「せきの」見立て

エアコンの風 のどを刺激  2週間以上続いたら受診  たん出たら市販薬は禁物  

 コンタツク総合研究所「せきの意識調査」によると、「あなたはせきをするとき、周りの人にどう思われていると思いますか」(複数回答)という質問に対し、最も多い答えは「菌がうつりそうで不快」(62・6%)だった。今年2月の調査で、いまなら、もっと高い数字になるだろう。
 「せきをするときに周囲の反応が気になる場所」(複数回答)は、1位が「電車の中」(55・3%)、2位が「オフィス」(52・7%)だった。満員電車でせき込んだとたん周囲に空間ができた、というのはもはや笑い話ではない。
 「みすず薬局」(東京都渋谷区)の薬剤師、岩下哲哉さんは「今年は夏場のせきで、薬局を訪れる人が多かった。湿度が高かったため、エアコンを使う時間が長くなりがちだった。乾燥した風でのどの粘膜が刺激され、せきがでやすかったのでは」と話す。
 電車の中やオフィスで、エアコンの送風口」近くに長くいると、乾燥と温度差、ほこりの影響をまともに受け、せき込みやすくなる。まだまだエアコンの世話になることも多いこの季節。エアコンの位置に気をつけたい。
 こうした乾燥や冷気の刺激によるせきは「コンコン」と甲高い音がして、そう長引くことはない。これに対して、風邪やインフルエンザなどで気管支炎を起こした時のせきは、「ゴホゴホ」と湿っぽい感じで、たんを伴う。