山歩きのページ

<bgsound src="scar.mid" loop=-1> 鳳凰三山  薬師岳、観音岳、地蔵岳
2004年8月31日(火)〜9月1日(水)


観音岳の先から見た”地蔵岳”
オベリスクが天に向かって突き上げている


[概要]
八月最終の31日、猛烈台風の通過を待って南アルプスへ出掛けた。 計画は白峰三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)を縦走の予定だったが、早朝、南アルプス市 のバス乗り場に着いたら、台風の影響で南アルプス林道が閉鎖。 3時間待ったが、 いつ開通するか不明。 やむなく計画を変更し、鳳凰三山(薬師岳、観音岳、地蔵岳)の縦走とした。  夜叉神峠から入り、縦走後 広河原から、バスで夜叉神へ戻るのが便利だが、バスの開通も未定のため、 ちょっとくたびれるが、夜叉神から鳳凰三山を往復した。 それに道路が閉鎖のため、芦安から夜叉神まで旧登山道の登り(2時間)のおまけつき。  南アルプススーパー林道に裏切られたのはこれで2回目。 前回(3年前)も代案の山は鳳凰三山だった。

[メンバー]  :単独
[山域&山名]:南アルプス(山梨)、鳳凰三山:薬師岳(2780m)、観音岳(2840m)、地蔵岳(2764m)
[天候 ]      :晴れ
[行程]
(8/31):芦安山ノ神(900m)9:00 - 11:00夜叉神の森11:20- 12:30夜叉神峠13:00 - 16:40苺平(幕営)
(9/1): 苺平(幕営地)6:20 - 6:50南御室小屋7:00 - 8:00薬師岳8:05 - 8:35観音岳8:50 - 9:40地蔵岳9:50 - 12:00苺平12:10 - 14:30夜叉神峠15:40 - 16:20夜叉神の森

一日目:芦安,山ノ神〜苺平

9:00  山ノ神を出発する。
夜叉神の森まで車道歩きをしようとゲートまで来たら歩行者も通行止めという。どうしようかと思案していたら地元の長老が旧の登山道があると教えてくれた。 それしか方法がないので旧道を歩くことにした。山の神から川沿いに造られた旧道は踏み跡もはっきりした登山道である。南アルプス林道が出来るまではこれが唯一の登山道で あったと思われる。そのむかし、ウェストンもこの道を使って鳳凰三山や白峰三山を登ったのであろう。
台風一過のからりとした晴天にはならず、気温と湿度が高い。 昨日の台風の雨で生い茂った草は水をたっぷりと含んでいる。暑いのでスパッツのみを着けて歩いたが、汗と草露でズボンはびっしょりになった。 夜叉神の森まで標高差500mを2時間かけて登る。ここまででかなりの体力を使ってしまった。

11:00  夜叉神の森に到着。
当然のことながら周りには誰もいない。ここから南御室小屋までは約6時間。行けるかどうか確信が持てない。 南御室小屋まで行き着けなっかたことを考えここで水を補給した。
夜叉神峠まではりっぱな道路である。昨夜の台風で折れた大枝が所々道を塞いでいた。

12:30  夜叉神峠13:00
ここから北岳方面がよく見える筈であるが、雲がかかって見えない。夜叉神小屋は今日は営業していないようだ。誰もいない小屋前のベンチでコンビニおにぎりの昼食をとる。
夜叉神峠からは比較的緩やかで単調な登りが延々と続く。時々木々の間から甲府盆地が見え隠れする。
夏の花は終わっていたが、所々でオレンジ色のナデシコのような花がみられた。後で図鑑を調べたら、”フシグロセンノウ”というらしい。 花の形とは似つかない名前である。








”フシグロセンノウ”




1時間歩いて5分休憩のペースが続く。途中、山火事の跡へ来ると一気に展望が開けるが残念ながら北岳方面は曇っている。
再びシラビソの森の中の道となる。ちょっとうす暗い。この調子だと南御室小屋へ着く頃は暗くなってしまうだろう。 無理をせず途中で幕営することにした。

16:40  苺平付近
余り推奨は出来ないが、路肩のスペースに幕営。先人がテントを張った跡である。
今朝、芦安の駐車場に着いたのが朝の5時半。長い一日が終わった。
二日目:苺平付近幕営地〜鳳凰三山〜夜叉神の森
6:20  苺平付近幕営地出発
夜中は風が強かったが、シラビソの森の中。テントには余り風は当たらなかった。朝食後テントを撤収。ザックを木陰にデポし サブザックに食糧、コンロ、雨具を詰めて出発。
荷物が軽いので、昨日と雲泥の差。快調である。こういうスタイルの山歩きも悪くない。しばらく下って行くとポッカリと盆地状の平地に出る。南御室小屋である。

6:50 南御室小屋
小屋の脇から豊富に水が流れていた。水を補給する。”南アルプス天然水”と書いてある。その通りうまい水だ。
小屋の裏から樹林帯に入り急登になる。1時間くらい歩くと森林限界を超え花崗岩の”砂払い”に出る。富士山が遠望され、白峰三山方面の 展望が開けるが、白峰三山は頭に雲がかかっている。









砂払いからの”富士山”








 砂払いからの”白峰三山” 残念ながら雲がかかっている。









砂払いからの”薬師岳、観音岳”




8:00 薬師岳
砂払いから少し行くと左手ダケカンバの中に薬師岳小屋がある。台風一過。小屋の布団を周りに一斉に干していた。 ここからは風化した花崗岩の快適な稜線歩き。しばらく行くと薬師岳に出る。
ここで、この山行で初めての登山者と出会う。青木鉱泉から今朝登ってきた方である。1日ぶりに人と出遭ったので懐かしく(?)しばし話しをする。 観音岳が目と鼻の先に見える。








薬師岳からの”観音岳”




8:35 観音岳
ここから薬師岳方向に富士山が遠望出来、絵になる風景である。甲斐駒ケ岳方面も展望が開けるが、 残念ながら甲斐駒、北岳は依然として頭に雲がかかっている。芦安からここまで標高差約2000m登ったことになるが、 そんな感じがしない。だらだらの登りが多かったせいか。
観音岳から白いザレた稜線を下る。途中、今日2組目の登山者 と出会う。女性2人連れで昨日は青木鉱泉からドンドコ沢ルートを登って来たとのこと。途中で辛くて帰ろうかと 思ったと。
ドンドコ沢は急登で且つ、道が余り良くない厳しいルートである。
鳳凰小屋への分岐を経てアカヌケ沢ノ頭に立つ。少し下りて石の地蔵が並ぶ賽の河原へ出る。 地蔵岳へはふもとまでとし、尖った先への登頂はあきらめて引き返す。ここからは来た道をひたすら戻るのみ。







観音岳から”薬師岳、富士山”












観音岳から”甲斐駒ケ岳方面”





12:00 苺平
昨夜の幕営地にデポしたザックを回収し下山。先ほどまでの軽量ザックに替わってまた重さが肩に食い込む。 歩くペースががっくり落ちる。
途中で山梨交通に電話を入れて確認したら今日はバスが通っているとのこと。夜叉神の森発 16:40。この時間に合わせて 下りればよい。

14:30 夜叉神小屋
ここから夜叉神の森まで30分。時間があるので小屋前のベンチで休憩。今日は夜叉神小屋は営業中。小屋の前で 今夜の宿泊者が談笑していたので、その中に入り時間をすごす。

16:20 夜叉神の森バス停
夜叉神の森から山ノ神までバスで約20分かかった。昨日2時間かけて歩いたコースである。
芦安の駐車場で車を回収し、近くの金山沢温泉で2日間の汗を流し帰途についた。


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