鹿島旭     

 東側を除けばほとんどが森林で、ホームに立つと上り下りとも、軌条建設分だけ切り開いたよう に見受けられる。駅の北側、跨線橋の向こうにひときわ大きい建物が見える。近づくとJA旭青果物管理 センター他の建物で、名産のメロンなどの選果場であろう。
 名所旧蹟案内板に厳島神社、飯田のもちの木、玉沢稲荷神社、樅山神社がある。

厳島神社
 厳島神社は旧旭村子生(こなじ)地区にある。国道51号線、信号「総合支所入口」を西に曲がって 約200mの信号を左折してすぐ。神社の森の前にある朱色のひときわ目立つ鳥居が出迎えてくれる。 境内は周囲の道や集落から一段低い森厳な場所で、昔から「子生弁天」として良く知られている。
 祭神:市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)

 文永2(1265)年安芸の宮島にある厳島神社の分霊を迎えたのが始まりと伝えられていたが、 1971(昭46)年氏子が保管していた古文書により、承暦2(1078)年創建との説もある。
境内はスギ、ヒノキ、モミ、スダジイ、タブノキなどの樹木に覆われ、静寂な池に浮かぶように社が 建っていて、古くから近隣在郷で安産、縁結びの神として深い信仰の対象となっていた。建物の中で 本殿は1972(昭43)年県の文化財に指定された。

飯田のもちの木
 鹿島旭駅の西方3.2km、鉾田市鹿田1135にある。鉾田市指定の天然記念物で幹回り4.77m 樹高9.45m 樹齢400年に達し堂々としている。
 現地を訪ねるにあたり鉾田市総合支所(旧旭村役場)の生涯学習課に行って所在地の道順を御教授願ったら、 域外者の小生に対し地図上にプロットして いただいたが、農村集落の中で目立った目標物もなく思案していたら、所用で外出する職員がいるから 案内するという。その職員の先導車に従って現地に無事到着することができた。感謝感激でした。
 旭西小の横から南へ1.3km進んだところを左に曲がり、200mほど進んだところを更に左に曲がって 細い道を進むとその道がY字路となりすぐその奥に立っていた。その場所は民家の屋敷内、つまり 私有地と思われる。近づいても説明板がなければ見逃しそうな所である。

玉澤稲荷神社(たまざわいなりじんじゃ)
 国道51号線、信号「総合支所入口」を東に入り、栃木海浜自然の家を過ぎて約1.8km、冷水地区 の玉澤自然環境保全地域の樹林の中にある。
 祭神:倉稲魂命(うかのみたまのみこと)
創建は不詳、源頼義が永承6(1051)年に始まった前九年の役で奥州追討に出向く時、この神社に 立ち寄り戦勝を祈願したと伝えられている。
 境内は県の自然環境保全地域になっていて、ヤブツバキを主とするスダジイ、タブノキ等の常緑樹林が、 海からの強い風の影響で樹高が4〜5mと矮小化している特異性のある生態を示している。林床にイノデ、 ベニシダなどが見られ、チョウ類も豊富に生息している。

樅山神社(もみやまじんじゃ)
 沼尾神社から東方向の国道51号線をめざし、国道51号線に出る手前約400m左側にある。 一帯は樅山自然環境保全地域でスタジイ、タブノキ、モミ等の常緑樹にケヤキ、イロハモミジ等の 落葉樹が混在している。チョウ類はアオスジ、アゲハ、キアゲハ、ウラギンシジミ等が生息し、その 特別区が神社の境内となっている。
 祭神:武甕槌命(たけみかづちのみこと)、天兒屋根命(あめのこやねのみこと)
    経津主命(ふつぬしのみこと)
大同2(807)年創建、仁寿3(858)年社殿が造営される。中世に至り七郷の総鎮守として領主 徳宿氏の尊宗が厚かったが、文明18(1486)年兵禍に遭い社殿を焼失、慶長5(1600)年 佐竹東義久が再建した。

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