山スキーのページ
上越
巻機山
2007年4月6日(金)
”巻機山頂上から見た越後三山(左から八海山、越後駒ケ岳、中ノ岳)”
[概要]
上越国境にあって豪雪の山、巻機山。これまで計画しながら、天候がうまく噛み合わず 行けなかったが、今回やっと実現した。
周りの山々がスキー場で埋まっていく中、この山は開発されずに自然がそのまま残っている貴重な存在だ。
標高差約1300mを自分の足で登り、豪快にダウンヒルする、これぞ山スキーにぴったりの山である。
[メンバー] :単独
[山域&山名]:上越(群馬、新潟)、巻機山(1967m)
(登山口からの累積標高差、:約1300m)
[天候 ] :晴れ
[行程 ] :桜坂登山口(730m)7:50 - 12:20ニセ巻機山 - 13:00巻機山13:30 - 13:55ニセ巻機山 - 14:50登山口
数日前に林道は除雪されたようで、ラッキーにも桜坂まで車で入ることが出来た。
7:50 桜坂登山口を出発する。
駐車場も完全に除雪してあり、周りの雪の量もかなり少ない。
”朝の駐車場”他に車は見当たらない。
15分程前に、単独の山スキーヤーと、ワカンの登山者がそれぞれ出発していった。
シールを着けて出発。どこを歩いても良さそうであったが、先行者のトレースに続いた。 昨日までに降った新雪が10cm程度積もっていて、くるぶしくらいまで沈む。
”歩き始め地点より天狗尾根をみる”
しばらくして先行者に追いつき、先頭に立って進む。900mから、井戸ノ壁と称する急傾斜になる。ヤブの急勾配に新雪が積もっているので、シール登高は難しい。 スキーをザックに付けて、ツボ足で登るがヒザ上まで潜り容易ではない。
もう少し締まった雪であれば、ツボ足で問題なく登れるが、今日の雪は中途半端で難儀する。
思いの外時間がかかり、やっと井戸ノ壁の上に出て、ここから本格的なシール登高の開始。
”井戸ノ壁の上から振り返る”
右の稜線沿いに暫く進み、その後少し左寄りに進路を変え、ブナ林の中へ入る。
”井戸ノ壁の上の稜線を進む”
”稜線越しにニセ巻機山が少し顔を覗かせる”
”1150m付近から振り返る”左の尖った山が上越のマッターホルン大源太山。 谷川岳は山の陰で見えない。
1200mから1500mまでは、適度の斜面のブナ林である。新雪であるが、滑り降りるころには重い雪になっているであろう。
”1400m付近のブナ林”
1500m付近まで来ると、ニセ巻機山が前面に現れる。これまでの景色を一掃するような真っ白い山の光景に圧倒される。
”ニセ巻機山全景”右の斜面を巻くように登る。
気温が高く、緩んだ新雪がシールに付き始めたので、休憩をとり、シールワックスを塗布。
”左手の天狗尾根と右端の割引岳”
ワカンの登山者が先行していたが、ニセ巻機山の斜面の途中から引き返してきた。ワカンのラッセルはスキーより大変のように 見受けられた。
ここからが、登りの核心部。右の斜面をトラバース気味にジグザク登高。急斜面の堅い雪の上に張り付いた 新雪がずり落ちるので意外と疲れる。
”1700m付近の急斜面から、登ってきた斜面を振り返る”
やがて勾配が緩やかになり、ニセ巻機山のピークである。
”ニセ巻機山のピーク。後面は割引岳”
12:20 ニセ巻機山頂上
ここまで来てやっと巻機山本峰を見ることが出来る。会津駒ケ岳と似たような風景である。
”ニセ巻機山から見る巻機山全景”
ニセ巻機山から避難小屋までは下りとなるが、シールを付けたまま滑る。
避難小屋は雪の下にあって姿は見えない。想定される積雪量は5m以上であろう。
”避難小屋付近。後面は割引岳”
避難小屋付近から約160mの最後の登りとなる。勾配は比較的緩やかであるが、疲れた身体には頂上は遠く感じる。
数回の休憩を混じえて、巻機山の頂上に立つ。
13:00 巻機山頂上
頂上からの眺望は素晴らしい。遠方は少し霞んでいるが、真っ白に雪を被った越後三山(トップの写真)や、上越の山々。 雪の少ない今年でも、この地の山だけはいまだに、冬の姿である。
”巻機山頂上から見るニセ巻機山”
先日降った黄砂の上に新雪が載り、ニセ巻機山の斜面はまだら模様になっている。
休憩の後、いよいよ滑降である。少し西寄りに滑ったあと、避難小屋付近のコルに向けて滑降。緩んだ新雪でちょっと重いが 疲れが吹っ飛ぶ快適なひと時。あっと言う間にコルへ降りる。
単独行の山スキーヤーはこのコルで引き返して行った。
再びシールを付けてニセ巻機山まで登り返す。
”ニセ巻機山付近から見た米子頭山の稜線”
金具を締めて、いよいよ、1100mのダウンヒル開始。コースは登りとほぼ同じ。
ニセ巻機山直下は左の急斜面をトラバースを混じえて滑る。1600mからは少し勾配が緩やかになり快適斜面。
”ニセ巻機山直下の斜面を振り返る”
1500mからはブナ林の中をツリーラン。下るに従って段々雪が重くなってくる。
井戸ノ壁の上までは殆ど休みなしに降りる。
井戸ノ壁はコースを選びながらの下りとなる。 ここはヤブがひどいのでまともなターンは無理で 斜滑降と横滑りを混じえて高度を下げる。
”井戸ノ壁のヤブの急斜面”
最後は緩斜面を駐車場まで滑って、無事終了。
14:50 桜坂駐車場
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