山歩きのページ

<bgsound src="scar.mid" loop=-1> 飯豊連峰  飯豊山、ダイクラ尾根
2002年7月12日(金)〜13日(土)


”草付き付近から石転び沢を見下ろす”
コバイケイソウがちょうど見頃。


[概要]
梅雨明けはもう少し先のようだが、東北地方の天気は少しは、ましのようなので、飯豊山に出掛けることにした。 石転び沢から入り、ダイクラ尾根を下る。うまくいけば大日岳までとの思いだったが、天候が崩れそうだったので、 大日岳は又の機会とした。 ダイクラ尾根は、なるほど厳しい下りで、真夏にここを選ぶのは余程の覚悟が必要だ。

[メンバー]  :単独
[山域&山名]:飯豊連峰(福島、山形、新潟)、飯豊山(2105m)
[天候 ]      :晴れ
[行程]
(7/12):天狗平登山口(400m)6:00 - 8:00石転び沢出合 - 11:50梅花皮小屋12:30 - 15:00天狗の庭 - 16:00御西小屋(泊)
(7/13):御西小屋6:30 - 8:00飯豊本山8:20 - 13:00休場の峰 - 16:00天狗平登山口

一日目:天狗平〜御西小屋

6:00  登山者カードを提出して、天狗平登山口(400m)を出発する。
駐車場には既に5台の車が駐車してある。 温身平まで平坦な林道歩きのあと、砂防ダムを越して梅花皮沢の左岸を歩く。 梶川を越えたあたりから雪渓が断続し始める。 石転び沢出合からは完全に雪渓が繋がっている。3年前の9月初めに来たときはこの辺も大石ゴロゴロであった。







”石転び沢出合から上を見上げる”




この時期は雪渓も安定して雪崩、落石は少ないようだが、常に目配りをしながら登る。 1200mあたりから傾斜が急になって来たので アイゼンを付ける。10本爪を持ってきたので、ちょっと重いが安心して歩ける。 北俣沢の出合を過ぎると傾斜はさらに急になり、一歩一歩という感じで登る。振り返ると石転び沢出合は遥か下に見える。凄い高度感だ。





    ”北俣沢の出合から石転び沢を見下ろす”

急傾斜を一頑張りすると、草付きに出た。ここでアイゼンを外して、一息入れる。雪が解けた所から短い夏を逃さぬように花が咲き始めている。
草付きの上から最後の急傾斜雪渓をトラバース気味に登ると梅花皮小屋へ出た。周りはガスが出て視界は余り良くない。

11:50 梅花皮小屋

小屋に入ってラーメンを作って昼飯にする。4人のパーティーがビールを飲みながら昼食をしていた。梶川尾根を登って来た方達で、今日は この小屋に泊まりとのこと。この小屋は新しくて感じが良い。

見通しは良くないが、先に進む。 烏帽子岳までの登りを終えると稜線歩きであるが、少し夏道が出ている他は殆どが雪庇の上を歩く。トレースが 消えているのでルートを確認しながら進む。
天狗の庭の手前あたりから視界が良くなってきて、飯豊山の頭とダイクラ尾根が見えるようになった。





    ”天狗の庭とダイクラ尾根” 雪庇歩きが続く。

右手に少し雲がかかった大日岳が見える。山肌のひだ模様がきれいだ。







”大日岳”




そろそろ雪庇歩きも飽きてきたころ、御西小屋へ着いた。

16:00 御西小屋

小屋に入ると先客が一人いた。 やはり石転び沢を登って来た人で、見ると魚釣りの時に履くスパイク長靴であった。 なるほど、慣れた人ならば、この時期の雪渓歩きに最適だろう。
一休みして小屋の外へ出ると大日岳全体が見えるようになった。





    ”大日岳と牛首”

夕方、夕日は雲の中の日本海へ沈んだ。 佐渡ケ島がかすかに見える。







”日本海の夕暮れと佐渡ケ島”





二日目:御西小屋〜天狗平
6:30 御西小屋出発

朝ラジオの天気予報を聞くと、明日は雨らしい。今日大日岳を往復し、其のまま下山することも考えたが 無理をせず、大日岳は次の機会にしてダイクラ尾根を下りることに決めた。
水が底をついたので御西岳の近くの雪渓で雪を融かし水を作る。 飯豊山への途中で、御西小屋の管理人と出会ったので昨夜の泊まりのお礼を述べた。今夜から駐在するらしい。
なだらかな登りを詰めると飯豊山の頂上へ出た。

8:00 飯豊本山







”飯豊本山頂上”




頂上には、切合小屋からの登山者が一人写真をとっていた。 天候が心配でこれから大日岳へ行くかどうか迷っていた。

しばらく景色を堪能したあと、下山に入る。 頂上付近には、ウスユキソウ、チシマギキョウなどが今を盛りと咲いている。





    ”飯豊本山の下りから北方稜線を振り返る”大日岳、烏帽子岳、北俣岳が見渡せる。

先を見ると今から下りるダイクラ尾根が延々と延びている。見たところ大した事なさそうだが、これが 凄かった。







”ダイクラ尾根の下りと形のよい宝珠山”




最初は形の良い宝珠山を目指して下りる。この辺は勾配も比較的緩やかで問題は無い。 所々に雪渓のトラバースが出てくるので慎重にクリア。いろんな花が咲いていて、目を楽しませてくれる。









”珍しい白いシラネアオイ”













”サクラソウ”





宝珠山の岩場をクリアしたが、ここからが、精神的に疲れた。小さなアップダウンがこれでもか というくらい続く。
最初は30分歩いて、5分休みのペースだったが、暑さもあって、だんだん休みのピッチが縮まってきた。 2リットル持ってきた水の消費も早い。
アップダウンは休場の峰で終わったが、ここからがまた凄い。800m余の急降下である。 ダブルストックを使用しても疲れた足にはこたえる。
桧山沢の橋を渡ると、長かった下りは終了した。沢で顔を洗い精気を取り戻す。
その後、しばらく平坦地を歩いて天狗平登山口へ着いた。

16:00 天狗平登山口

下山届けを出して車に戻った。 湿度が高かったせいもあるがダイクラ尾根は下りルートを使用しても 一級品であった。 

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