このトップの写真はネットから取ったもので、実際に行った時のものではありません。だがこの景色は今まで帰郷(金沢)する度に高速道路から何度も見た山容です。残念ながら私は立山に登ったことがありませんでした。立山室堂までは、金沢の帰りに立ち寄りましたけど。“越中で立山 加賀では白山・・・”と詠われたこの山は「準ふるさとの山」と言いたい山なんですが。
  70代前後から、自分や仲間の体調などから次第に山が疎遠になっていて立山へ行くチャンスは、ましてありませんでした。でも、白山(2,702m)には3度行っているんだから、立山がゼロじゃ、ふるさとの山に申し訳ない とずっと思っていました。
  今年は、比較的体調も良いし、行きたいなぁと思っていた所に Kjさんたちのグループで「今年開通になったばかりの北陸新幹線に乗って、立山に行く・・・」と聞いたので、無理を言って、その中に入れて貰えないだろうかと聞いてみました。Kjさんは二つ返事で「今回はグループ番外編で参加する人が少ないからOK!、一緒に行きしましょう」と話が決ったのでした。

  出発3週間前に、最終的に5人で行くことになったこと、また1週間前に、台風15・16号が来てるけど通過が確実になったので、台風一過で良い天気になりそうだから決行との連絡を受けた。
   (写真をクリックすると大きくして見ることが出来ます。)

 1日目、新幹線やいろいろに乗って・・・室堂から一の越山荘へ
  8/28、大みか駅を朝5時出発、勝田で特急に乗り換え上野へ、上野から北陸新幹線で富山に着いたのは10時半。切符は各自別々に買ったので、道中はばらばら、男の旅なんてこんなもの。富山駅を出た所で本当の顔合わせ「よろしく!」となりました。(4人中2人が初対面でしたが後で色々な縁で繋がりがあることが分かりました。)この後、富山地鉄電車(65分)、立山ケーブルカー(7分)、立山高原バス(50分)で室堂に着いたのは13時30分でした。ここまでの天気はずっと曇り、台風は過ぎたが秋雨前線が居座って天気が不安定なのです。黒部・魚津辺りから富山に近づくにつれ立山連峰が現れたが雲の下に僅かに見えるだけ、ページトップの画像とは全く違うが、お天気もの、どうしようもないですね。
  室堂ターミナルを出ると立山の記念碑がある登山拠点。ここでも雲が低く垂れこめていて視界不良、だと思ったら、秋篠宮殿下の歌碑の所で突然雲が晴れて立山が ご見参 と相成りました。雄山の頂上がくっきり見え感激でした。
       
黒部辺りの車窓から 室堂 記念碑前で全員集合 立山がご見参
 明日はあの山に登る。天気よ!良くなってくれと祈る気持ちでした。室堂の周りは人でいっぱい。8月の末といえばシーズンのピークは過ぎているのに、この人出。そう言えば北陸新幹線も混んでいたが、その一部がここに来てるのかな。

  14時20分、今日の目的地/一の越山荘に向かって出発。殆ど雲に覆われているが一部に青空も覗いている変な天気、雨は降っていなかった。整備された石畳の登山道を進む。霧で前が見えなくなったかと思うとまた晴れて山並みが見える。贅沢は言わない、これだけ見えれば御の字だと思って歩いた。遠くに別山や大汝山も見える、明日登る予定だ。今月初めに西穂独標へ登ったばかりで意外と脚が軽く感じたので、5人の先頭を歩こうとしたら、Kjさんから「私の前に出ないでくれ」と窘められた。ちょっと失態。
  一の越山荘へは曇り空ながら、1時間ちょっとで着いた。Kjさんは、まだ歩き足りないから、気圧になじむ為、もうちょっと歩くと言って、明日登る雄山ではなく、反対の浄土山(2831m)へ歩き出した。どうも、この辺りから、何となく、息切れを感じていた。次の日分かったのだが多分高山に順応出来なかったようだ。浄土山の方に半分も行かない内に雨が降ってきたので、そこから一の越山荘へ引き返したが私にとってはその方が有難かった。雨はその後、次第に強くなって来て夜半にはどしゃ降りになった。
         
さあ出発! 遠くに別山か 右が大汝山 花を見ながら 一の越山荘 









  2日目、雨が上がって頂上へ
  8/29朝、振り続いていた雨が全くやむ気配がない。この雨じゃ山歩きは無理。6時に出発して、雄山・大汝・別山まで行く計画は不可能になった。中止して帰ろうとの提案に反対する人は誰もいなかった。部屋で横になっていたら、他の人たちが食堂のストーブで暖を取りながら思案していると言うので同席した。皆、テレビの天気予報をにらみながら(と言っても 山の天気でなく麓の立山町の天気)早々と室堂へ降りた人、雨の中強行して登った人も有る中、我がグループは9時まで待つことにした。これが当たった。丁度9時に雨が上がった、運良く待って良かったのだった。
  9時10分、山荘を出るともう雄山へ向けて登る大きな集団があった。私たちは山荘の辺りに広がる雲海を見ながら、集団の後方を登った。岩の多い急登を登って行く、結構きつい、脚はそうでも無いが息が切れる。何だろう、3000mの高さだから、血圧の薬を飲んでいる私には効くのだろうか、同行メンバーは何でも無いように見えたので気にかかった。しかし、幸いに前を行く集団のペースがそれ程でもなかったので、どうにか皆について行くことが出来た。
         
山荘前から雄山 大勢の人波 山荘前の雲海 雄山の反対 龍王山 遠くに剣岳が見えた









  10時30分、立山の代表、雄山の頂上(3003m)に着きました。ここまで時々 霧があったが雨は殆ど無くまずまずの状況、辛抱強く雨が止むのを待ったお蔭で本当に良かった。頂上辺りでは、360度の大展望とはゆかなかったが、剣岳も見えたし、針の木岳の雄姿も雲間に見ることが出来た。それに雷鳥が4羽我々を歓迎してくれた。また、ここには雄山神社の峰本社があり、神主が居て祝詞をあげてくれるというご褒美がありました。しっかり家内安全を祈願しました。目標大達成!バンザイ! Kjさんが誘ってくれたお蔭である、有難う。
       
雄山への急登 雄山頂上 雄山神社 峰本社 遠くに針の木岳
  雄山神社の中で休憩したが、まだ11時である。当初の計画の別山までは無理としても大汝山から真砂岳まで行ってそこから雷鳥沢へ下がるコースにしようとのKjさんの提案に賛成、そう決めた。雨風があるとお昼を食べる所が無いので、神社で早めの昼弁当を食べて次の大汝山へ向かった。大汝までは、余り高低差の無い尾根脇歩きで程なく着いた(11時35分)。この大汝山が立山の最高地点3015m、全員揃って写真を撮って貰った。次の真砂岳へは、これぞ尾根歩きだと喜ぶKjさんの写真をパチリ。高低差が余り無く、快適な尾根歩きだった。
       
雄山から大汝を見る 大汝山頂上 真砂岳への尾根 真砂から雷鳥澤方面
  が、この頃から次第に霧が濃くなって来、間もなく雨も降って来た。雷鳥沢に向けて下れば室堂は直ぐだ、今日の泊りの室堂山荘まで予定通りか早めに着けると感じた。しかし、この私だけの予想は全く違っていた。結局真砂岳の尾根から1時間半かけて雷鳥沢まで下りて、その後の登り返しがまた1時間半位あったのには参った。雨の中黙々とひたすら早足で行く。下りは良かったが、上りでは息が上がって付いていくのが大変だった。早く山荘に着こうとKjさんはどんどんペースを上げるので「ゆっくり歩く約束はどうなったんだ」と言いたかった。最終的には、早めに山荘に着いたのでこれで良かったのだが、しんどかった。

 3日目(最終日)富山で白エビどんぶりを食べて帰る
  最終日朝、雨は小降りだが止むことなく降っていた。予定ではみくりが池辺りの散策であったが、止めて富山へ戻ることにした。もう帰るとなると意外にやり残したことを考えてしまう。立山高原バスの中から 落差日本一350mの称名滝を見たり、立山ケーブルカーの車窓の眺めも見納めかもと思って良く見た。富山地鉄電車で富山駅に着いたのは10時30分。予定より2時間も早かったので北陸新幹線“かがやき”に乗れないだろうかと思ってみどりの窓口に行って見たが、“かがやき”どころか“はくたか”も満席、列車を変更するなんてありえない状況でした。と言う訳で、駅の周りで、頼まれた“鱒ずし”を買い、食堂で“白エビどんぶり”を食べた。このどんぶりが美味しかったので、お土産に“白エビの酢の物”を追加して帰ったら大好評だった。
  予定通りの列車を使って、大みか駅には17時21分に戻って来ました。

 おわりに
立山ケーブルカー 北陸新幹線はくたか
  良い山旅に巡り合うことが出来ました。Kjさんに感謝です。しかも、Kjさん以外の人は初対面かと思ったら、月一のゴルフで一緒しているYmさんに会い吃驚、Myさんだけは初めてでしたが、残るHbさんとは家内のつながり。珍しい名前なので毎年来る年賀状を見て知っていたもので、聞いたら間違いないと。Hbさんの奥さんと家内が旧知の親友だったのだ。その上、Hbさんのお友達には約50年前、お互いに駆け出しだった頃、韓国で3か月間一緒だった方の懐かしい話が出たり、Kjグループで今回来なかったTuさんの話が出て、Tuさんとは一緒にピザを焼いて楽しむ仲・・・で話が尽きるともなく繋がって、本当に良いグループに出会ったものだと思った。一期一会ですね。
  昨年、常念岳、今年、西穂独標と立山、3回登山してきたが、常念は天気も悪くきつかった。西穂は最高だった。立山は良い所だった。途中、息が切れて少しきつかったが、山を大きく感じた。雄山・大汝山だけでなく、別山、大日岳、浄土山、龍王岳、みくりが池、雷鳥沢、地獄谷と、室堂の周りには行くところがいっぱいだ。それに、地鉄電車、ケーブル、高原バスなど総ての設備が整った遊自然地だ。そういえば80過ぎのおじいさんと雷鳥沢近くで一人でいるのに会い、また、帰りのバスやケーブルの中で一緒だった。「どちらまで行って来たのですか」と聞いたら「雄山は登れなかった。浄土山を歩いてきた。」と。おそらく、地元の方で、何度も来ているのだと思うが、悪天候でも一人で来る勇気、エネルギーはどこから来ているんだろうと思った。素晴らしい人生観を持った方とお見受けした。
  山に来て思うのは、やっぱり健康のこと。山で会う人の顔色、体形は、病院の待合室とは全然違う。もちろん、病気で、病院へ行く事は誰にでもある自然なことだが、誰かが“病気をしても病人になるな!”と言った言葉を思い出す。
 これを機にもう少し山歩きに挑戦しても良いと思った。立山連峰でも剣岳の様なロッククライムする険しい所は駄目だが、年寄り向きの山があれば行きたい。来年まで一万歩歩きが出来ていれば行きたい。   おわり。