山歩きのページ

<bgsound src="scar.mid" loop=-1> 北アルプス 
立山連峰、剱岳
2002年7月22日(月)〜7月24日(水)


剱沢からの”朝の剱岳”


[概要]
梅雨明けを待ちかねて北アルプスへ出掛けた。今年は立山連峰と剱岳。 室堂から入り、立山連峰、剱岳を登ったあと剱沢雪渓を下り、黒部ダムへ戻る周回コースとした。天候に恵まれ岩の殿堂、 剱岳の素晴らしさを堪能出来た。

[メンバー]  :単独
[山域&山名]:
北アルプス(富山):(立山連峰)雄山(3003m)、大汝山(3015m)、別山(2874m)、剱岳(2998m)
[天候 ]      :曇りのち晴れ
[行程]
(7/22):室堂(2430m)10:00 - 11:40雄山 - 14:00別山 - 14:40剱沢キャンプ場(テント泊)
(7/23): 剱沢キャンプ場5:00 - 6:40前剱6:50 - 8:00剱岳9:00 - 11:20剱山荘12:00- 14:30真砂沢キャンプ場(テント泊)
(7/24): 真砂沢キャンプ場5:30 - 7:00ハシゴ谷乗越 - 8:50内蔵助平 - 11:00内蔵助谷出合11:40 - 14:10黒部ダム

一日目:室堂〜剱沢キャンプ場
扇沢を朝一番のトロリーバスに乗ってアルペンルートで室堂に9:20着。室堂に着いたら雨が降っている。ちょっと計算違いだ。 様子を見ていたが止みそうもないので、雨具を着けて出発。

10:00  室堂を出発する。
室堂の周りは観光客と登山者で溢れている。小学生らしい団体登山者が雨ガッパを着けて雄山方面へ列をなしている。どこまで行くのか知らないが、結構 厳しい環境だ。
一ノ越までは途中少し雪渓もあるが比較的緩やかな登りだ。雨とガスで視界は悪い。
一ノ越から雄山までの登りはガレた悪路である。落石に注意しながら登る。途中まで登ったところでガスが切れて、 雨も止んできた。室堂の周りが俯瞰できる。残雪があり、まるで絵の具のパレットのようだ。




    ”雄山への登りから室堂を俯瞰”。

11:40 雄山

雄山神社を参拝後、休憩し大汝山へ。3015m、立山最高峰である。 右側には黒四ダムが眼下に見える。富士の折立を過ぎると急降下。250m位 下る。何とももったいない。右側に大きく内蔵助カールが落ち込んでいる。 
前方のガスが切れて別山と剱岳が姿を現す。









”別山とその向こうに剱岳がそびえている”
 



緩やかな真砂岳を過ぎて少し下り、その分登り返すと別山へ出た。

14:00 別山

別山まで来たら残念ながら、剱岳は再びガスに包まれた。
カラフルなテントが並ぶ剱沢キャンプ場を俯瞰しながら、歩きにくい道を下ると剱沢キャンプ場に着いた。
テントはそれほど多くはなく、水場に近い場所にテントを設営した。管理事務所で管理料500¥を払う。その後夕方まで のんびり過ごすが、剱岳はとうとう顔を見せなかった。
二日目:剱沢キャンプ場〜真砂沢キャンプ場

5:00 剱沢キャンプ場出発

朝起きたら雲ひとつ無い晴天。目の前に見える前剱と剱岳に思わず身震い。食事後、テントを撤収しスタート。 剱山荘までは途中の雪渓を横切り、緩やかな下りである。
剱山荘前にザックをデポし、軽量ザックに必要品のみを入れて出発。剱山荘泊まりの登山者は大部分が既に出発していた。  一服剱とはよくいったもので、ここで一服。ここからが剱への本格的な登り。 前剱の登りは急登でかつガレているので 始末が悪い。石を落とさぬよう慎重に登る。前剱を過ぎると鎖場のある岩場の連続。幸いにして余り登山者は多くないので 有名なカニのタテバイも待つことなく慎重にクリア。 カニのタテバイはなるほど高度感がある。20mくらいか。  最後の急登をクリアすると頂上へ出た。

8:00 剱岳

360度遮るものなし。素晴らしい眺望だ。こんな天気のいい日はめったに無いだろう。振り返ると剱沢から立山、その向こうに 薬師岳が完全に見渡せる。槍、穂高もはるかかなたに見える。




    剱岳頂上から”立山、薬師方面”

東側に目を向けると、30数年前に歩いた、後立山連峰が全容を現している。




    剱岳頂上からの”後立山連峰” 左より白馬三山、唐松、五竜、鹿島槍、爺ケ岳、右端は針ノ木岳

展望を十分に堪能したあと下山に入る。落石に注意しながら慎重に下り、カニの横這いに到達。ここは最初の一歩の出し方 を間違わなければ問題ない。 岩場は登りより下りの方が注意を要する。鎖場、ハシゴなどを通過し平蔵のコル、前剱を順次過ぎて 一服剱で一息つく。 ここから剱山荘までは楽な下りである。
11:20 剱山荘着

  山荘前のベンチでラーメンを作り大休止。 剱山荘の前には剱岳から下山した人たち、これから登る人達がそれぞれに休憩 をとっている。
休憩後、剱沢雪渓に向けて出発。 雪渓に入る前にお花畑があり、ちょうど見頃である。









”剱御前とお花畑”
 



雪渓への下り口はガレた石の急斜面で取り付きが難しい。 6本爪アイゼンを付けて、慎重に雪面へ下りる。雪面へ下りたあとはアイゼンが 効くので問題なく下りられる。 









”剱沢雪渓を上から見下ろす”
 



日本三大雪渓と云われているが、この時期の雪渓としては、10日前に登った、飯豊山の石転び沢雪渓の方が、 傾斜、長さ共に大きいと思われる。
平蔵谷、長次郎谷の雪渓を左に見ながら高度を下げていく。右手の別山沢の雪渓を越え、しばらく下った点で物凄いデブリに出合う。 雪と砂利の混ざった大きな山が雪渓を塞いでいた。これを過ぎると下方に今日のキャンプ地、真砂ロッジが見えてきた。

14:30 真砂沢キャンプ場

テント場には既にテントが一張設営されて、登山者が周りでくつろいでいた。 ロッジでテント申し込みをし、 ビールを購入後テントを設営する。 すぐ近くまで雪渓が迫っているので、ビールを冷やすのに都合が良い。 時間が早いので昼寝をしたいが暑くてテントの中では無理。近くの木陰まで足を運び暫く昼寝をした。 この地は一般登山者は余り 通らないので静かである。 夕方近くになったら、小屋泊りの客が数名着いた。

三日目:真砂沢キャンプ場〜黒四ダム

5:30 真砂沢キャンプ場出発

真砂沢の小屋から最初は沢の左岸の夏道を歩き、少し下りたところで対岸へ移るが、この辺はまだ雪渓があり解りにくい。 対岸のそれらしい所をねらって進みなんとか道をみつけた。ここは歩く人も少ないらしく最初はなかなか道らしい道にならないので 間違えたのかと不安になる。ハシゴ谷乗越までは林の中の比較的急な道で、 歩き難い岩の道や、ハシゴを越えていくとハシゴ谷乗越に出る。ここからは剱岳が目の前に迫ってくる。 剱沢から見たのと違う形の剱岳である。




    ”ハシゴ谷乗越からの剱岳”

ハシゴ谷乗越から最初はやや急な下りである。 そのうちに緩やかではあるが水無川のような岩の道になり これがなかなか歩きにくい。やがて内蔵助平に出て、やれやれ。 ここは今までと全く違う景色で別天地といった感じ。 ここで一息いれて、再スタート。
ここからの道がまたくたびれる。 殆ど整備されていない道で何度も道を見失った。 斜面に沿って作られているが、身の丈を越す 夏草が生い茂りかき分け、かき分け進む。いい加減いやになった頃、内蔵助谷の出合に出た。

11:00 内蔵助谷出合

ここから欅平まで、歩道が付けられているが、整備の人が橋を渡って行き来していた。 ザックを降ろし休んでいたらいつの間にか 寝てしまった。 40分程して気分一新でスタート。黒部川の左岸に沿って作られた道を進むが、この辺の渓谷の景観は素晴らしい。 両岸の壁が迫ってくるようだ









”黒部渓谷”
 



景観を見ながら歩いて行くと前方に放水している黒四ダムが見えてくる。 ダムの手前で右岸に渡り、 最後は工事用車道を歩きトロリーバス乗り場に出た。

14:10 黒部ダム

ここへ来ると雑踏の現実に引き込まれる。 観光客に混じって扇沢へ下りた。



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