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<bgsound src="s_song.mid" loop=-1> 南会津  大戸沢岳 - 北東尾根
2015年3月 17日(火)


登り1553m付近から見た大戸沢岳

[概要]
3月も中旬になると急に春らしくなって梅が満開に、そして各地で桜の便りも聞かれるようになる。  いよいよ春スキーのシーズン到来である。

リフトを利用せずに自らの足を頼りに登って、滑り降りる。 最初は今回も南会津地方に出掛けた。


[メンバー]  :単独
[山域&山名]:南会津(福島)、大戸沢岳(2089m)
               (登山口からの標高差:1250m、合計距離:10.8km)
[天候 ]      :快晴
[行程 ]      :7:00 下大戸沢スノーシェッド脇(840m) - 9:05 1553mポイント - (11:00-11:30)大戸沢岳 - 12:10下大戸沢スノーシェッド


7:00   下大戸沢スノーシェッド脇

お彼岸が近いのにこの地方はまだ完全に雪国の世界。 除雪されてはいるが 国道脇両側に3mもの雪壁が城壁のように 延々と続く光景は度胆を抜かれる。 この地の冬の厳しさは想像以上であろう。





        ”スタート地点。3mの雪壁をよじ登ってルートに入る。”



下大戸沢右岸沿いを少し進み 急登尾根に取り付く。 数日前 に入山した山スキーヤーのトレースがしっかり出来ているのでそれを辿る。
朝のうちは気温が低いので 表面が締まった雪面のシール登高は比較的登り易い。 しかしこのルートは最初からいきなりの急登なので すぐに汗が噴き出し上着を脱ぐ。

息もつけないような(?)急な尾根を一気に 500m程登るとなだらかになり やっと一息がつける。






        ”1386m地点から右に見える 真っ白な三ツ岩岳とそこから落ちる三ツ岩沢。
    新雪で化粧した姿は神々しいばかりの美しさである。”


ここからは進路を南西方向に変え 少しアップダウンのあるなだらかな尾根歩きが始まる。 回りの景色を眺めながら のんびり歩ける唯一のスノーハイク区間だ。





        ”平坦な雪原歩き。 数日前のトレースが見える。”






        ”少し進むと正面に大戸沢岳の姿が見えてくるが まだまだ遠い。”


起伏を幾つか越して行くとやがて1553mのピークに到着。 ここで初めての小休止。 


9:05   1553mのピーク





        ”1553m付近から近くなってきた大戸沢岳を見る。
    左側を登っていくが見た目より急な尾根である。”


風もなく、雲一つ見えない快晴。今日は気温も上昇し春スキーを通り越して初夏を思わせる雰囲気である。
遠方は少し霞むがそれでも、白い姿の飯豊連峰、蔵王連峰、などがはっきりと見える。

休憩のあとはまず雪が吹き溜まって出来た細い尾根を通り、 方向を少し北西に変えて400mの急な最後の登りに掛かる。





        ”1750m付近の急斜面から今まで歩いたルートを見下ろす。
     歩いてきたなだらかな尾根が眺められる。”


この付近まできたらトレースは殆ど消えたが、雪面はここ数日の好天で表面が融けそしてその後締まり、 大変登り易い。
急斜面もジグを切らずに 殆ど直登で進むことが出来る。





        ”1800m付近の急斜面から見た 三ツ岩岳。 その手前の右に落ちる尾根を滑る予定。”






        ”左側、大戸沢岳から南東に派生する尾根。
     今日の雪の状態であればこの尾根も下から登ることが出来そう。”






        ”2000mを超すと傾斜は緩やかになる。
    左手遠方に見える燧ケ岳をズームアップ。 ”


やがてなだらかになり 南西方向に少し進んで頂上付近に到達。


11:00   大戸沢岳

雪面状態がシール登高に適していたので 比較的短時間で頂上まで来ることができた。
お蔭で標高差 1250mを登った割には余り疲労感はない。

頂上付近は疎らなオオシラビソに遮られて北方の眺望はあまり良くないが、周辺を少し歩き回って遠景を眺める。





        ”会津駒ケ岳と中門岳方面。 強風でオオシラビソが一方向に傾いている。”






        ”越後の豪雪地帯 未丈ケ岳と毛猛山。 右は浅草岳方面。  ”






        ”会津丸山岳方面。 豪雪地帯の山はまだ真冬の姿である。 ”



ゆっくりと休憩後はいよいよ待望の滑降。 ザラメの 雪質。 とはいかないが、滑りには支障ない。この長大な斜面を独り占めで滑る爽快感を 言葉で言い表すことは出来ない。





        ”滑り開始の広大な大斜面。 ここから末端の下大戸沢まで
    高度差1200mを一気に滑り降りる。”






        ”急斜面越しに見た三ツ岩岳方面。 遠方にちらっと飯豊連峰。 ”


連続する急斜面をどんどん下る。日射が強い部分は雪が緩み始めているので、日蔭と混ぜながら滑る。





        ”滑り終えた1600m付近の急斜面を振り返る。
     雪面には雨で出来た溝が少し見える。 ”







     ”やがて尾根の下部に差し掛かる。 余り末端まで滑ると
    雪庇が出来ているので早目に左の沢へ降りる。”






        ”三ツ岩沢と中ノ沢の合流地点から三ツ岩岳を振り返る。 左の急斜面を滑り降りた。
    沢の状態は 大きなデブリは見当たらず、比較的きれいな雪面。” 


ここから終点まで高度差300mの緩い下り。 融けて水をたっぷり含んだ雪は思わぬブレーキが掛かる。 脚を踏ん張りながらゆっくりと滑る。

いつもの地点で下大戸沢を渡渉。 と云っても今年はスノーブリッジがまだ健在でスキーで楽々右岸に渡る。
あと1週間もすれば水流が出てスキーで滑り渡ることは難しくなるだろう。

国道沿いの登山口まで滑って本日の行程は無事終了。


12:10   下大戸沢スノーシェッド到着

雪質はザラメには遠く、この時季特有のミックスした雪質だったが滑りは楽しい。大戸沢岳は山スキー向きの本当に素晴らしい山だ。

登り開始から下山まで誰とも会わない静かな山行だった。


今回のコース



  ”今回のGPSトラック”  赤:登り、 青:下り



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