五月も下旬、残雪の美しい大朝日岳へ行ってきた。
久し振りに好天。 という天気予報を信じて出掛けたが、東北の山はどうして。
簡単には好天にはなってくれない。 初日は雪混じりの雨。
日帰りも可能な山だが、今回は小屋泊まりとした。
朝日連峰の山小屋(避難小屋)はどれも新しく素晴らしいものだ。昨日は平日であり、やはり、
小屋を一人占め。静かな大自然を満喫した。
目の前に広がる月山、鳥海山に感激。
雪が少ないとはいえ、朝日連峰はさすがに豪雪地域。 素晴らしい雪の景観は残してくれていた。
おまけに、前夜は季節はずれの雪。
お陰で、山の雪の白さは格別だった。
登山口に着いたら雨が降っている。天気予報では午後からは晴れるという。車の中で様子を見ながら時間を過ごす。
8:45 古寺鉱泉登山口を出発
なかなか雨はやみそうにないので雨具を着けて出発することにした。雨はそれ程ひどくないが、冷たくて視界は悪い。
ハナヌキ峰の分岐までノンストップで歩いた。この辺から雪道が半分くらいある。少し視界が良くなって古寺山への登りが見えてきたが、
上の方はガスッている。
”古寺山付近”
霧雨で稜線付近は視界が悪い。
古寺山の手前はまだかなりの積雪で、この辺はスキーでも降りられそうだ。古寺山の頂上は夏道が出ている。小朝日岳までは、雪庇と夏道を交互に
歩く。雪庇はクラックが入っているので注意を要す。
12:00-12:20 小朝日岳(1647m)
依然として視界が悪い。雨は小降りだが、少し雪が混じっている。冷たいはずである。
大朝日小屋まで行くしかないので、視界は悪いがただ黙々と進む。銀玉水は完全に雪の下である。持参の水が残り少ないが、雪があるのでこれを融かせばよい。
銀玉水の先は雪がふき溜まったかなりの急斜面だ。安全のためにここでピッケルを抜いてキックステップで登る。
このあたりは新雪が10cmくらい積もっている。昨夜降ったようだ。
斜面を登りきると傾斜は緩くなり、まもなく大朝日小屋である。
14:20 大朝日小屋
小屋に到着し2階に荷物を下ろす。小屋には誰もいない。管理人は6月から入るのだろう。
汗と雨で衣類はかなり濡れているので全身着替える。
一息ついたあと、寒いので熱いラーメンを作って遅い昼飯を食べ、ビールでのどを潤す。外はまだ視界が悪い。
横になってシュラフにもぐったら、1時間くらい寝てしまった。
五時頃、外を見たら少し晴れている。
フリースの上着とヤッケを着て外へ出ると、風はあまり無く、全体に雲が切れてきた。
カメラだけ持って大朝日岳へ登る。昨夜からの雪が10cmくらい積もっていてちょうど歩き易い。
”大朝日岳頂上”
頂上に着き、南方を見ると、目の前に祝瓶山が、その向こうに雪をかぶった飯豊連峰が西日の中に浮かんで見える。
ちょっと幻想的な風景だ。

”大朝日岳からの祝瓶山と遠方は飯豊連峰”
振り返って北方を見ると中岳から小朝日岳までの稜線が西に傾いた日に照らされている。昨夜の新雪で白さが際立っている。