乗り物酔い

情報に「ズレ」脳が混乱   平衡感覚 四股で鍛える   乗る前 ツボ指圧が効果   ショウガ 吐き気を抑制 

 秋は行楽のシーズン。車やバスに乗る機会が多いが、乗り物に弱い人にとって移動時間は憂うつだ。乗り物酔いに「克つ」方法を紹介する。
 乗り物酔いが起こるのは、乗り物による加速や、揺れなどで、目や足などの情報ほか、平衡感覚をつかさどる内耳にある三叉規管の情報にズレが生じることで脳が混乱するためだ。その結果、内臓をカントトールする自律神経の働きが不安定になり、頭痛や吐き気を催す。睡眠不足や低血圧、「酔ってしまうかも」という不安も、自律神経に変調をきたす原因となる。
 「『乗り物酔い』撃退ブック」(マキノ出版)の著者で、目白大学教授(耳鼻咽喉科学)の坂田英明さんは「乗り物酔いを撃退する7か条」を提唱している。そのキーワードは、①暗示②睡眠③服装④位置⑤姿勢⑥薬⑦アルコールだ。
 なかでも暗示の効果を強調し、「例えば子供の場合、親が『あなたは酔いやすいから』と心配するほど酔いやすい。リラックスした気持ちで、自分は大丈夫だと信じることが大切」とかたる。
 その上で、十分な睡眠を取り、腹回りなどを締め付けないゆったりとした服を着て、バスの前方や船の中央など振動や傾きの少ない席に座ることを心がけたい。
 座る際にあごを引く。三半規管の中にリンパ液があり、あごを引けば液の動きを抑えられ、酔いにくくなるからだ。視線は進行方向や遠くの景色に向ける。酔い止めの薬を服用するのも一策だ。大人の場合には、少量のアルコールを摂取するのもいい。
 中には様々な試みをしても、一向に乗り物酔いが改善しない人もいる。坂田さんは、「その場合は耳や脳の病気の可能性もあり、専門の医師に相談を」と話している。

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