山歩きのページ

<bgsound src="ich.mid" loop=-1> 飯豊連峰  飯豊山
2015年5月29日(金)


”草履塚から見た大日岳と御西岳”


[概要]
先週 那須の三本槍岳から見た 空に浮かんでいるような残雪の飯豊連峰が印象的だった。 この時季の飯豊は残雪と花と緑が調和して私の一番好きな季節である。

やっぱり今年も飯豊山へ行かなければ。 と出掛けてみた。 

このところ連日の夏日。五月と云うのにまるで真夏のような気温で ちょっとキツイ山歩きだった。


[メンバー]  :単独
[山域&山名]:飯豊連峰(福島、山形、新潟)、飯豊本山(2105m)(GPS計測の累積標高差 2500m、延べ距離 24km)
[天候 ]      :晴れ
[行程]
:大日杉登山口(610m)4:05 - 地蔵岳(6:15-6:30) - 切合小屋(8:20-8:35) - 飯豊本山(10:40-11:10) - 切合小屋12:30 - 地蔵岳(14:30-14:50) - 大日杉登山口16:40


4:05   大日杉登山口(610m)

周囲が明るくなりランプを頼らずにスタートする。

まずは登山口にある受付小屋で入山届を出し、大日杉の遺跡の脇を通ってザンゲ坂までの急坂を行く。

暫く登ってザンゲ坂の手前で登山道を見失い、ちょっと時間のロス。この時季は登山道が雪で削られて見失い易く要注意である。

780mで尾根に出て ブナの巨木の新緑の中の急勾配の登山道を気持ちよく高度を上げていく。 いつ来ても地蔵岳までの登りはどこの山にも負けない厳しい急登である。

ダマシ地蔵付近から ルート上は残雪が現れる。今年は雪解けが早く、例年より残雪は少ない。





     ”ダマシ地蔵からの地蔵岳、そしてその向こうに飯豊山の頂上が少し見える。”


残雪と夏道を交互に進み、最初のポイントの地蔵岳に出る。


6:15   地蔵岳(1539m)


ここで今日最初の休憩をとる。 約900mちょっとを2時間10分。 ここまではまずまずのペースで歩いたが まだ先は長い。

 




     ”地蔵岳のすぐ先の雪原から見た飯豊山。
   雪渓にはまだ雪は残るが尾根の下の方は既に緑の夏色。”


休憩の後、左に向きを変えて稜線歩きになる。ここからは残雪と夏道の混在で、 アップダウンのある歩きになる。





     ”稜線の途中の雪田から見た種蒔山から草履塚、飯豊山まで これから歩くルート。 ”


今年は雪解けが早いせいか、色々な花が咲き初めている。ヒメサユリのつぼみもチラホラ。





     ”稜線に咲き始めたタムシバとムシカリ。”






     ”目洗い清水付近の雪田から姿を変えた飯豊山を見る。”


御坪を過ぎて草履塚までの雪の状態を観察する。下から雪が繋がっているように見えるが途中で既に ヤブが出ているようなので ショートカットは諦めて、夏道を辿ることにする。





     ”種蒔山、切合、そして草履塚への稜線が美しい。中央の平坦なところが切合小屋。
    御沢の雪渓は雪が繋がっているので下りにここを降りよう。”


種蒔山の裾を巻く雪渓歩きは、急斜面のトラバースがあるので、念の為6本アイゼンを付け ピッケルを持つ。





     ”急な雪渓をトラバースして切合小屋へ向かう。
    雪渓の向い側の壁は雪庇が崩れて悪い形になっている。”



8:20   切合小屋


ここまで来ると大迫力の大日岳の姿が目に飛び込んでくる。 この景色を見たくて毎年通っているようなものだ。
この時季にこれまでの山容が見られるところは なかなか無いと思う。





     ”切合小屋付近から見た、大日岳と御西岳への稜線。 ”


草履塚への登りは全て雪渓歩き。 この時間になると雪面が緩んでずり落ちるので、6本爪アイゼンを付けても大変歩き難い。






     ”草履塚から見た 飯豊山とその右の御秘所沢。 ここから一旦下って飯豊山まで登り返す。”


草履塚からは夏道を行く。 この付近は雪融けも早く、いろいろな花が咲き始めて目を楽しませてくれる。





     ”登山道脇に咲き始めた ハクサンイチゲ。 背景は大日岳。
   お気に入りのシーンである。 ”


一旦約90m下り、そこからは再びの登りになる。





     ”御前坂付近に咲くミヤマキンバイと紫のオヤマノエンドウ。”


御前坂からは約200mの最後の登りである。 少しガレた急な坂を頑張って登る。

一ノ王子、本山小屋を過ぎ、平坦な登山道をしばらく進んで、飯豊山頂上に着いた。



10:40  飯豊本山


今日は真夏のような天気で暑く、予定より少し時間がかかった。 荷物を下ろしてゆっくりと眺望を楽しむ。





     ”飯豊山の頂上から見た大日岳方面。”





     ”飯豊連峰の北西方面の稜線。 烏帽子岳、北股岳、門内岳。”





     ”右に目を転ずると飯豊連峰で最難関のダイクラ尾根が。”


毎年眺めている風景だが、今日もまた、この素晴らしい景色に しばらく酔いしれる。

冬の厳しさが半端ではないこの名山は、 今の時季も強風が吹きつける。 体感温度が急に下がってきたのでヤッケを着込んで下山体勢をとる。






     ”下り始めて向いの地蔵岳を見下ろす。ここからまだまだ遠い。”






     ”御秘所付近に咲く紫の花「オヤマのえんどう」。”


草履塚からは待望の雪渓下りが始まる。 雪渓の下りは快適です。 シャーシャー と。  上りの厳しさと帳尻合わせの様に短時間で下りてしまう。


切合小屋からは少し種蒔山方面に戻りそこから 御沢の雪渓を 下る。 最初の急斜面も、雪が緩んでいるので、アイゼンは不要。 





     ”切合からの御沢の下りを見下ろす。 吸い込まれる様に雪渓が落ちていく。”


御沢分れで、登山道に戻り、後は往路をユックリと戻る。

朝のうちは殆ど姿を現さなかったこの時季の名物 ブヨが稜線歩きで一斉に攻撃を始めた。 虫よけネットとアームカバーで防御するが、 やはり鬱陶しい限りだ。

地蔵までの縦走路はアップダウンがあり、見た目以上に疲れるが季節の花に癒されながら歩く。





     ”稜線の雪解けあとから咲き始めたシラネアオイ。”






     ”よく見ないと見失いそうなハクサンチドリ。
    チドリが群がっているように咲く。”



14:30  地蔵岳

ここで暫く休憩し、食糧を補給した後は最後の下りである。

ここまで来ると行程の8割は消化している筈だが、地蔵岳からの最後の下りが一番きつい。

ゆっくり、ゆっくり と。 ヒザに負担がかからないように下る。 長之助清水を過ぎた辺りから下の沢音が聞こえて登山口まで 近いことを感じる。 最後、ザンゲ坂からの急坂を下り登山口に戻った。


16:40  大日杉登山口

受付の小屋で下山の記帳を済ませ、車に戻る。 駐車スペースには、自分の車しかない。今日は一日誰とも会わない 静かな山行だった。

スタートから13時間弱。 残雪と花と緑を見ながらの ワンデイトレッキングは無事終了した。




今回のコース



  ”今回のGPSトラック”登り:赤、下り:青”



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