山歩きのページ

<bgsound src="scar.mid" loop=-1> 飯豊連峰  飯豊山
2005年5月26日(木)〜27日(金)


”御秘所付近からの大日岳”


[概要]
名残惜しいが山スキーの道具は先週片付けた。
今週からは山歩き。さてどこへ出掛けようか、と。やはり真っ先に飯豊山が浮かび上がる。
飯豊の春は遅い。麓では雪解けを待ちかねたように、代掻きをし、雪解け水を引いて田植えの準備の真っ盛りである。
飯豊山は四季折々の姿を見せてくれるが、10年振りの豪雪の冬を乗り越えた今年の春は、又いつもとは違う顔があった。

[メンバー]  :単独
[山域&山名]:飯豊連峰(福島、山形、新潟)、飯豊本山(2105m)(登山口からの標高差1495m):
[天候 ]      :晴れ&雨
[行程]
(5/26):大日杉登山口(610m)7:00 - 9:40地蔵岳10:00- 12:30草履塚 - 14:00飯豊本山小屋(泊)、飯豊本山を往復
(5/27): 飯豊本山小屋6:50 - 7:30草履塚- 10:00地蔵岳 -11:40大日杉登山口


一日目:大日杉登山口〜飯豊本山

7:00   登山者カードを提出して、大日杉登山口(610m)を出発する。

登山者は見当たらないが、近くに山菜採りらしき人が数人いた。 大日杉小屋はいつ見ても、心の落ち着く、いい姿をしている。






”朝の大日杉小屋”




しばらく行くとザンゲ坂にかかる。ザンゲ坂はまだ雪が残っている。急坂であるが、雪が軟らかいので 脇の木につかまりながらキックステップで登る。







”雪が残るザンゲ坂”




尾根に出ると暫くは夏道が続く。雪が解けた登山道の脇にはタムシバ、ムシカリ、イワウチワ、イワカガミ、カタクリ等 の花が今が盛りと咲いている。
長之助清水付近から再び登山道に雪が現れる。振り返ると五段山の稜線が直ぐ近くに対峙している。







”五段山とタムシバ”




御田を過ぎると雪上歩きの方が多くなる。雪に埋まった細い樹木が時々音を立てて起き上がる。傾斜は少しづつ緩やかになり、 ダマシ地蔵が目の前に現れる。
この山の本意ではなかろう。ダマシ地蔵とは有り難くない名前を付けられたものだ。







”ダマシ地蔵と地蔵岳へ続く尾根”




地蔵岳への登りは木立が全くない全面が雪の急斜面である。この辺りから三国岳、七森方面の視界が開ける。







”三国岳、七森方面”





9:40  地蔵岳

飯豊山が全貌を現す。いつもは木立がじゃまになって見難いがこの季節、積雪のお陰で視界良好。 大きな山容が目の前に迫ってくる。感動の一瞬である。




    ”地蔵岳からの飯豊山” 左、草履塚、右、ダイクラ尾根。

ここから進行方向を90°左に変えて稜線歩きになる。種蒔山までの稜線は殆どが雪庇状になっている。 三国岳から、種蒔山へ連なる稜線を眺めながら楽しい雪庇歩きである。





    ”地蔵岳から見た三国岳、種蒔山の稜線”

振り返ると今降りて来た地蔵岳の急斜面が見える。
この稜線歩きは通常木立が邪魔になって余り視界がきかないが、この季節視界がきき、雪庇の上を歩くので全く別の山を歩いているような 感じである。







”稜線の雪庇”
 




ブナの新緑の向こうに切合から草履塚の稜線が連なる。







”切合から草履塚の稜線”
 




御沢分れからは短縮コースをとる。雪のある今の時期のみ可能なコースである。切合小屋へ直接突き上げる尾根を登る積もりであったが、今の雪の状態なら草履塚へ直接登れそうである。 切合への尾根を横切り、一旦谷に下りてから草履塚への尾根を登る。 雪が比較的軟らかいのでツボ足でも登れそうであるが、 安全のため、アイゼンを着け、ピッケルを抜いて登る。
草履塚への最後の登りは雪の吹き溜まった急斜面である。







”草履塚への最後の登り”
 




12:30  草履塚

草履塚に登ると大日岳方面の視界が開け、大日岳から飯豊山までの大きな山並に圧倒される。5月末とはとても思えない 素晴らしい雪山風景である。





    ”草履塚からの大日岳-飯豊山の稜線”

草履塚から先は完全に夏道である。山の斜面によってこれだけ積雪量に差があることを改めて実感した。
御秘所の岩場を越え、御前坂から最後の登りに掛かる。久し振りの荷物を担いだ山歩きで、疲れが出てきた。 休憩のピッチが少しづつ短くなってくる。
振り返ると残雪を抱いた、草履塚、種蒔山から疣岩山へ続く稜線が広がる。





”御前坂の途中から見た草履塚、種蒔山から疣岩山へ続く稜線”
 



やがて傾斜は緩やかになり、一ノ王子を過ぎて飯豊本山小屋に着いた。

14:00  飯豊本山小屋
小屋に入り荷物を降ろす。小屋の中には登山者は見当たらない。休憩のあと飯豊本山を往復する。
宝珠山からダイクラ尾根が午後の日に輝いて見える。







”宝珠山とダイクラ尾根”
 



更に右に目を移すと、今朝登ってきた地蔵岳の稜線を見下ろせる。地蔵岳から4時間かけてここまで来たことになる。







”飯豊本山からの地蔵岳”
 



飯豊山頂上からは、北股岳、杁差岳方面の飯豊連峰北方稜線がきれいに見渡せる。改めて飯豊連峰の大きさを実感。







”北股岳、杁差岳方面”
 



しばし、景色を楽しんだあと小屋に戻る。少し昼寝をした後、酒を飲みながら食事をする。 いつもながらのささやかな一人宴会。
今日はこの広い小屋を独り占め、風の音を聞きながらシュラフに潜ったらいつの間にか寝てしまった。

二日目:飯豊本山〜大日杉登山口
明け方、小屋の屋根を叩く雨の凄い音で目が覚めた。風もかなり強いようである。 天気が良ければ、大日岳までと考えていたがこの天候では無理である。この豪雨の中を降りるのもいやだな、と 外に出てみると、なんとかなりそうな雨だ。それにしてもこの山小屋は音響箱のような感じで、風雨の音が倍増されているようである。

6:50  飯豊本山小屋出発

雨具で完全武装して出発。視界は余り良くない。少し白いものが混じった横殴りの雨が容赦なく顔を叩く。 足元を確認しながら慎重に急な御前坂を降りる。 御秘所付近を過ぎたら少し視界が開けてきた。

7:30  草履塚

草履塚からは勿論、昨日登った短縮ルートをとる。雪山の下りは楽である。スキーがあればなーと。素晴らしい斜面を快調に降り、 御沢別れに出る。雨は小降りになり、振り返ると今降りてきた、草履塚からの尾根が見渡せる。





    ”御坪付近から草履塚を振り返る”赤い線が降りてきたルート。

雨はひどくはないが相変わらず降っている。雨具を着けたまま昨日来た道を忠実に戻る。

11:40  大日杉登山口

登山口で下山の記帳をし今回の山行は無事終了。この2日間、誰とも逢わない静かな山行であった。  途中、「フォレストいいで」で温泉(300¥)に入り汗を流し、帰途に着いた。



    咲いていた花々


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