茨城の灯台
茨城県の東側は太平洋に面し、弓なりの単調な海岸が約190Km続いている。
海岸の特徴は、大洗から北部は岩礁に富み景観に恵まれた地域が多々あるが、南部は鹿島灘を
望む漠然として長大な砂浜が連なっている。
長い海岸線には茨城港(日立港区)、茨城港(常陸那珂港区)、茨城港(大洗港区)、鹿島港など
重要港湾があり、更に多くの漁港が存在する。
船舶航行の安全に寄与する灯台は、この沿岸に5ヵ所設置されているので訪ねてみた。
1.大津岬灯台
所在地 北茨城市大津町632(大津岬)
灯 質 単閃白光 毎8秒毎に1閃光
光達距離 20海里(約37Km) 「1海里=1.852m」
初点灯 1960(昭和35年)3月
改 築 2012(平成24)年3月
東日本大震災で被災したため建替工事実施

大津岬灯台
国道6号線北茨城市関南町にある、信号「仁井田」の交差点を海側に曲がり大津漁港を目指して道なりに
進む。大津漁港を右手に坂道を登り高台に出ると五浦団地になるが、更に海側の細い道を入ると間も
なく道路の脇に灯台がある。灯台の傍らに駐車場あり。
この道は灯台から五浦岬公園、五浦海岸へ通じ俗にグルメ街道とも呼ばれている。
五浦岬公園は遊歩道が整い、五浦海岸や近代美術の発展に功績を残した岡倉天心の住居敷地内(現、茨城
大学、五浦美術研究所)だった一角にある六角堂の景観を楽しむことができる。
尚一帯は平地林、里山の保全地区として茨城県と北茨城市が保全に努めている。

大津岬灯台全景
銘板

グルメ街道案内板
太平洋を望む

五浦海岸
六角堂
2.川尻灯台
所在地 日立市川尻町2-4(川尻埼)
灯 質 等明暗白光 明3秒、暗3秒
光達距離 12海里(約22Km)
初点灯 1951(昭和26)年10月
改 築 1999(平成11)年3月

川尻灯台遠景
国道6号線日立市川尻町の交差点、信号「小貝浜入口」を海側に曲がるとすぐ小貝浜緑地駐車場に着く。
そこは「小貝浜緑地」となっていて灯台はその緑地内にある。
緑地は遊歩道が完備され、小貝橋を渡って緑地内を進むと、灯台ー二ツ岩ー波切不動尊ー茨城百景の碑ー
蚕養(こかい)神社を巡ることができる。
またこの一帯は渡り鳥である海鵜の渡来地で、毎年北上する3月半ば〜6月半ば、南下する10月半ば〜12月末
に翼を休めるウミウの姿を見ることができる。長良川などの鵜飼で使われるウミウは、国内唯一この地で捕獲
したものである。
尚緑地は平地林、里山の保全地区として茨城県と日立市が保全に努めている。

川尻灯台全景
銘板

小貝橋
小貝浜緑地(右手に広がる)

海食崖
二ツ石
3.日立灯台
所在地 日立市大みか町4-17(古房地鼻)
灯 質 群閃白色 毎25秒に3閃光
光達距離 12.5海里(約23Km)
初点灯 1967(昭和42) 年3月
改 築 2000(平成12)年3月

日立灯台遠景
国道245号線日立市大みか町の交差点、信号「大みか駅入口」を海側に曲がって、道なりに進むとすぐ古房地公園の中央部
に立つ灯台が目に入る。駐車場あり。(信号を山側に曲がるとJR大甕駅へ)
公園内には子ども向けの遊具が設置され、中でもコンビネーション遊具の人気が高い。また公園中央部には盛り土で
築いた展望台があり、その上に立つと眼下に太平洋が広がり見事な眺望である。
また直下には久慈浜海水浴場の広い砂浜があり、公園と砂浜は148段ある石段で連絡している。海水浴場の南側には
久慈浜漁港、茨城港(日立港区)が続いている。

日立灯台と展望台
銘板

公園の遊具
太平洋を望む

久慈浜海水浴場
歩行者用石段
4.磯崎灯台
所在地 ひたちなか市磯崎町4598-4(磯崎)
灯 質 単閃白光 毎12秒に1閃光
光達距離 17海里(約31Km)
初点灯 1951(昭和26年)3月

磯崎灯台の頭部
ひたちなか市磯崎にある磯崎漁港の南側高台に位置する。目標は酒列(さかつら)磯崎神社の駐車場、灯台は
住宅地の北端に立っている。駐車場はないため酒列磯崎神社の駐車場を利用して、神社を参拝してから灯台へ向かう。
神社の海側には灯台と隣り合わせにいそざき温泉ホテルニュー白亜紀がある。「青い空、碧い海、大海原を一望できる
天然温泉・露天風呂」を主眼として集客している。
この一帯は大洗県立自然公園に指定されていて工作物の新築、改築や木材の伐採、土石の採取、指定植物の採取
は知事の許可が必要となっている。
また海岸の岩礁は平磯白亜紀層と呼ばれ東へ30度〜40度傾斜して続き、約7500万年前中生代白亜紀層に棲息していた
アンモナイト化石などが発見されている。灯台と岩磯が続く海岸へは107段の石段で連絡している。
岩磯の海辺に降りると、茨城港(常陸那珂港区)とその埠頭にある東京電力、常陸那珂火力発電所が良く見渡せる。

磯崎灯台全景
銘板

常陸那珂港を望む
海岸の岩礁

ホテルニュー白亜紀へ
歩行者用石段
5、鹿嶋灯台
所在地 鹿嶋市明石513
灯 質 単閃白光 毎5秒に1閃光
光達距離 21海里(約39Km)
初点灯 1971(昭和46)年3月

鹿嶋灯台全景
国道51号線カシマサッカースタジアム前の交差点、信号「スタジアム前」を海側に曲がり「卜伝の郷運動公園」沿い
に約900m進むと駐車場に着く。
ふりかえるとカシマサッカースタジアムが良く見える。
少々歩き出すと目の前に高さ30mの灯台が目に入る。灯台は海岸から約1Km内陸部に入った所に位置し、周囲は住宅地で
ある。近くには波野小学校がある。灯台は鹿島港の開設に合わせ、同港に出入りする船舶の安全を図るため設置された。
尚カシマサッカースタジアムはJ1鹿島アントラーズのホームスタジアムとて使われている。
収容人員41,800人、国際試合に対応した本格的なサッカー専用スタジアムである。

灯台の頭部
銘板

サッカースタジアム遠景
正面の入口

卜伝の郷運動公園案内板
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