、山歩きには絶好のコンディション。

切合小屋からは御沢の雪渓を下る。最初の降り口は急斜面であるが、沢に入るとなだらかで、かつ緩んだ雪で快適に下ることが出来る。







”下り終わって御沢の雪渓を振り返る”
 




御沢別れから夏道に戻り、好天の中を稜線漫歩。昨日は視界がない中を黙々と歩いたが、 今日は景色を楽しみながらの歩き。

御坪付近からは、飯豊本山〜種蒔山までの稜線がパノラマで見渡せる。




    ”種蒔山〜草履塚のパノラマ” 





    ”草履塚から飯豊本山” 

登山道脇に咲く花を眺め、飯豊山を振り返りながらのんびりと歩く。 やがて地蔵岳が近づいてくる。



9:40  地蔵岳





    ”地蔵岳から見た飯豊山” 





    ”地蔵岳から見た三国岳〜七森の稜線” 


飯豊山の姿に別れを告げて、稜線を離れる。
ここからは本格的な下り。 まだ山歩きに慣れない身体には、この急な下りは辛い。なるべくゆっくり下るが、 最後は膝がガクガクになって登山口に到着。

11:30  大日杉登山口

半年振りの山行は無事終了。登山口の記帳所で下山届を提出。
途中、「フォレストいいで」で温泉(400¥)に入り汗を流し、帰途に着いた。



  咲いていた花々。


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