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<bgsound src="s_song.mid" loop=-1> 南会津  三ツ岩岳-大戸沢岳
2007年3月27日(火)


”三ツ岩岳から先の稜線と大戸沢岳”

[概要]
南会津には2000mを越す山が幾つかあるが、会津駒ケ岳の人気に押されて他の山は余り注目されない。
しかし、山スキーとしては、大戸沢岳の斜面が面白い。
毎年、大戸沢岳に通っているが、登って降りるだけでは変化が無いので、今回は三ツ岩岳を加えた周回ルートをトライした。
累積標高差が1570m近くあるので体力がいるコースである。

[メンバー]  :単独
[山域&山名]:南会津(福島)、三ツ岩岳(2065m)、大戸沢岳(2089m)
                 (登山口からの累積標高差、:約1570m)
[天候 ]      :曇りのち雪&雨
[行程 ]      :下大戸沢登山口(840m)6:10 - 7:40 1426mピーク - 10:20三ツ岩岳10:30 - 12:15大戸沢岳12:45-13:55登山口

6:10   下大戸沢スノーシェッド脇を出発する。

スノーシェッドを越えて下大戸沢の左岸寄りの尾根に取り付く。 この尾根は雪の付きが少なく地肌がかなり露出しているので、スキーは担いでツボ足でスタート。
地形図には登山道は無いが、夏シーズン直接この尾根を登って三ツ岩岳に登ることもあると見えて、踏み跡と雑木に目印のペンキマークがある。









 ”登り開始地点”樹に目印が記入してある


1000mから1200mまではヤセ尾根の急斜面で北東側に雪庇が張り出している。コースガイドによると、ここをスキーで 降りることも可能とされているが、積雪がかなり多いときでないと困難と思われる。

1200mを過ぎると完全に雪がつながり、シール登高が可能となる。先週末の大雨で水を含んだ雪が適当に締まって、シール登高に ちょうど良い堅さである。
村界尾根を右に見ながら急勾配を直登すると1426mのピークに到達。ここで一息つく。

ピークからシールを付けたまま70mくらい下り、コルから本格的な登りとなる。 最初は緩やかなブナ林の中を快調に直登。









 ”1450m付近のブナ林”


やがて勾配は少しづつ急になり、一部ジグザグを混じえながら高度を上げていく。左手に大戸沢岳の頂上とその尾根が目に入ってくる。








 ”1450m付近の急斜面と大戸沢岳”


空はどんよりと曇っているが、風はあまりなく、かなり気温が高い。下る頃には雪が緩んでしまうのではないかと心配しながら黙々 と登る。
1700mを過ぎると周りの景色が目に入ってくるが、残念ながらボンヤリしている。









 ”1800m付近からの大戸沢岳”


やがてこの山の名前の由来となっている三ツ岩が見えてくる。この辺りは普段風が強く、かなりの雪庇が張り出しているので 右側を迂回するように登る。


右手の端整な形の窓明山や、丸山岳を見ながら緩くなった勾配を進むと、三ツ岩岳の頂上に到達。今まで五月頃に見た山の形とは かなり異なって見える。



        ”窓明山”










 ”三ツ岩岳”




10:20   三ツ岩岳頂上

先週の会津駒ケ岳とほぼ同じ標高差を登った割には、雪が締まっていた関係で、時間は掛からなかった。
頂上は風よけもなく寒いので小休止のあと、先に進む。




        ”三ツ岩岳頂上から雪庇の張り出した稜線と大戸沢岳を遠望”

ここからは、小さなアップダウンを繰り返しながらの稜線漫歩である。
平坦に見える稜線の雪面であるが、近づいてみると風が造った溝が無数にあり、高いものは2mくらいあるので 進むのに結構疲れる。空がドンヨリしているのは黄砂の影響も少しあるようで、稜線の雪面は砂でかなり汚れている。









 ”稜線状のピークから見る大戸沢岳と手前のコル”


左手のストンと落ち込んだ中ノ沢の急斜面を覗く。滑降意欲をそそられる斜面だが雪崩の巣でもある。









 ”中ノ沢の急斜面を覗く”


歩いてきた稜線を振り返ると見た目はアップダウンが殆ど無いように見えるが結構時間が掛かった。




        ”稜線を振り返る。右端が三ツ岩岳”

コルから170mほどを登り返して大戸沢岳に到着。

12:15   大戸沢岳頂上




        ”大戸沢岳頂上から見た会津駒ケ岳とそこまでの稜線”

ここで大休憩。風当たりが少ない場所を選んで、持参の昼飯をとる。この頃から雪が降ってきた。眼下をみると先ほどより 更に視界が悪くなっているので下は雨かも知れない。

のんびりも出来ないので、シールを外して滑降に入る。表面が適当に緩んで、滑りはまずまずである。
やがて大斜面に入る。雨で流れたミゾが出来て、ちょっと滑り難いが登って来た疲れを忘れる至福のひと時である。









 ”頂上直下の大斜面”雪が舞っている


今年は雪が少ないせいか、この大斜面も吹き溜まりの急斜面もなく、一様な斜面である。

登りは時間が掛かったが、下りはあっと言う間に降りてしまう。









 ”1600m付近から大戸沢岳方向を振り返る”この辺までは雪が降っていた


更に高度を下げるとミゾレになってきた。黄砂の付いた雪の緩斜面はなかなか滑らない。
1386mのピークを過ぎると、本格的な雨になる。雨の中のスキーは初体験。ザックカバーを着け、雨具をつけて滑る。

1200mから下は雪質が更に悪くなり、慎重に下る。一部地肌の見える箇所もあったが、何とかスキーを履いたまま、国道まで 降りられた。
尾根の下の方は、この気温ではもうすぐに雪が途切れると思われる。


13:55  下大戸沢スノーシェッドに到着





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