古武道の世界

 子供の頃から時代劇や刀が好きで、居合に興味がありました。縁あり、江戸時代の天才剣士の辻月丹資茂が元禄6年(1693年)にが創始し、江戸時代に途絶えた無外流を学ぶ機会があり修行してきました。無外流で武士道精神や侍文化を学び、この貴重な古武道を次の時代に継承する使命を感じ、「平常心是道」で精進しています。また、居合だけでなく、剣術、杖術、小太刀、手裏剣術も追及したいと研鑽しています。  

 古武道の稽古に参加しませんか
 稽古は、模擬刀・木刀・杖を使い、普段使わない膝・股関節の緩みや、骨格・肩甲骨の滑らかな動きを実践します。腰に帯を巻き刀を差す事により、身体の中心の感覚を得やすくなり、体幹が鍛えられます。また、動く相手を感じ、敵対動作を意識する事により、間合いが分かり、人とのコミニュケーションが円滑に行えるようになります。稽古を通じ、日本の伝統文化、侍の心を体感しましょう。
 稽古のテーマは「軸」「緩み」「間」「中心」で、現代スポーツとは異なる日本古来の体の使い方を学びます。「柔よく剛を制す」の諺とおり、古武道のしなやかの動きを主体とします。
  古武道は、勝ち負けでなく、稽古により体力が向上し、本来 人が自然と持つ健康的な体を得るという成果が形として表れます。無論、そうした即物的な効果だけではなく、古(いにしえ)の日本人の残した文化に触れ、ご自身の体に染みわたってゆく日本の伝統文化は、きっと私たちの住む日本という素晴らしさの再発見へとつながります
 居合
居合は、前後左右の仮想敵に対し、抜刀斬り付け、敵付、血振り、納刀までの形を稽古する「考える武道」です。仮想敵をイメージし、想像力を駆使し刀と連動した身体の動きを稽古します。ただ刀を振るのでなく、日本人が育んできた所作礼法を学ぶ武道です。所作礼法は相手を重んじ、自信を律する立ち振る舞いであり、稽古で無駄のない身体捌きを学び、美しいい所作ができるようになります。居合は剣道と同じように腕を使った斬りですが、剣道は爪先立ちで手首を使い、早く敵に竹刀を当てる事がゴールです。居合は刀が敵に当たった時がスタートで、それから刀の反りで斬る事がゴールです。
     

 剣術
 木刀を使い、打太刀と仕太刀とに分かれ、斬り合います。居合と違い相手がいるので、間合いを考え、正しい斬りと受けを感じながら稽古します。
 演武会
 稽古の成果を披露する場として、本部演武会があります。2020年は本部演武会の1週間後に御岩神社で奉納居合を計画していました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、どちらも中止となりました。1月から演武会に向けた稽古をしてきたので、残念です。
 試斬稽古
 居合の稽古は仮想敵を想定し形を学びますが、究極の目的は斬る事です。斬る体感ができるのは巻藁(約直径10cm)を斬る事です。真剣を使うので、安全最優先で稽古します。巻藁を斬るには、@刀と巻藁の間合い、A斬り付ける刃筋、B斬る位置、高さに合わせた重心移動、C全身の体捌き 但し、巻藁調達や会場確保等準備が大変なので、ソフト剣や木刀を使い斬りの刃筋、間合いを稽古します。
     
 刀拵と修理
 居合稽古をしていると鯉口が緩くなったり、鞘割れしたり、柄巻きの擦り切れ等が発生し、稽古に障害となります。その都度、業者に依頼すると費用と修理期間が掛りますので、自分で修理しましょう。
 @稽古をしていると鯉口が緩みます。鞘から刀が自然と抜けるようになったら、鯉口の内側に和紙を張ります。
 A鞘割れ防止は、鯉口か籐や紐を巻き漆やニスをぬります。
 B長く稽古すると、柄は汗で汚れたり、柄紐が擦り切れたりしますので、柄の状況を見て巻き替えましょう。柄巻き替えると、刀もリフレッシュします。柄紐は正絹と革巻きがあり、どちらも柄巻きしましたが、革巻きは難しいが、握りがしっかりしました。柄巻き師に挑戦です。
Cいつかは刀の拵をしようと思います。最大の課題は鞘です。鞘造りの練習としてミニュチア刀で鞘が上手く造れたので、真剣の鞘材用を探しています。
 杖術
 杖術は攻撃により変化に応じて敵を制する武術です。杖を自由に扱うには、杖を両手で軽く握り、手の中で滑らせながら手の内を変え攻防します。杖の操作は、半身の入替、膝・股関節、肩甲骨、肘等関節の緩みにより、回転、受け、斬り、斬り上げ、突きを稽古します。これらの身体捌きは、普段の日常生活で使わない関節を動かす事で、肩甲骨等関節の可動域が広がり、肩こりが改善され体幹が鍛えられます。
@構え:上段、中段、下段で右構え、左構え
A攻撃:真向、袈裟、逆袈裟、突き、脛、顎を前後左右の敵
 
 小太刀術
 江戸時代は、侍以外は刀が持てないので脇差を持つ人がいたようです。私が学んだ剣術には、刀、槍、薙刀、棒、杖がありますが、一番短い小太刀の体捌きに興味があります。小太刀は敵の懐に入り込みむ体捌きは柔術に繋がり、警視庁には十手術・警棒術があるようで、小太刀術と共通点を研鑽しています。
 手裏剣術
 人類最初の武器は、古代に石を投げて狩猟したり、敵を威嚇した事のようです。石投げ投撃は、世界各国で色々な術に発展し、槍投げ、円盤投げ、砲丸投げ、ブーメラン、ダーツ、吹矢などがあり、オリンピック種目もあります。子供の頃五寸釘打ちで遊んだのを思い出し、剣修行の延長とし、日本独特の剣を投げる手裏剣に興味を持ちました。日本では、石投げから、戦国時代に石、矢、槍、剣、短刀を投げているうちに、江戸時代明和・安永(1764〜1780)に専用化した剣が手裏剣です。
欧州では、第一次世界大戦で飛行機から手裏剣のような物を投下し、後の飛行機からの爆弾投下に進化しました。欧州への普及は、幕末に欧州に渡航した徳川慶喜の弟の護衛で随行した水戸藩の剣術名手のようです。
@投法:直打法、回転法、多回転法 
A間合:静の間合いは弓の間合(15間)の半分(7間半)、動の間合は手裏剣の種類、投法により多種 
B種類 笄、五寸釘、十字・卍手裏剣等 使用目的・身分により多彩