山歩きのページ

<bgsound src="ich.mid" loop=-1> 飯豊連峰  飯豊山
2013年6月6日(木)


”飯豊山の頂上から見た大日岳と御西岳”


[概要]
飯豊山は厳冬期を除く各季節に訪れているが、この時季の飯豊は残雪と花と緑が調和して私の一番好きな季節である。

昨年秋、初めて日帰り登山を経験した。 残雪期のこの時季は秋の場合より条件が厳しいと思われるが、再度トライしてみた。

梅雨入りしたのに、このところ 全く雨が降らず、おまけに夏に現れる雷雨もあちこちに きかれるようになり、季節は夏の様相である。


[メンバー]  :単独
[山域&山名]:飯豊連峰(福島、山形、新潟)、飯豊本山(2105m)(GPS計測の累積標高差 2300m、延べ距離 23km):
[天候 ]      :晴れ
[行程]
:大日杉登山口(610m)4:10 - 地蔵岳(6:10-6:30) - 切合小屋 8:40 - 飯豊本山(10:30-11:00) - 切合小屋12:20 - 御沢分れ12:40 - 地蔵岳(14:00-14:20) - 大日杉登山口16:00


4:10   大日杉登山口(610m)

午後は雷雨の予報があるので、少し早目の出発とした。 周囲が明るくなりランプを頼らずのスタート。

まずは登山口にある受付小屋で入山届を出し、大日杉の遺跡の脇を通ってザンゲ坂までの急坂を行く。

780mで尾根に出て ブナの巨木の新緑の中の急勾配の登山道を気持ちよく高度を上げていく。

ダマシ地蔵手前から ルート上は残雪が多く現れる。





     ”ダマシ地蔵からの地蔵岳、そしてその向こうに飯豊山の頂上が少し見える。”


残雪と夏道を交互に進み、最初のポイントの地蔵岳に出る。


6:10   地蔵岳(1539m)

ここで今日最初の休憩をとる。 ここまではまずまずのペースで歩いた。 後半の下りはペースダウンを余儀なくされるので、
調子の良い 朝の内になるべく先を詰めることにする。





     ”地蔵岳の三角点付近から見た飯豊山。 直線距離では すぐそこだが、 グルッと廻り込んでいく登山道は遠ーい。”


休憩の後、左に向きを変えて稜線歩きになる。ここからは残雪があり、 結構アップダウンのある歩きだ。





     ”草履塚から種蒔山の稜線。 ”


朝のうちは殆ど姿を現さなかったこの時季の名物 ブヨが稜線歩きで一斉に攻撃を始めた。 虫よけネットとアームカバーで防御するが、 やはり鬱陶しい限りだ。

ハッカスプレーはあまり効果がなく、かえって人間様がハッカの匂いで参ってしまいそう。





     ”残雪歩きが続く。 ”


稜線は登山道と雪田とが交互に現れる。 雪田から夏道へ移るポイントを見逃さないように注意。





     ”稜線上1508mのピークから地蔵岳を振り返る。 ”

タムシバ、シラネアオイ、カタクリなどの花が咲き始めている登山道を   アップダウンを繰り返しながら少しづつ種蒔山へ近付いていく。

ひめさゆり はまだのようだが、それにしても ひめさゆり の株がめっきり少なくなったようで気がかりだ。





     ”形が変わっていく飯豊山を右に見ながらの稜線歩きが続く。 ”


御坪を過ぎると また少し山の景色が変わる。 見た感じ、御沢の雪渓は完全な状態だが、
雪渓を登り詰めるのは意外に疲れるので、種蒔山迂回のルートを取る。





     ”種蒔山、切合から草履塚へ続く稜線。中央の平坦なところが切合小屋。 ”





     ”御坪付近からの飯豊山。 ”


種蒔山の裾を巻く雪渓歩きは、急斜面のトラバースがあるので、念の為6本アイゼンを付け ピッケルを持つ。





     ”種蒔山の裾を巻くように雪渓をトラバースして切合小屋へ向かう。 ”





     ”雪渓の最後、御沢の最上部の形状が悪い部分は避けて 左上を巻くように進む。 ”



8:40   切合小屋

ここまで来ると大迫力の大日岳の姿が目に飛び込んでくる。 この景色を見たくて毎年通っているようなものだ。





     ”切合小屋付近から見た、大日岳。 ”

草履塚への登りは全て雪渓歩き。 この時間になると雪面は緩むので、6本爪アイゼンを付けても大変歩き難い。





     ”草履塚から見た 飯豊山とその右の御秘所沢。 写真では飯豊山はすぐそこに見えるが、一旦下って登り返すので時間が掛かる。”


草履塚からは夏道を行く。 この付近は雪融けも早く、いろいろな花が咲き始めて目を楽しませてくれる。





     ”大日岳と登山道脇に咲き始めた ハクサンイチゲ。 ”


草履塚から約90m下り、そこからは再びの登りになる。





     ”御秘所の岩場越しに見る飯豊山。”






     ”御前坂付近に咲くミヤマキンバイと大日岳。”


御前坂からは約200mの最後の登りである。 少しガレた急な坂を頑張って登る。

一ノ王子、本山小屋を過ぎ、平坦な登山道をしばらく進んで、飯豊山頂上に着いた。



10:30  飯豊本山

ここまでは 予定通りのペースで歩いてきた。 荷物を下ろしてゆっくりと眺望を楽しむ。





     ”飯豊山の頂上標柱。 この時季としては最高の天気である。”





     ”飯豊連峰の北西方面の稜線。 烏帽子岳、北股岳、門内岳、右奥は杁差岳。”





     ”烏帽子岳、北股岳、門内岳付近をズームアップ。”





     ”大日岳、御西岳。 この景色も心をなごませてくれる。”





     ”右に目を転ずると厳しい表情のダイクラ尾根が。”


毎年眺めている風景だが、今日もまた、この素晴らしい景色に しばらく 酔いしれる。

冬の厳しさが半端ではないこの名山は、今の時季までその厳しさの名残を見せている。 標高が 2100m ちょっとしかないのに この時期 これだけの雪を抱いた山は他には余りないだろう。


さて、今日はワンデイの歩きである。  ここで昼寝をしていたい気分だが そうもいかないので、重い腰を上げて下山とする。

ヒザを痛めないようにユックリと下る。 以前はパッパと 下れたのに もどかしいが、止むを得ない。ヒザは一度ダメにしたらお終いですから。





     ”一ノ王子付近から下りを見る。 草履塚、種蒔山、疣岩山、巻岩山などが連なる。”


草履塚からは待望の雪渓下りが始まる。 雪渓の下りは快適です。 シャーシャー と。 上りの厳しさと帳尻合わせの様に短時間で下りてしまう。

切合小屋からは御沢の雪渓を 下る。 最初の急斜面も、雪が緩んでいるので、アイゼンは不要。 シャーシャー と。





     ”切合からの急斜面を降りて、御沢の下りを見下ろす。 雨が少ない為か、ミゾのない きれいな雪渓だ。”


御沢分れで、登山道に戻り、後は往路をユックリと戻る。 地蔵までの縦走路はアップダウンがあり、見た目以上に疲れる。
予想通り、朝歩いた時間の3割増し掛かって、地蔵岳へ。


14:00  地蔵岳

ここで暫く休憩し、食糧を補給した後は最後の下りである。

ここまで来ると行程の8割は消化している筈だが、気分的には まだまだかなり残っている感じ。

ゆっくり、ゆっくり と。 ヒザに負担が無いように下る。 御田を過ぎ、ザンゲ坂まで来た辺りで、雷が鳴り、雨が降り出した。

予報の的確さに感心しながら、最後を下り、大日杉へ戻った。


16:00  大日杉登山口

受付の小屋で下山の記帳を済ませ、車に戻る。 駐車スペースには、今朝見た軽自動車が一台あるのみで他には見当たらない。

スタートから12時間弱。 残雪と花と緑を見ながらの ワンデイトレッキングは無事終了した。


  咲いていた主な花々。


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