涸沼     

 駅係員は常駐していないが観光センターの係員は在勤している。駅前広場に駐車場と 駐輪場がある。立派な駅舎がある駅だが周囲には何もなく空虚な感じがする。名所旧蹟案内板に いこいの村涸沼、矢神神社、田崎の紅葉、涸沼がある。

涸沼
 涸沼川と涸沼前川が涸沼に流入し、下流側では涸沼川が那珂川に合流して太平洋に注ぐ。 満潮時には海水が涸沼川を逆流するため、淡水と海水が混ざり合う汽水湖である。面積は 935ha、最大水深6.5m、平均水深2.1mで鉾田市、茨城町、大洗町にまたがってい る。

涸沼は平成27年5月28日ラムサール条約湿地に登録された。ラムサール条約とは「特 に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」で1971(昭46)年イランの ラムサールで開催された国際会議で採決された。
 締約国数 168ヵ国
 登録湿地数 2280ヵ所 210万ha(日本は50ヵ所、約15万ha)
  いづれも2015(平27)年6月現在

 涸沼にはヤマトシジミやニホンウナギ、マハゼなど多種多様な魚介類が、ヨシ原には 絶滅が危惧されているヒヌマイチトンボやオオセッカなどが生息している。同じく絶滅が危惧 されているオオワシは毎年越冬している。カモ類の飛来は毎年1万羽を超え、涸沼とその周辺 では200種を超える野鳥の生息が確認されている。水生植物も豊富でサンショウモ、オオア カウキクサなどの記録もあり、ミズアオイ、タコノアシ、オオクグなど貴重なものが現存して いる。

 茨城町下石崎の広浦は涸沼全体の中央部よりやや東にに寄る北岸に位置し、広浦漁港、水戸 八景の一つである広浦の秋月、広浦公園があり、涸沼を代表するエリアである。
 広浦漁港付近は釣りのスポットでハゼ、カイ、マルタ、ボラ、など種類が多く汽水湖ならで はの釣りが楽しめることで古くから人気が高い。広浦秋月は「月色玲瓏(れいろう)たり広浦 の秋」と水戸藩9代藩主徳川斉昭が詠んだ水戸八景の一つで、涸沼の湖面に映る仲秋の名月を 讃えるものである。また晴れた日の涸沼の眺望は素晴らしく赤鳥居の先に関東の名山筑波山が くっきりと浮かぶ。

 広浦公園は最大60張のテントが設営可能な景勝地でアウトドアーが楽しめる。他に5人用 バンガローが2棟ある。

 広浦から西に約1km進むと涸沼自然公園がある。34.5haの広大な敷地の中、涸沼の 自然を丸ごとアウトドアー施設にした公園である。
 渓流や湿原があったり、季節ごとに一面に花が咲いたりして個性もそれぞれ、せせらぎ広場、 わいわい広場、太陽の広場、一休広場を中心に3つの散策コースが整備され、老若男女が思い 思いに自然を満喫することができる。特に6月下旬から7月下旬にかけて谷一面に咲くアジサイ は必見の価値がある。4月から10月のハイシーズンは無休、誰でも入場無料なのがありがた い。
 また涸沼自然公園キャンプ場が併設され、オートサイト56区画、テントサイト300張が 可能で炊事棟2棟、バーベキューハウス6炉、温水シャワーなどもある。

いこいの村涸沼
 涸沼の中央部南岸、鉾田市箕輪にある。公益財団法人、茨城県開発公社が運営する総合リゾー ト施設である。宿泊施設の他にグラウンドゴルフ場、テニスコート、パターゴルフ場、多目的グラ ンド、野外レジャープールを兼ね備えている。中でも展望温泉大浴場はナトリウム―塩化物冷鉱 泉で涸沼温泉「美人の湯」として人気が高く、湯舟に浸かりながらの涸沼の眺望は素晴らしい ことで人気が高い。

矢神神社
 涸沼の西側(鉾田市側)県道16号線沿いに涸沼ヨットハーバーがあるが、ヨットハー バーに入る道の反対側に曲がって約400mの森の中にある。
 祭神:日本武尊(やまとたけるのみこと)
創建は不詳、古くから当屋を立てて祭祀を挙行してきた。氏子の崇敬は非常に厚く、平成19年 7月に旗柱を新設している。駅の名所旧蹟案内板の注記にあった「日本武尊大弓の祠」に興味が あり手がかりを探したが、神社の由緒説明板はなく、昭和3年村社昇格時に建立した記念碑の 碑文を読んだが、日本武尊の西征東伐には触れているが、大弓の祠に関する記述はなかったので 謂われは分からなかった。

田崎の紅葉
 涸沼駅の南方3.0km、鉾田市田崎974にある。樹齢500年の紅葉であるが、既に文化財 天然記念物から外れている。近くまで行ってみたが探し当てることができず割合した。

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