5:50 大日杉登山口出発
入山届を提出して出発。天気予報では良くなる筈がちょっと回復が遅れているようで、霧雨状態。
雨具を着ける程でもないので、ザックカバーのみを着けて歩き出す。
このコースは助走なしでいきなりの急登が始まる。2年前の同じ時期に来た時は雪で覆われていたザンゲ坂の上の方も、
雪はとうに消えて、周りは緑で包まれている。
ひと汗かいて尾根に出る。ここからは少しなだらかな登山道になる。
ガスと霧雨で遠望は利かないが、登山道の脇にはタムシバ、ムシカリ、イワウチワ、イワカガミ、カタクリ等
の花が今を盛りと咲いている。
”霧雨に濡れるヤシオツツジ”
御田を過ぎ勾配は次第に急になるが登高効率はきわめて良く、ぐんぐんと高度が上がる。
ダマシ地蔵まで来ると、登山道にやっと残雪が現れる。
なだらかな雪庇を過ぎ、少し登ると地蔵岳に到着。
8:20 地蔵岳
周りはガスでかすみ、残念ながら眺望はゼロ。
ここから進行方向を90°左に変えて稜線歩きになる。登山道には雪庇と雪田が所々現われ、夏道と混ぜながら歩く。
”稜線に現われる雪庇”
御沢分れまで来て、雪渓を覗くが先がガスで見えない。 雪の状態が不明なので、安全を考え夏道を進む。
種蒔山の裾まで来て、やっと視界が良くなり少し見通せるようになる。
”種蒔山の裾から切合小屋、草履塚方面を見る。”
切合小屋までは、右傾斜の雪渓をトラバース。雪が緩んでいるので、アイゼンは着けなくても問題なく歩ける。
”雪渓から切合小屋、草履塚方面を見る”手前の落ち込んでいる所が御沢の雪渓。
11:00 切合小屋
単独行の登山者が小屋の前で休憩していた。この方は今から大日杉まで戻るという。
草履塚の登りは大部分が雪上歩き。少しづつガスは切れてきたが、遠望は出来ない。

”草履塚から御秘所方面を見る。”
御前坂から最後の登りに掛かる。久し振りに荷物を担いだ山歩きで、ちょっと疲れる。
休みを入れながらゆっくりと登り、やがて一ノ王子を過ぎて
飯豊本山小屋に着いた。
13:10 飯豊本山小屋
小屋の中には登山者は見当たらない。
荷物を降ろし、濡れた衣類を着替えた後、ラーメンを作り、遅い昼飯とする。
外は相変わらずガスで視界は悪いので、シュラフに潜って暫く昼寝。
4時頃になったら、ガスが切れて視界がよくなったので、飯豊本山に向かう。
飯豊山の頂上から見ると、雲海の上に顔を出した飯豊連峰の山々が西日を浴びて光っている。

”大日岳から北股岳へ続く飯豊の連山”
右に目を移すと、あの厳しいダイクラ尾根、宝珠山が雲海を背にこちらを向いている。
ここは下るだけでも大変厳しい尾根だ。

”ダイクラ尾根と宝珠山”
振り返ると今日歩いてきた草履塚からの稜線がくっきり。

”飯豊山から本山小屋、草履塚を振り返る”
風が強く、
気温も低いがいつまで見ても飽きることの無い景色。
暫く、あっちへ行ったり、来たり。と贅沢な眺望を堪能。
身体も冷えてきたので、小屋へ引き返す。
小屋には川入からの単独行が入っていた。今日は、この広い小屋を二人で専有。
夕日はちょうど19時に北股岳方面に沈んだ。

”北股岳の右に沈む夕日” 沈む方角がイメージとちょっと違う。佐渡島がかすかに見える。