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<bgsound src="s_song.mid" loop=-1> 南会津  大戸沢岳 - 北東尾根
2014年4月 1日(火)


登り1553m付近から見た大戸沢岳

[概要]
このところ急に気温が上昇し、各地で桜の開花の便りが聞こえるようになった。 こうなると山スキーの目的地は絞られてくる。

今回も南会津地方に出掛けた。 ここは豪雪地で 麓の雪が消えても山は季節を間違えたのではないかと思われる ような白い峰々が連なる。 日本の秘境の一つにあげたい 私のお気に入りの地である。

今回の目的地 大戸沢岳へは夏の登山道がないので、登るのは雪のある季節に限られる。


[メンバー]  :単独
[山域&山名]:南会津(福島)、大戸沢岳(2089m)
               (登山口からの標高差:1250m、合計距離:10.8km)
[天候 ]      :快晴
[行程 ]      :6:30 下大戸沢スノーシェッド脇(840m) - 8:25 1553mポイント - (10:20-10:50)大戸沢岳 - 11:50下大戸沢スノーシェッド


6:30   下大戸沢スノーシェッド脇

春が遅い南会津だが、今年は殊更 積雪が多く、国道脇にはまだ1m以上の雪壁が残っている。


雪壁に作られたステップを登り下大戸沢沿いを少し進み 急登尾根に取り付く。 2日前に降った雨で表面がクラストした雪面はシール登高向きだが スキーアイゼンは必須である。

息もつけないような(?)急な尾根を一気に 約500m登るとやっとなだらかになる。





        ”なだらかになった1350m付近のブナ林。 ここでやっと一息。”


1386m地点から右に真っ白な三ツ岩岳が見える。 今年は雪が多く三ツ岩沢へ落ちる壁の白さが素晴らしい。





        ”1386m地点からの三ツ岩岳。”


ここからは進路を南西方向に変え少しアップダウンのあるなだらかな尾根歩きが始まる。 数日前のものと思われるトレースがかすかに見える。

やがて二つ目のピーク1553mに到着。 ここで初めての小休止。 


8:25   1553mのピーク





        ”1553mのピークから見た大戸沢岳。  なだらかな山に見えるがここから先はかなりの急登になる。”






        ”下山予定コース、大戸沢岳から北東への尾根。 (三ツ岩岳手前の25〜30°斜度で落ちる尾根)”



1553mから少し下り、ヤセ尾根になる。 そして緩い傾斜を登り1600m付近が一番細くなっている。

この辺りから表面に新雪が現れ始めた。 今日の強い日射しで雪質の劣化が気になるところだ。





        ”1650m付近のヤセ尾根は  雪堤状になっている。 硬い雪面に少し新雪が載っている。”



ここから方向を北西に変えて最後の400mの急な登りが始まる。  クラストした斜面だとシールが滑り易く かなり厳しい登りになるが 今日の雪質はどうか。





        ”昨日の雪が枝に付いたダケカンバ。 白いレースのドレスを装った貴婦人といったところか。”


急斜面に適度に積もった新雪はウインドパックされてシールに食い付くように登高に最適の状態。 ジグを切ることなく急斜面を殆ど直登で進むことが出来る。
例年だとかなり疲労してくる頃だが 今日は快調に高度を上げていく。





        ”1850m付近の急斜面から 三ツ岩岳と北東尾根。 ”






        ”登ってきた尾根を見下ろす。 途中の斜面が出張って、下が見えない。”






        ”大戸沢岳から南東に派生する尾根。遠方は日光連山。 ”






        ”2000mの手前から見た三ツ岩岳。  神々しい程に白く輝く山と壁。 ”



やがてなだらかになり少し南西方向に少し進んで頂上付近に到達。


10:20   大戸沢岳

今までの山行では登りに5〜6時間掛かっていたが、今日は登り易い雪質のお蔭で4時間弱で登ったことになる。
当然その分疲労も少ない。





        ”燧ケ岳。 ”






        ”会津駒ケ岳と中門岳方面。 ”






        ”越後の豪雪地帯 未丈ケ岳と毛猛山。 右は浅草岳方面。 ”






        ”会津丸山岳方面。 右の山は三ツ岩岳と大戸沢岳の中間のピーク。 ”



ゆっくりと休憩後はいよいよ待望の滑降。 ウィンドパック状態の新雪はこの時季としてはまずまずの雪質。





        ”滑り開始の広大な大斜面。 ここから下大戸沢まで 高度差1200mを一気に滑り降りる。”



急斜面の滑りは「 至福」 の一語に尽きる。 この素晴らしい大斜面を贅沢に独り占め。





        ”1750m付近から頂上方向を振り返る。  緩やかに見えるが上の方の斜度は30°くらいある。”






        ”滑っても滑っても まだ続く快適斜面。 中央右が終点の下大戸沢”






        ”滑り終えた1600m付近を振り返る。”



1500m付近から新雪とクラスト雪面が混在し始める。 日当たりの良いクラスト雪面はザラメ状になり始めているので、 比較的滑り易い。

1300mから下は尾根の末端近くが複雑な形状となっているので、 早目に左斜面へ方向変更し中ノ沢と三ツ岩沢の合流点を目指す。 

この辺りまで下ると水を含んでかなり重い雪質になるので 足を取られないようにユックリと滑る。





        ”三ツ岩沢と中ノ沢の合流地点。 例年見られるデブリは今年は見当たらず、きれいな雪面。” 






        ”下大戸沢を見下ろす。 ここから終点まで高度差300mの緩い下り。” 



水をたっぷり含んだ雪は思わぬブレーキが掛かる。 脚を踏ん張りながらの滑りが続く。

いつもの地点で下大戸沢を渡渉。 スキーを対岸に放り投げて、 浅い水流の中を渡って対岸に。
もう暫くするとこの沢の渡渉も難しくなるだろう。

国道沿いの登山口まで滑って本日の行程は無事終了。


11:50   下大戸沢スノーシェッド到着

標高の下った地点では雪質が少し重かったが、大戸沢岳は山スキー向きの本当に素晴らしい山だ。


今回のコース



  ”今回のGPSトラック”  赤:登り、 青:下り



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