<!DOCTYPE html> ***高木技術研究所***

朝日新聞記事紹介(2004年5月12日付)

フグ肝、食べられます
長崎大 無毒化に成功
美味だが猛毒のため、法律で販売や提供が禁じられているトラフグの肝の無毒化に、長崎大学の野口客員教授らの研究グループが成功し、特許を取った。独自の養殖管理法を確立、肝だけでなく、身体のどこにも毒が無い という。この技術を利用して佐賀県は、肝を食卓に出せるようにする「フグ特区」を6月、国に提案する予定。
同グループによると、フグは、海底にいるヒトゲや貝など毒のある生物を食べ、その毒を蓄積する。試しに稚魚の時からアジやオキアミなど無毒の餌で育てたら毒がなかったことから 、フグを有毒生物から隔離し、無毒の餌で育てる方法を検討した。その結果、海底から10メートル以上離れた位置に網で囲って養殖する「囲い養殖」と、水槽で浄化した海水で育てる「陸上養殖」 が有効だった。この養殖法と同グループ独自の管理法を取り入れた長崎県の鷹島など全国7ヶ所で、00年から03年にかけて計4833匹の毒を測ったところ、毒性のフグはいなかった。フグの有毒部位の販売は、 食品衛生法で規制されている。佐賀県と同県嬉野町は、国の構造改革特区で、フグの肝を気軽に食べられる「ふぐ特区」を計画。陸上養殖で育てた無毒フグを嬉野温泉の旅館で提供し、「温泉とフグの肝」で町おこしを狙う 。その際は、天然物など有毒フグが紛れ込まないよう、無毒の肝に長さ1ミリ、直径0.25ミリのタグをつけたり、取り扱い業者の認定制度を新設したりするという。 同グループの荒川修・長崎大水産学部教授は「養殖フグならどれでも無毒というわけではない。天然物はもちろんだが、素人判断で食べるのは、絶対にやめてほしい」と話す。
農林水産省によると、フグの養殖は、全国1の長崎県など九州や四国で盛ん。02年の総生産量は5231トン。

「すごい成果だ」
厚生労働省食品安全部の話
フグの無毒化はすごい成果だ。しかし、天然物の肝と見た目で区別できず、現時点で養殖 フグの肝を広く解禁することは難しい。

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