朝日連峰は標高はそれ程ではないが、おおらかで素晴らしい山である。今回は一番北に位置する以東岳へ出掛けた。
好天に恵まれ、秋の気配を感じさせる東北の名山を堪能してきた。
7:00 日暮沢小屋前(617m)を出発する。
小屋の左手から登山道になり、暫く行くと急登が始まる。実に小気味のいい急登でいきなり汗をかく。
松や、ブナの根を踏みながらいくとゴロビツの水場へ出た。ここで冷たい水でノドを潤し休憩。
更に急な登りを黙々と歩く。潅木帯になり傾斜が少しづつ緩やかになって清太岩山へでた。
ここから朝日連峰の稜線が見えるようになる。再び下降し、コルから潅木の中を登って行くとなだらかな
ユーフン山のピークがある。
ユーフン山からは朝日連峰の主稜線が左は大朝日岳から、右は以東岳まで見渡せる。疲れを忘れさせる眺望だ。
”ユーフン山からの朝日連峰稜線”
景色を見ながら、なだらかな稜線を登って行くと竜門山の分岐に突き当たる。ここは潅木があり、見通しは良くない。
11:20 竜門山
右に折れて少し下ると新しい竜門小屋の前にでた。小屋の脇の広場で今夜の宿泊者数名が昼寝をしていた。
そのまま先に進む。なだらかな尾根を登り下りして行くと、やがて寒江山だ。ここはヒナウスユキソウの群落があるが
残念ながら花はピークを過ぎている。
寒江山からは険しい山肌の相模山の稜線が左手に見える。

”険しい山肌の相模山”
寒江山は三つのピークがありそれを越していくと三方境に出る。障子ケ岳、天狗角力取山からの稜線との交叉点だ。
ここまで来ると眼下に狐穴小屋が見え、以東岳全貌が大きく姿を現す。

”狐穴小屋と遠方以東岳”
荒れた道を下ると狐穴小屋だ。
14:30 狐穴小屋
小屋に入ると既に6名の若いグループが一階で談笑していた。 大鳥小屋から来たとのこと。この小屋はまだ建替え後、
間もないようで、新しくて気持ちが良い。ノートに記帳し管理費をポストに入れる。二階に荷物を降ろした後
、小屋の周りを散策。小屋の前には水場があり、豊富な水が流れている。いいロケーションだ。
5:00 狐穴小屋出発
早朝、荷物は小屋に残し、サブザックで以東岳へ向けて出発。ひんやりとした空気が気持ちが良い。
小屋を出たところで東の空が明るんで日の出だ。
”狐穴小屋付近での日の出”
朝露を踏みながら、快調に進む。右手前方に朝の月山が見える。
”朝の月山”
緑の稜線を更に進んで行くと、朝の陽を浴びた以東岳が、だんだん大きく迫ってくる。
”朝日を受ける以東岳”
稜線を登り切ったところが以東岳である。
6:40 以東岳
頂上は全体になだらかで、360度、絶好の眺望だ。
”以東岳頂上”
遠方は飯豊連峰
北方眼下に熊の皮を剥いだような形の大鳥池が
望まれる。
”大鳥池”
更に先ほど来た方向を振り返ると、朝日連峰の主稜線が延々と連なって見える。その遥か先にピラミダルな大朝日岳がはっきりと
見える。印象的な風景である。この景色を見るために朝日連峰の北のはずれまでやって来たといっても過言ではない。
”以東岳から稜線を振り返る”最遠方は大朝日岳
素晴らしい景色を十分に堪能した後、先ほどの道を再び狐穴小屋へ戻る。
9:00 狐穴小屋出発
荷物を回収し昨日の道を戻る。天気が良く朝日連峰全山を見渡しながらの稜線漫歩である。
秋の気配を感じさせる稜線には、ヤマトリカブト、日光キスゲ、ヨツバシオガマ、マツムシソウなど、夏と秋の花が
咲いて目を楽しませてくれる。
15:00 日暮沢登山口
夏山の喧騒が過ぎた、初秋の静かな山旅を無事終えた。
出合った花々
2003年山行一覧表 朝日連峰-山行記録 Home